11.家族会議...の前にまた問題が起こりました...
ただでさえ疲れていた私はケルベロス&狼の大喧嘩を止めるという重労働をこなしようやくベットにダイブする
あまりにも眠そうな私を見てナターシャが話は明日にしようと言ってくれたのだ
ナターシャさん優しい...
明日は話さないといけないことが沢山あるんだからすぐにでも寝ようと思っていた
だけど、その私の思いを無視した醜い争いが起こる
最初は狼だった
いつの間にか大きさが普通の犬程度に縮んでいた狼がベットの中に潜り込んできた
さっきお風呂に入ったばかりの狼の毛はモフモフでとても気持ちよかったが、それをケルベロスが許すはずがない
三人ともが猛抗議、それを狼が煽るような態度を示すから余計にケルベロス(特に紅玉と黄玉)がキレる
眠気MAXの私はついにキレる
「うるさい!もう夜だから静かにしなさい!!今日は狼。明日はケルベロス!ほら、早く寝て!」
ケルベロスはシュンとなりながらもベットの近くに腰を下ろしふて寝してしまった
狼はというと満足したのか私の頬を一度舐めると私に余計に寄り添ってきた
狼の毛並みは良くもふもふとした肌触りが気持ち良い
私は前世で動物を飼いたかったが、両親が許してくれず結局一度も飼うことは出来なかったから嬉しい
さっき自分が言ったことは棚に上げにこにこしながら狼を撫でる
狼も尻尾をぶんぶんと振り気持ちよさそうにしているから多分嫌では無いんだろう
「えへへ〜可愛いな〜狼...」
そこまで言って気がついた
ここまで付いてきてこれから一緒に暮らすであろうこの狼にまだ名前をつけていなかったことに...
狼を撫でながら眠気と葛藤しつつ名前を考える
フェンリル...はケルベロスみたいに個体名になる
ガルム...は北欧神話に出てくる番犬の名だけど、もうケルベロスがそういう意味合いだから同じは嫌だろうし...
紅玉達は日本系の名だから狼は外国系の名でいきたいな...
悩みに悩んだ結果、
「今日から君は『ヴォルフ』だよ〜よろしくね...」
ヴォルフとはドイツ語で狼男をさす
響きが良く狼に関連するからこの名にしただけで実際、この狼はただの魔物の狼なのだが...
まぁ、そこまで気にしていたら名前なんて決められないだろうと割り切ってそのまま眠った
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「んん〜?もう、朝か...」
生活習慣とは怖いものであんなに疲れていたのに、いつも通りの時間に目が覚めてしまった
今日は朝から家族会議...
ちゃんと説明をしなかった私も悪いけど..ナターシャに説教をされることは憂鬱でしかなかった
しかも、今回は100%長時間説教コースだ
心配してくれるのはとってもありがたいが長時間の説教は本当に辛い
ちなみに現在の最高時間は三時間
今回はその時の比ではないので、何時間かかるか分からない
「はぁーーーー今日は一日中部屋にいたいな...」
部屋の天井を見ながら願望を吐いたが、そんなこと叶うはずがない
せめてヴォルフの毛でもモフって癒されようと思いヴォルフの方を向く
...が、そこにいたのは白銀の髪を持つ全裸の美青年だった
余りの衝撃に、起きたばかりのぼやけていた脳も一気に覚醒する
しかし、頭の中は真っ白で考えていたことも全て吹っ飛んだ
そんな私が唯一出来たことは
「うわああああああ!!?」
とんでもない大声で叫ぶだけだった
「どうした主!」「何事ですか!!」「主どうしたの!?」
その大声にすぐにケルベロスは反応しベットに飛び込んでくる
そして、三人とも全裸の青年を見て動きを停止する
いや、正確には動きは停止して入るが、目だけは高速で動かし私と青年を何度も見ていた
「んん...朝からうるせぇ...何かあったのか〜?」
眠っていたはずの青年も私の大声とケルベロスの突進に起きないはずがなく目を擦りながら起き上がる
そこへタイミング悪くナターシャが部屋に入ってきた
「何かあったのかい!?下まで大声が聞こえてきたよ!!」
ナターシャも青年を見ると口を開き唖然とする
いや、まぁ、当たり前の反応だ
昨日、問題を起こしたばかりなのに再び問題を起こした挙句、相手は見ず知らずの全裸の男
そんなの私なら驚きを通り越して気絶する
というか、キャパを超えてしまっていた私は実際に気絶した
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どれほど時間が経ったのだろうか...
再び、目を開けるとベットのそばで心配そうにケルベロスと全裸だった青年が私を見つめていた
全裸だった青年を見た瞬間、先程のことが夢でなかったという現実を突きつけられた
私が目覚めたことに気づいた彼らは喜んだ
どうやら、二時間ほど眠っていたらしい
その間に私以外には青年からの説明があり詳しくは家族会議で話すことになったらしい
彼らに連れられリビングに降りるとほかほかの朝ごはんが準備してあった
ナターシャがいなかった理由は朝ごはんも食べず気絶してしまった私が起きたらお腹を空かせるだろうと気を使いご飯を作ってくれていたようだ
既にナターシャは座っており私もいつもの席に座る
青年は私の右隣に椅子を持ってきて座りケルベロスも私の左隣に座った
「お腹が空いただろう?話はご飯のあとだ、さぁお食べ」
朝から驚きっぱなしで気づかなかったが、私はお腹がペコペコでナターシャの発言が終わると私はすぐにご飯を食べ始める
ナターシャの料理はいつも美味しいがお腹が減っていた分余計に美味しく感じた
食事を済ますと当初の目的であった家族会議が開かれた
最初にナターシャが話を切り出した
「まず、ギルの話を聞く前にこの男のことを話しておこうか」
「うん、ずっと気になってたんだよ!朝起きたら...隣にいるはずのヴォルフがいなくて全裸の男がいて...ってそういえば、朝からヴォルフを見てないけど、どこ?」
話しながら今までのことを思い出しているとヴォルフがいないことに気づいた
あたりをキョロキョロと見渡すがどこかに隠れているわけでも無さそうだ
「はぁーー、分かっちゃいたけどね...ギルあんた鈍感過ぎるよ」
私の反応に何故かみんな呆れ顔...いや、青年に至っては少しふてくされるようにも見える
「えっ?どうゆうこと?いや、それよりもヴォルフは?」
皆の反応が理解出来ずなおもヴォルフを探す私
すると、突然青年が立ち上がり私に顔を近づけた
「俺だ!俺がヴォルフだ!!」
「へ?.....えええええええええ!!?」
まさかの青年からのカミングアウトに思わず、叫んでしまう
一瞬、冗談かと思ったが、他のみんなが頷くのを見て真実だと確信した
ヴォルフが言うには魔物との戦いで倒れた私を何とかしようと舐めているうちに私の血液がヴォルフの体内に入ってしまい尚且つ名前まで付けてしまったのでケルベロスと同じ状況になってしまったらしい
簡単に言えば、また『契約』してしまったというのとだ
軽い気持ちでやったことがまさかこんなことになるなんて...
ヴォルフ本当に狼男になっちゃってるじゃん!!
名付けたことに後悔はないけど、どんどん厄介事に自分から巻き込まれに行っている気がする
しかし、起こってしまったことはどうしようもない
「あの...ナターシャさん、ヴォルフも一緒に暮らしていいですか?」
「元からそういう話だったろ?魔物だろうが人だろうが構わないよ。むしろ、人型なら手伝いも頼めていいくらいだよ」
この時はテンパっていてナターシャが魔物の変化について驚かなかったことに気づかなかったが、後日聞いた話だとナターシャは私が起きるまでの間にケルベロスからケルベロス達のことについて説明を受けたらしい
ヴォルフの問題は一応すぐに終わった
いよいよ、私の問題について話し合う時が来た
少し遅れました!orz
ケルベロスはあまり喋らず、存在感が少し薄くなってますけど、ナターシャやヴォルフとテレパシーで話してたりしてるので、ちゃんといますよ!!
か...書き忘れたとか、話に入れずらいから入れなかったとかじゃ...な...ないですよ:(;゛゜'ω゜'):