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フラグ回収から始まる悪役令嬢はハッピーエンドが見えない〜弟まで巻きこまないでください〜  作者: 空野 奏多
悪役令嬢、物語に挑む〜ゲームの舞台もフラグだらけです〜
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188話 学校の怪談?

 歴史というのは、長い年月をかけて作られる。

 そしてそこには、たくさんの物語がある。


 それは青春のストーリーかもしれないし。

 はたまた……もっとミステアスかもしれない。


「学園七不思議ぃ?」

「そうだよ。聞いたことない?」


 広い生徒会室。私の胡乱気な声に、ブランが肯定の意を示し、訪ねてきた。


 今日は快晴。良い天気ですね。

 少しずつ日も伸びて、新緑の美しい季節になります。


 1年生である私たちは、少しずつ授業に慣れFGに慣れ始め、それが日常になり始めた。

 そんな、初夏を迎える頃。


 夏と言えばーっていう話になったの。


 夏といえば、海! 夏休み!

 そして。

 ホラーじゃないか?


 という話の流れで、今の話題が出た。


 このファンタジーな世界に、幽霊なんているんですかね?


 いや、ファンタジーだからこそいるの?

 どうなんだろう。

 あんまり怖いのは好きじゃないよ?


 今の時期、生徒会室はただの溜まり場になっている。いつでも忙しい訳じゃないからね。


 まぁもう少ししたら魔術遊戯会があるから、それの準備は必要だったりする。

 これは魔法の凄さを競うものですねー。


 まぁ私はこのイベントは、誰が一番になるか知ってるから、そこまで興味ないんですけど。


 それより、今の話だよ。


「七不思議って言ったら、あの七つ目を知るとダメ! みたいなアレ?」

「七つ目を知るとダメなのかは、僕はよく分からないけど、でもそういう話はFGにもあるよ」


 ふーん? と思いながら、紅茶を飲む。


 でもこれ、暑くなり始めたので、リリちゃんが冷やしてくれた、アイスティーです! 冷たーい!


 紅茶の香りを楽しむにはホットですけど、やっぱり夏は冷たいの飲みたいよね、というのは置いておきまして。


 今はただ、みんなで駄弁っているだけだ。

 いつもの大きなテーブルで。

 だから今日は、ノア君もいるよー!


「それ、本当にあるやつなんですー?」


 頬杖をついて、レイ君が疑問の声を上げる。


 レイ君って、一番そういうの信じなさそうだよね。研究者的に。


「どうだろうね? 僕も見たことはないからなぁ」


 苦笑して答えるブラン。


まぁ、そういうのブランも信じそうにない。力技で解決しそうだからね……。騎士候補は腕っ節が立つのだ。


「夢のある話ではないですの! (わたくし)は興味がありますの!」


 リリちゃんは興味津々だ。


 その目は爛々と輝いている。結構好奇心旺盛だからね、昔からね。


「やはり姫様はお転婆ですね。まぁ僕も興味はありますけれど」


 やっぱり一言余計なせいで、リリちゃんに睨まれるヴィンス。


 私最近思うんですけれど、もうあれは反応楽しんでるよね? 仲良しだよね?


「……聞いたことはない」


 姿勢よく聞いていた、ノア君がそっと口を挟んだ。


 たまに体調崩して休んでるみたいだけど、今日は元気そうです。お姉さん安心したよ!


「オレはそういう話好きだよ、ブラン兄ちゃん」


 アイスティーを飲みながら、横目でブランを見つつセツが言う。


 まぁセツはホラーゲームとかも、好きだったしね。ゾンビハザードとかもしてたな……。


「私たちのクラスでは、その話を聞いたことはないですね。興味深いです」


 今日も今日とてロイヤル感漂う王子は、爽やかに意見を述べた。


 へー。アルはホラー好きなんだ? なんなそういうの、興味ないかと思ってたな。


「……それより、フィーちゃん大丈夫?」

「へっ⁉︎ だ、大丈夫です! 私! だって浄化できますもん……‼︎」


 大丈夫という割には、私の腕をしっかり掴んでいる彼女。


 それは怖がってるんじゃないかね?

 どこが大丈夫なの?

 というか、ホラーに浄化って何?


「……さまよう魂なら人魂だけど、大体は魔獣。光魔法で浄化できる」

「あ、そうなんだ。解説ありがとうノア君」


 つまるところ、この世界のホラーは魔獣ってことかい?


 え? それ怖いの?

 ていうかそれ、ホラーなのかな?

 でもフィーちゃんは怖がってるけどね。


「あぁ、大丈夫。ほとんどここの七不思議は、ゴースト系じゃないから」

「そ、そうですか……! ならよかったです!」


 笑顔のフォローの言葉をもらい、フィーちゃんが持ち直した。


 というか、なんだろうそれは。

 疑問に思った私は詳しく尋ねる。


「ゴースト系って何?」

「人の体に残った魔力が、その体を飲み込んで魔獣化したものかな。年月が立ってたりするし、ゴーストに意識はないから、白骨化しかけてたりするんだよね」

「あ、なるほど……」


 普通にゴーストですね!

 それは怖いかもしれない!

 さすが先生の解説、今日も分かりやすいです!


「まぁみんな知らなさそうだから、話しておこうかな。ここの学園の七不思議はねーー」


 そう切り出した、ブランが語ったのはこれだ。


 一、赤い火の玉が通る廊下

 二、謎の黒いスライム

 三、開かずの屋上

 四、徘徊する男

 五、深夜の魔法陣

 六、封印されたドラゴン

 七、幻の部屋


 ……という内容で。


 これを聞いた、私の感想はーー。


「怪談じゃない⁉︎」

「え? 七不思議なんだからそうでしょう?」

「え⁉︎ 私がおかしいの⁉︎」


 もっとホラーチックなのを期待していた私は、そのギャップに思わず突っ込んだよ!


 なのにブランには理解してもらえてないよ!

 これがジェネレーション……いや、異世界ギャップなのかっ⁉︎


 いやね⁉︎ たまに怪談っぽいけどさ! 開かずの屋上とか、それっぽいけどさ‼︎


 でもスライムとドラゴン!

 ここら辺はダメでしょ⁉︎

 ファンタジーでしょ⁉︎


 私の苦悩は、たぶんセツしか分かってくれない。ちなみにセツもなんだそのラインナップ、っていう顔をしている!


 まぁフィーちゃんは「ホラーじゃありませんでしたー!」って喜んでるけど! 可愛いけど‼︎


「だって! 夏だからホラーの話だったじゃん! そのくだりだったじゃん‼︎」


 私は熱く語るが、誰の賛同も得られない。


「ドラゴン、夢があって良いんじゃね?」

「弟よ! 裏切ると言うの⁉︎」

「いや別に仲間じゃない」


 なんだと⁉︎


 驚愕の表情でみるも、しらっと無視される。


「まぁ興味あるなら、今度見回りの時にでも見てみる?」


 ブランはみんなに語りかけるように、笑ってそう言った。


 みんなも思いも思いに騒ぐ。


「少し楽しそうですね」

「お宝発見なの!」

「それは違うのでは……」

「新しい研究材料の予感!」

「おいやめとけ。迷惑を増やすな」

「皆さんとなら、ちょっと興味あります!」

「……楽しいのは好き」


 まぁ、なんとノリノリな。


 こうなるとお姉さんは、放っては置けませんよね。


「危なくないなら、いいけど」


 ちょっと納得いかずにむーっと言うが。


「ふふ、それは大丈夫。たぶんここのメンバーは、歴代でも最強だよ?」


 ブランにそう言われてしまえば、もうどうでもよくなった。


 まぁ、思い出作りも大事よね。

 これは私がやった『学プリ』にはなかったし、オリジナルかなー。


 なーんて、思ってました。


 もうすっかり、あの男子の事は抜けてたのよねー。


 人はこれを、油断と言います。

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*企画ありがとうございました!*
i583200

*短編悪役令嬢*
流星の如く輝く没落を!〜悪役令嬢はざまぁフラグ貯金でクソゲーを改変したい〜

*こっちは学園物です*
BLACKCAT SYNDROMEー黒猫症候群ー

参加しています。よろしくお願いします!
小説家になろう 勝手にランキング

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