表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フラグ回収から始まる悪役令嬢はハッピーエンドが見えない〜弟まで巻きこまないでください〜  作者: 空野 奏多
悪役令嬢、物語に挑む〜ゲームの舞台もフラグだらけです〜
222/565

211話 火のないところに、煙は立たない

「えーと、まぁだから、これ全部本当にある話なんじゃね? と思って。クリスティアなら、なんか知ってるんじゃないかなと、思ったんだけど」


 仕切り直してセツがこちらを見る。

 あぁこれ、ゲーム知識を聴かれてるのか。

 今の話じゃなくてね。


 ……考えたくなかったけど、これ七不思議あるってなると、裏キャラルートも入ってないかな……いや、でも裏キャラ会ってないよね?


 そのルートはやってないから、分かんないんだけどなぁ……。


 でも、分かる範囲の話なら。


「多分、ドラゴンの話は本当じゃないかなーと、思わなくもない……」


 もしその話が本当なら。

 あの急に、学園に現れたドラゴンの話は繋がる。


 アルバート王子の怪我の原因であり。

 主人公(フィリアナ)の聖女の要因でもある。

 最後にどこから来たのかと思った、アレ。


「えっドラゴンがいるんですか⁉︎」


 いち早く反応したのは、研究家の方だった。


「いやー。まだ分からないけど……でも私の予想だと、そのうち現れる可能性が高いから、七不思議が正しいって言うのも、ちょっと納得出来る気も……」

「どの種類ですか⁉︎ 大きさは⁉︎ 色は⁉︎」

「……レイ君、本当に大きいやつだから、今回は研究諦めようね……?」


 目を爛々とさせて追及してくる。


 でもあの時出てきたドラゴンは、多分ワイバーンどころの大きさじゃない。


 スチル1枚しかないし、あとはミニキャラになったみんなが、力を合わせて闘うミニゲームしか記憶にないけど……。



 『学プリ』のゲーム画面には、『好感度』、『学力』、『魔法』の3つのパラメーターがある。



 『好感度』だけは、攻略キャラ専用パラメーターだけど、他はみんなについている。主人公含めてね。



 『好感度』は言うまでもないかな?

 攻略キャラたちとの、やり取りで上がるものだ。



 基本的にこれが高ければ、良いエンディングを迎えられる。ハッピーエンドが近づくというわけだ。


 だがそもそもこれは、『学力』と『魔法』が足りないと、ハッピーエンドまでの好感度が、足りなくなる。


 アルバートルートの場合、ある程度自分の攻略したいキャラ意外の、『好感度』も上げないと、最後のドラゴン戦が大変になる……。



 『学力』はテストなどで上がる。

 まぁ最初にやった、入学時のクラス分け試験とか。たまーにあるやつ。



 ここが高くないと生徒会には入れないし、あと『魔法』のパラメーターが一定以上、上げられない。


 おそらくなんだけど、難しい魔法を覚えられないって事かなと思う。


 だからたまに入る「筆記試験」ミニゲームは、全力でやってた。これが一番効率よく、パラメーターあげられるんだよ!


 攻略キャラたちの『学力』は、「一緒に勉強する」の選択肢で上げられる。同時に『好感度』もちょっと上がる。



 そして最後、『魔法』は、勝手に上がる。

 ただし、時間経過と。

 『学力』と『好感度』のメーター次第で。



 ちなみに、主人公(フィーちゃん)は最初から7割パラメーターが埋まっている。魔力が優秀な設定だからね。



 そもそも光には、呪文がないに等しい。


 正確には、最高位神級呪文が1つあるだけ。

 これがいわゆる、「聖女の魔法」なのだ。



 そこから埋まってない、この残り3割って、なんだろうと考えると……。



 「助けたい」という想いの強さと。

 神級呪文を覚える事かとな、と予想する。



 『魔法』パラメーターを全て埋めるには。

 『好感度』8割以上と。

 『学力』8割以上が必要なんだよね。


 主人公の場合、魔法が全て埋まってないと、最後にアルバート王子を助けて、『聖女』の称号が貰えない。


 攻略キャラの場合はも自然と上がるが、『好感度』と『学力』に左右されるのは同じ。


 そして『魔法』がなるべく高い方が、各々のバトルミニゲーム時、有利になる。



 その最後のバトルミニゲームが、ドラゴンのイベントなの。



 ここでパラメーターが足りないと……みんなバッドエンドで終わってしまう。



 思い出すなぁ……左に大きなドラゴン、右にミニキャラ状態の、攻略キャラと主人公で5人、構えて始まるイベント画面……。


 なんであそこで運営は頑張ったのかな、と思った……あそこだけ乙女ゲーじゃなくて、本当にただのバトルモノなんだもん。


 攻略キャラたちの、最大級の呪文打って行かないと、全滅かアルバート王子が死ぬか……みたいな……。


 クリアしても追い払えるだけ。

 しかもアルバート王子は怪我をする。



 だから最初は「なんだこの鬼畜ゲームは⁉︎」と思ったものでした。



 まぁ進めれば、フィーちゃんが『聖女』になるための、布石だったって分かるんだけどね。


 でも今のみんなは複属性魔法という、ゲームになかった高度魔法が使えるので、まぁ負ける事はないだろうね。



 で! だよ!

 脱線しまくっちゃったよ!

 ドラゴン、ドラゴンの大きさだよね!



 そのミニゲーム画面では、前に3人、後ろに2人の5人が並ぶより、大きかった。


 だから……まぁ体長10メートル以上は、あるんだろうと思うんですよね。

 巨大な建物並だなぁ……。


 でもこれ、ミニキャラ計算だから、デフォルメされてるって考えたら……もっと?



 少なくとも、捕まえられる大きさではないので、熱心な研究家には諦めてもらいたい。


「……その話は本当ですか?」


 その声に振り返ると、職員室から帰ってきたらしい、残り4人の姿があった。


「あ、みんなお帰り‼︎ アルもドラゴンの話が、気になるの?」

「気になりますね……実は封印されているドラゴンの話を、王室所蔵の書物では見た事があるので」


 室内の明るかった雰囲気が霧散する。


 あれー。その話、やっぱり本当なんですか?


「けれどそれが出てくるのは、日記の中だけなんですよね。だから真実ではないのではないかと、思われていたのですけれど」

「日記?」


 みんな黙って聞いているから、私だけが受け答えしている。


 私の問いかけに、アルはゆっくり肯いた。


「3000年前のこの国の王、アランドルフ王の日記です」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ