表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/13

05.いつの間にか懐かれました?

初めて魔法を使えたあの日から、私は修行を続けている

といっても怪我なんて普通に過ごしていたらしないからついでに生き残るために武術の修行もすることにした

驚いたことにナターシャは魔法だけでなく剣術も出来た

いや、剣術の腕の方がすごいと言っても過言ではないレベルの強さだった

そのため、ボロボロになるまで剣の修行、終わったら魔法の修行で回復そんな毎日を繰り返していた

しかし、今日の修行はナターシャが用事で出かけるので自主練に変更になり私は修行場の森で修行することになった


いつも通りのメニューをこなし休憩をとる

その時ふと思いつく

前はナターシャの傷を治すことに集中してたけど、違うことに集中したら他の魔法も使えるのではないかと

日々の修行で少し調子に乗っていたのかもしれない

でも、きになってしまったからには仕方ない

誰も見ていないことをいいことに試してみることにした



結果は、すべての属性を使えてしまった

最初はたくさん使えることに喜んでいたが、ナターシャの言っていた属性の使用限界を思い出した

もしかして、私はとんでもないことしてしまったのでは?命の危険が高まったのではないか?そう考えてしまい冷や汗が止まらない

幸い誰も見ていないんだ

誰にも言わず、自分もこのことは忘れてしまおうと現実逃避しつつ帰路につく


その途中、犬…?を見つけた

犬…犬なのだけど頭が3つもある…まるで、ケルベロスみたいに…

行きにはいなかったはずだ、これが魔物っていうものなのだろうか?

この世界には魔物も存在する

そのため、それらを討伐することを仕事とする冒険者や街の方にはギルドもあるようだ

そんなことを考えながらケルベロス?を見ていると伏せていた顔を上げこちらを見た

目が合うと3つの頭のうち2つは怯えたようにまた顔を伏せる

しかし、残りの1つ真ん中の頭は2人を庇うように私を威嚇してくる

よーく見てみると体は傷だらけでボロボロ、すごく弱っているようだった

魔物だったらほかの人に危害を与えるかもしれないから討伐しなければならない…だけど、どうしても仲間を守ろうと震えながらも今なお威嚇を続ける姿に私は心を打たれてしまった

びっくりさせないようにゆっくりと近づく

そして、傷を治そうと体に触れようとした瞬間、真ん中の頭が私の左腕に噛み付いた


「っ!!」


私の腕を噛む力はあまりにも強く歯が肉の奥深くに沈み込む

あまりの痛さに声を出すことも出来ない

だけど、ここまできたら後には引けない


「大丈夫…大丈夫だよ。怖くない、怖くない」


半ば自分に言い聞かせるように魔物の体を撫でる

そして、傷が癒えるよう祈りながら手をかざす

すると、傷はみるみる癒え無くなった

それと同じに噛み付くのもやめた

歯が抜ける時もとても痛く出血が酷い

しかし、自分でもわからないが何故かとても冷静で急いで自分にも治癒魔法をかける

そうすると私の傷も癒えた…が、修行不足のせいか深かった傷は完全に癒えたが、少し傷跡が残ってしまった

その傷跡をさっきまで噛んでいた頭が舐める


「くぅーン」


まるで、謝っているかのように何度も鳴きながら舐める


「大丈夫だよ、ありがとう。もう無理しちゃダメだよ?じゃあね」


全ての頭を優しく撫でると帰路の道を戻る

長い時間ここに居座ったからもうナターシャが帰っているかも、それだけでなく心配しているかもしれないそう思い今日決めたばかりなのにこっそり風魔法を使って足の速度を上げ急いで家に帰った

その時は、あまりに急いでいて気づかなかったのだ

後からおってくる彼らに




帰ってみると、やはりナターシャは家にいた


「ただいま!遅くなってごめんなさい!!」


「遅かったじゃないかい?修行もいいけど程々にって…それはなんなのか説明してもらおうかな?なぁ、ギル?」


最初は普通だったのに突然低い声で名前を呼ばれて驚く

恐る恐る振り返ってみるとそこには先程助けた魔物がいた


「えっと…弱っていたから助けたらついてきちゃったみたいです…」


理由を話すとナターシャは魔物をじっと見つめる


「あたしも長いこと生きてきたけどこんなやつは初めて見たよ、新種なのかね〜…まぁ、お前に随分懐いているし人を襲うようなこともしないだろう。よし!飼うことを許してやる」


「え?」


突然のことに目が点になる

私はまたいらないことにてをだしてしまったことに気づき冷や汗が止まらない


「なんだいその顔は、付いてくるほど懐いてしまったんだろ?それなら、他の人に被害が及ばないよう飼うべきだろうが、まぁ…それが嫌ならそいつを殺しな」


「か…飼います!飼います!!」


その二択なら飼う以外に選択肢はないだろう


「そうかい、それならちゃんと責任をもって飼うんだよ!まぁ、詳しいことは明日にして夜ご飯食べてしまおうかね」


「これからよろしくね」


そう言ってキッチンに向かうナターシャ

私も魔物を撫でた後ナターシャを追いかける



夕飯を食べたあと話し合った結果

外に出しとくのも可哀想ということで犬小屋を作るまでの間、私の部屋で一緒に魔物と生活することになった

部屋は少々広いので魔物がいても少しスペースが残る

ぎゅうぎゅうにならずにすんだことに安心しベットに入る

そこで、魔物に名前をつけてないことに気づいた

魔物には3つの頭があるなので、まとめて1つの名前を付けるべきかそれとも1人ずつ名前を付けるべきか

名前はどうしようかそうやって色々考えているうちに気がつけば寝てしまっていた




安らかな寝息をたてながら寝ているギルの隣で丸くなっていた魔物が目を開け立ち上がる

そして、ギルに近寄ると右の前足をギルの頭にのせたかと思うと何も無かったかのように再び最初の場所に戻り丸くなり眠った


たくさんの方に読んでもらえて感無量です

本当にありがとうございます!(ノ゜Д゜)ノ♡

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=964179120&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ