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フラグ回収から始まる悪役令嬢はハッピーエンドが見えない〜弟まで巻きこまないでください〜  作者: 空野 奏多
悪役令嬢、物語に挑む〜ゲームの舞台もフラグだらけです〜
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327話 なんかすみません

なんだかいつの間にか2500ptこしてましたね⁉︎

ありがとうございます‼︎

しかもあとちょいで10万ユニークです!

これはお返しに感謝祭かな(それしかできない)

みなさん、いつもありがとうございます!

 無理やりソファに座らされ。

 セツやリリちゃんフィーちゃんは離れ。

 圧だけを、目の前に感じている。



 んふふふふー!

 もうやだ帰りたいなぁー⁉︎



 誰かが呼んだらしいメイドさんが、紅茶だけ置いて出て行ってしまった。こんなに、知らない人を引き留めたかった日は初めてだよ‼︎



 ちなみに私の両隣、なんでかレイ君とノア君なのよね!



 今日に限って大人しすぎるレイ君は、目も合わない。生きてます? ノア君は見れば視線が返ってくるけど、小首を傾げられるだけ。


 当然、助けにはならないだろう。



 そして目の前に、ブラン、アル、ヴィンスが構えている。



 どこかピリついた空気は、主にここから漂ってきている。テーブルの上に本でも積んで、この空気を遮断したくなる。



 え、何この逆要塞の布陣。

 いや3人がけだからだけどさぁ!

 はぁー……鏡あったら飛び込んでるなコレ。



「えっと……あのですね……」


 へらへらとムダに笑いつつ。

 チラチラと周りを見つつ。

 だらだらと汗を流しつつ。


 男性陣の出方を伺うも……ちくしょう、みんな顔が良いから余計怖いんですけどー‼︎


「と、とりあえずすみませんでした……なんかご迷惑おかけしたみたいで……」


 消え入るようなか細い声で、謝罪だけは先にしておいた。視線は横に流れちゃうけど。



 だって怖いんだもん!



「クリスティ、違うよね?」

「……はい?」


 いかにも優しそうに……ブランが否定をしてくる。ひーん! 逆に怖いよー‼︎



「それは何について、謝ってるの?」



 ぐふっ!


 震える手で気持ちを落ち着けようと取った、ティーカップから危うく中身を零しそうになった。そしてむせそうになった。


 よ……良く見抜いてるなぁブラン……。

 見抜いてほしくなかったんだけど。




 そうーー私もなんで謝ってるのか、わかっていない。




 いや、心配かけたのはわかるけど。

 私、生きてるし。

 みんなも怪我なく元気そうだし……?


 どうにかなったなら、むしろ喜びたい気分なのだーー多分、ズレてることだけはわかる。


「……ね、寝てたこと……?」


 わからないとは、言えないので。

 笑顔を引き攣らせながら。

 そんな、苦し紛れに出た答えだったが。



「……そもそも僕、行こうとするの止めましたよね?」



 まずはヴィンスから不満が出る。


「……いやまぁ、止められたけど……」

「それでも振り切って行ったよな?」

「そうですね……」

「消すのやめろっていったよな?」

「そ、そこは押し止まったし‼︎」


 冷めた視線と声だが、口調から怒っている事が滲み出ている。


 そんな言葉たちを、唇をへの字にしながら大人しく聞いていたが。最後だけはしっかり主張した。私、そこは守った!


 しかし。



 バンッッッ‼︎



「押し止まってないだろうが! あれはレイが止めたからだろっ⁉︎」

「ひーん! すみませんっっ‼︎」

「あんだけ止めたのに動かないお前を見た時の、こっちの気持ち考えたか⁉︎」



 うひー……こわいよぉー……‼︎

 しかもリリちゃんと同じ事言われたー‼︎

 君たち仲良しかよー‼︎


 気持ちが昂ってしまったらしいヴィンスは、テーブルに音が鳴る勢いで手を着いて。こちらへ迫るように怒りだした。


「だ、だってぇ! 死んではないから……」

「お前死ななきゃ良いと思ってんのかよ⁉︎」


 正直思……あぁこんなの口に出したら怒られるな!


 あわてて口を、梅干しのように窄めて黙る。

 こういうのは、言わぬが吉。


 ただじっと、ノア君に見られているのに気付いた。


 お願いノア君!

 頼むから今のだけは言わないで!

 話が平行線のまま長引くから‼︎



「……どっちにしろ、あれは消せなかった」

「へ?」



 祈りが通じたのか、別のことについてコメントされた。


「……妨害されてたって聞いた。だから」

「あ、うん……そう、そうなの! だから消せませんのでご安心ください‼︎」


 ノア君のコメントを受けて、力強く力説してみた。ありがとうノア君! 多分ちょっと話逸らそうとしてくれたのね⁉︎


 ……でもなんか、発言に引っかかるけど。

 この違和感、なんだろうな……。

 なんというか、知ってるかのような……。



 いやまぁ、話聞いたからだよね。今言ってたじゃない。はぁ、私ってば考えすぎ。



 やれやれと顔を上げると、ヴィンスの奥ーーリリちゃんだけが私ではなく、ノア君を見ていた。ん? どうしたんだろ? 顔固いよ?



「余所見とはいい度胸ですね……?」

「ひぃぃ! ごめんなさいっ⁉︎」



 私の視線が後ろに外れている事に気づいて、ヴィンスがにっこり怒り出す。


 だから笑って怒られるの、一番怖いよー‼︎



「落ち着いてくださいヴィス……まぁその件は私にも非があります」



 今まで黙っていたアルが、伏せていたまつ毛を上げてヴィンスを止める。


 ……あぁ笑ってもない……。

 やだぁー……。

 ラスボス魔王様の意見聞きたくないー……。


 しかしその、全てを見透かしそうな黄金の瞳はゆっくりこちらへ向いた。


「ティア。本当はここで聞くのはどうかと思うんですが……」


 え、なんだろう。

 ただ怒るだけじゃないの?

 すごーく深刻そうなんですけど。


 憂いのあるその表情は、真意が読めない。申し訳ないけれど、うわぁ美しい顔……としか今思ってない。ほんとごめん。話は聞いてる。



 透き通りそうなまつ毛が上がり、目が合う。

 ちょっとドキッとした。



「何故あの時、あんな事を言ったんですか」

「ん?」



 あの時……どの時だ?


「いえ、止めるためだとは思うのですが。実際どうなのかも気になりますし、そもそも止められたのも心外ですし……」

「え、待って待って、どれ?」


 明らかに動揺しまくって、眉間のシワも深まるるアルに制止をかける。とりあえず落ち着いてほしい。


「……本気で言ってますか?」

「え、う……ちょっと待ってね? えーと……」


 あまりにも、信じられないものを見る目を向けられて。


 あ、コレは思い出さないとヤバいやつだ、と思って手でストップと頭を押さえる。唸れ私の灰色の脳細胞。じゃないと私がヤバそうだ。


 何がこんなに悩ませて……あぁ‼︎




「嫌いって言ったからかー‼︎」

「「「「「「「⁉︎」」」」」」」




 何故かその言葉にーー私とアル以上に、他のみんなから声にならない反応を感じた。驚いて首を回せば、突き刺さる驚愕の視線の数々。


 え……なんか、ほんとごめんね?

本編の途中ですが!

日曜日感謝祭やりますー!


最低三回連続投稿‼︎

読んでくださる皆様へのお礼です!

いつも本当にありがとうございます!


お時間あればお付き合いくださいねー!

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