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01.転生…そして絶望

身体中に激痛がはしる…

子供達の笑い声、私のことを蔑む視線…

ここはどこだ?

私は、なんでこんなところにいる?

いや、そもそも…わたしはだれだ?


「おいっ!いつまで寝転がってんだよ」

「さっさと起きろ!! 居候のクズ!」


笑っていた子供達に、わたしは再び蹴られた


「うっ…」


その衝撃で、私は思い出した

全ての記憶を…そう前世の記憶までも…


「お前は、俺達のおもちゃだ」

「おもちゃの分際で痛がってんじゃねーよ」

今度は殴られた

痛い…痛い…痛い…



その後、子供達はひたすら私に暴言と暴力を振るい、飽きたという理由でどこかへ行ってしまった



散々殴られつづけた私は、体力を消耗して立ち上がることは出来なかったが、今の状況を整理する事くらいの冷静さはなんとか持ってていた



私の前世の名前は、佐藤詩音

父と母の三人家族だ。父は政治家、母は教師をしている

その為両親は厳しく私は、毎日の塾と様々な習い事に日々追われていた

そんな私の最後は実に呆気ないものだった

それは塾からの帰り道、暴走したトラックが私に向かって突っ込んで来たのだ

死ぬ直前に見た者は錯乱した運転手の笑顔と迫りくるトラックだった


そして私は、転生したのだと思う


「最後くらい、お母さんとお父さんの顔を見て死にたかったな…」


そんな事を言っても過去は何も変わらない

だけど、今なら変えられる!



私が転生したこの世界での本当の名はクロエ・シュワルツ

有名な公爵家の一人娘だったのだが、私の生まれた公爵家には跡取りがいなかったため、一人息子として育てられ、家の外では名前もロイド・シュワルツと変えて暮らしていた

そんな複雑な家庭だったが、母も父もとても優しかった

前の世界でいう親バカ?という部類と同じくらい愛情をもって接してくれた

私は、幸せだった




しかし、そんな生活も長くは続かなかった

私が三歳の時、事件は起こった

私は、その日いつもと同じように庭で遊んでいた

そろそろご飯の時間だと思い家に帰ったのだが、妙に静かだった

不審に感じた私はすぐに両親の部屋に向かったのだが、その先で見たものは、大量の血を流し倒れている二人死体だった

私は、慌てて人を呼んだが、誰も反応はない。急いでほかの部屋を見て回った私の見たものは、死体、死体、死体…

私以外にこの家の中にいた人は皆殺されていた

その後、速やかに葬儀が行われ残った物は多額の遺産と私だ

遺族達は、遺産の相続についてあんなに血眼になって話し合っていたのに、私の事は皆押し付けあった






そして、今私は親戚の家をたらい回しにされ現在の家に預けられている。

今までも雑用係にされ散々な扱われ方をしてきたが、この家が今までで一番酷い

こんな家で暮らしていたら僕はいつか死んでしまうだろう

そんなの嫌だ…

そう思った後の私の行動は早かった

体力が回復した途端に家から逃げ出した

もちろん、あの家の物は何も持ち出してはいない

ただ、逃げただけなら厄介者が消えた程度で済むだろうが、何か持ち出した事がばれたらあのケチな一家のことだ警察を使ってでも私を探すだろう

だから、私は親の形見であるペンダントと昨日の夜残しておいたパンしか持ってきていない。




その後私は、逃げ続け、なんとかスラム街にたどり着いた

そして二、三ヶ月をそこで過ごした

元々一食分用の小さなパンも七日間使って食べたし、パンが無くなったら食べれそうな草も食べてなんとか生き延びていたのだが、病気になってしまった

お腹が空くのも喉が渇くのも我慢ができるし草や川の水を飲めば死ぬことはない

けれども病気は、どうにもならない


(あ〜あ、頑張って生きようとしたのだけど、ここまでなのかな。結局、逃げても死んでしまうのならあの家にいた方が長生き出来たかもしれないや)


そう、命を諦めかけていたその時。


「大丈夫かい!?しっかりしな!!」


誰かの声が聞こえた

視界がぼやけて顔はよくわからない

けど、何年ぶりだろうか?私のことを心配してくれる声を聞いたのは、そんな人に会ったのは…

それだけで、私はこの人生に悔いなど残っていなかった。


「あ…ありが…と…う」


「何言ってんだい!こんな小さな子が、命を諦めるもんじゃないよ!! 絶対私が助けてあげるからもう少し頑張りな!」


涙が溢れる

泣くことは、体力を奪われるだけなのにそれなのに止まらなかった


(この人は、とても優しい人なんだろうな… 私が死んだら悲しんでくれるかな?……何処まで頑張れるかわからないけど、もう少し頑張りたい!!)


そう思ったのだが、既に限界だったようで私の意識は案外呆気なく遠のいていった。

これは早いうちに更新したいなと思っています

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