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九月九日(日曜日)

「――天気、午前中晴れ、夕方から薄曇り。場所、川原不動産所有物件……ええと、とりあえずAの05、としとく」

 月明かりに照らされた、その物件を見渡す。

 そのそこそこ大きめの戸建て物件は、それなりに綺麗に見える。

 いや、綺麗に見えて当然だとは思う。最初の例の事件が起きてから、それこそ何度となくリフォームされているし……そもそも人が住んだ延べ時間なんかは少ないんだから。

「……外壁も塗り替えたりしてんだ」

 大して汚れたり破損してる訳でもないのに、全面が塗りたて。

「ある意味イメージ商売だもんね、やるよね、それは」

 ここまで金をかけてダメだったら、そりゃ俺のハナシも聞く気になるってもんだよな。

「ええと……じゃ、ここからずっと録音にしときまーす」

 本当は動画のほうが証拠にしやすいんだけど……いまいちやり方がわからない。

 youtubeとかニコニコとか……そういうののアップロード? ってのもよくわからないし……。

 そもそもこの携帯を録画にしたまま体のどっかに固定する方法もいまいちわからない。

「……ガムテで貼り付けたりしてるのかな」

 まぁ、仮にやり方がわかったとしても、この後どういう流れになるか分からない。物騒な状況になって携帯を落としたりしたら嫌だ。ついこないだ機種変更したばっかりなんだし。

「じゃ、入りますね」

 ドアノブに手をかける。

「んー……」

 ノブに触れた瞬間から、その重圧はすぐさまに感じられた。

――ヴ――ヴ――――――

 低く、大きめの甲虫だかスズメバチだかが立てる羽音のような、耳障りな振動音。

「これは……また」

 そして……どこからともなく突き刺さるような強烈な視線、その圧力。

「……随分と溜め込んだもんだなぁ」

 苦笑してそう言ってみてから、大家さんに借りた鍵を差し込み、回す。

「……おじゃましまぁーす」

 言ってドアを開けてみるけど、当然のことながら返事はない。いや、別にあってもいいんだけど、たぶん好意的な返事じゃあないだろうなァ。

 見たところ玄関はそれほど荒れてない。そこかしこに埃が積もっているし、かび臭い匂いもキツくはあるけど……据え付けの靴箱をはじめ、どこそこが痛んでいるというのも見てとれない。

 一応、ここはネットのソレ系サイトなんかじゃ、廃墟にカテゴリーされてることも多いんだけど……一般的な尺度で言えば、まだまだ「空き家」の範疇で済まされるだろうな。

 まぁ、事実、空き家なんだけど。

 それ系の人々がもっと好みそうな言い方にすれば……いわくつき物件、って言うほうがいいのかな。

 実際、ここでは都合、二十三人が死んでいる。

 最初は痴情のもつれだかなんだかで、恋人を縊り殺した男が、きっちり数日後、その縊り殺した女性に祟り殺されている。

 そして、その後に入居した四人家族がまるごと不審死……ああ、一応心中扱いだっけかな? ともかくそうやって全滅して、その次の家族もなんやかやで死んで……。

 積もり積もって、まず十数人。

 こうなってくるとまぁ、立派ないわくつき、事故物件の完成ってわけで。

 最初のほう、立て続けに景気良く死んじゃった数世帯の家族に関してはけっこう昔の事であり、当時はまだ告知義務やらなんやらも甘かった、非常におおらかな時代のことで……。

 まぁ、要は直前に誰がどういう死に方をしていても、別に知らぬ顔の半兵衛で次のお客に貸し出しちゃってたことも往々だったワケ。

 今はわりとそうもいかないってことで、幸か不幸か、そうそうそんな大量不審死は無くなってきている。

 ただまぁ、事ほど左様に時代が移ろった現在でも、それはそれ、抜け道ってのはあるもので……次のお客に貸し出す前に、誰か一人でもある程度の期間住人を挟めば問題ないっすよ、みたいな悪知恵で、人を雇って住まわせるなんて方法が取られたりする。

 ここを管理してる不動産会社のヒトも、そう考えてた。

 ただまぁ……その雇った人間までもが、ことごとく自殺なり不審死なりで死んじゃった、ってことになっちゃうと、これはもうお手上げだ。

「住めば100%死ぬ」ってことになってしまうと、どうにもならない。先のソレ系のマニアの方々には好評であったとしたって、不動産屋にしろ大家さんにしろ、一文の収入にもならないワケで。

 じゃあもう、取り壊して更地にして、新しい物件なり駐車場なりにしちゃえばいいじゃない、っていうのは、ひどくごもっとも。

 だけど……その取り壊し工事の、見積もりに訪れた人たちまで漏れなく死んじゃうんじゃ、これはもう本格的に手の打ちようがないと言っていいんだと思う。

 それで積もり積もって重なって、延べの死者が二十三人。

 実際のところ、よほど大家さんも頭を痛めていたらしく、藁をも掴む気持ちでもあったのか、俺の「交渉」に簡単に乗っかってくれた。

 あ、ちなみに……こういう場合は、管理会社じゃなくて持ち主の大家さんに直接交渉するのが、コツ。

 管理会社さんの社員さんたちは、ここまで鉄板な事故物件であっても、やっぱりどこかでスーツ着てネクタイしめて日々のお仕事に従事している、理性溢れる現代人の自負があるっていうか、とどのつまり突き詰めると結局は他人事っていうか……。

 それとも、その両方なのかな。

俺みたいな怪しげな来客は、話を聞くどころか入り口自動ドアの前段階でノーサンキューの方針が多い。

 まぁ、気持ちはわかるけど。

「おじゃま……しますからね」

 もう一度言ってから……ちょっとだけ迷った末、土足で玄関を上がる。

 失礼かな、とは思ってもみたんだけど……過去のこういう場所の通例で、それまでの先客(イワユル、ソレ系の人々だ)の全員がことごとく土足だったようで、床はそこまで埃が積もってない代わりに、外の道路と大して変わりない汚さ加減だ。

 これで俺だけ礼儀を重んじて靴下を真っ黒にするのは、ちょっと不公平ってもんだと思う。


 ぎし……ぎし……と、床板を軋ませつつ、廊下を歩く。何度もリフォームを重ねてはきたお陰か、築年数の割りにはやっぱり綺麗に見える。

 壁も大抵のこういう場所に存在する、原色のスプレーアートなんかで彩られているワケでもない。

 カンケーないけど「こういう場所」のお約束みたいな、ああいうラクガキは、書いたヤツらが漏れなく祟り殺されてなけりゃ、間尺に合わないって思うんだけど、どうなんだろうね。

 まぁ、ひょっとしたら「住人」の連中も、ちょっとした模様替えみたいな感覚で見逃しているのかもしんないけど。


――あ゛――あ゛ぁ゛――う゛――ぁ゛――


 家の中に入ると、例の音も、より明確になってくる。具体的に言うと、それはもうただの耳障りな振動音とか、そんな気取ったものじゃなく……。


――う゛ぁ゛――あ゛ぁ゛――あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛――


 明確な、「声」になってきている。

 無機質に淡々と機械的に響いているだけだから、そう意識しないとそれこそ冷蔵庫かなんかのモーター音くらいにしか聞こえないかもしれない。

「連中」の理屈から言うと、こういうのも警告みたいなものらしいんだけど……判りづれぇでしょ、そのエマージェンシーは。

 台所の前を通り過ぎようとしたところで……トントンと、包丁で何かを刻むような音が聞こえる。

 ひょい、と覗き込むと……ぼんやりとした人影が、シンクの前に立っているのが見えた。

 エプロンをした若い女の後姿は、目を凝らそうとする前に、すっ……と闇に溶ける。

「……ご苦労様っす」

 これまた薄ぼんやりとした「警告」を見終えてから、その先……一階奥の風呂場に足を踏み入れる。

 一応、セオリーとして水場はチェックしておかないといけない。水は霊を引き寄せる……っていうのは、都市伝説でもなんでもなく実際、本当のことで……。

 たまに、本来の「住人」だけでなく、水場に引き寄せられた通りすがりみたいなのが残ってて、クレームが入ることもある。

 まぁ、滅多にないことではあるんだけど、そこはそれ、一応。

「………………」

 風呂場は想像以上にじめっとしていて……タイルの目地にびっしりと根を生やしたカビが猛烈な匂いを放ってる。俺はやっぱり土足をチョイスしておいて良かったな、と改めて思ったりもするワケで。

 なんかもう、猛烈に気が進まないけど……ここまで来てチェックしないのも、それはそれで癪だ。意を決して風呂桶を塞いでいる、ジャバラのフタに手をかける。

 風呂桶の中には、よどみきった水が半分がた溜まっており、その中には……大量の髪の毛が浮かんでいた。

「うわぁ……」

 ますます陰々滅々としてきた俺がちょっと目を逸らした隙に、髪の毛は消えてなくなっていた。

 同時に……ゴボゴボと音を立てて、濁った水が風呂桶から抜けていった。そもそも、風呂桶の栓は嵌ってないワケで。

「……意外と芸が細かいんだよな」

 念のため、完全に水が抜けるのを待ったりもしてみたけど……別に何も現れはしなかった。

 底に白骨とか腐乱死体とか、ますます滅入るイベントがあるのかも、と覚悟はしていたのだけど……ここはスカしてきましたか。

「じゃ、やっぱり二階だよなァ……」

 首をこきりと小さく鳴らしてから、何気なく二階のほうを――というか風呂場の天井を見上げてみた。


 びっしりと真っ黒なカビだらけで、ますます気が滅入った。


     ※    ※    ※


 ぎしぎしと、これまた滅入る音をたてる階段を踏みしめながら、二階へと上がる。

 風呂場からこっち、ずっとカビ臭い匂いがつきまとい、鼻の中にカビが詰まってしまったんじゃないかって嫌な想像をしてしまう。

「……男のほうは風呂場でられたっていうからなァ。そのせいか」

 なんともまぁ、地味な霊障だこと。

 もっとも本命にしがみついてるだけの低俗霊じゃ、できて精々そんなもんだろうけど。


――う゛あ゛あ゛あ゛あ゛――ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛――――


……声のほうも、さらに絶好調。

 人間の耳か脳かはこれでかなり高性能にできてるもんで、こういう音系って慣れれば慣れたで気にならなくなることもあるんだけど……。

 俺みたいな商売だと、慣れてしまったらそれはそれで本命の警告を聴き逃してスルーしてしまうなど、困っちゃうこともあるから鬱陶しくても意識し続けなきゃいけない。

 こーいう苦労とか手間暇考えると、決して割高じゃない商売だとは思うんだけど。

 危険手当もなけりゃ、労災も降りないし。

 もっとも登記して看板掲げてる商売でもないんで愚痴の言いようもねぇんすけど。


「ここ……かな」

 突き当りの和室。そこが……この家にまつわる怪異の中心部だ。

 ぐっと……サビの浮いたドアノブを握る。

……どうでもいいけど、和室の入り口がドアって、どういうセンスなんだろな。

 ドアの可動範囲上、デッドスペースが増えるだけだろうに。

 やっぱり土地の狭い日本には襖や障子……引き戸が一番だって思うよ。


 キィ……。

 なぁんて、どうでもいい主張を挟みつつ……軋むドアノブを回しつつ、納得いかないセンスのドアを開ける。


「………………」

 畳敷きの和室8畳間。家具の類は(当たり前っちゃ当たり前ながら)一切、ない。

 あるのは……ところどころ破れた襖の奥の、押入れのみ。

「おじゃまします……よっと」

 今日、三度目の挨拶をしつつ……半ば腐りかけてる畳に歩を進める。

「……………………」

 ぐるりと見渡す。この部屋だけは、明確に空気が違う。じめっとした湿気が肌にへばりつくような不快感を伴い……。

 暗い。窓からは月光が差し込んでいるはずなのに、暗い。

 おそらくは昼間、太陽が登っている間だって、きっと暗いのだろうと思える。

 光源のあるなし、光量のあるなしじゃない。

 この部屋は、暗い。場所としての存在そのものが、暗い。光の存在を許さない。

 だいたい……この、油断すると踏み抜いてしまいそうなほどに腐り果てている畳だって、ほったらかしでこんなことになってるんじゃないんだ。

 大家さんの話じゃ、一年かそこら前に新しく入れたばかりの、まだまだ新品と言ったって差し支えないくらいの畳。

 さっきのカビだらけの風呂場と同じだ。何度リフォームを重ねようが、すぐにまた同じように朽ちてしまう。

 何度塗り込めても現れる血痕だの、消えない人の形のシミだのと同じ。

 この部屋は、畳にせよ家具にせよ、入れた途端に腐敗を始める。 ともすれば、人間さえも――腐る。

「……さて」

 押入れの前に、立つ。


――う゛う゛う゛う゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛――!


 例の声――いや、もうこれは一周回って、再び「音」に戻ったな。まずもって人間が声帯で出せる音じゃあ、ない。

 ともかくも、それはすっかりピークだ。厳密には鼓膜を震わせる音ではないんだが……まぁ、受け取り側の俺にとっての感覚としては「鼓膜が破れそうな」くらい。騒音だ。公害だ。

「いや、警告はもういいから」

 襖に手をかける。

「……それとも、演出? くだらないから。どっちにしても」

 俺もちょっとイラッとくらいはしてたのかも。

 判りやすく、呆れたように、言ってのけた。鈍感な「住人」にも、わかっていただけますように。

 その途端、まるで返事を返したかのように「音」はぴたりと止んだ。

「……あら、怒った?」

 まぁ、そのほうが話が早いや。

 一気に襖を開け放つ。


 刹那――。


『う゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛―――――!』


 さっきまでの異音を何倍かにしたような「声」(また一周まわった)をあげながら――それは覆いかぶさってきた。


『――あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛――――!』


 脂に塗れたぼさぼさの髪。白目の全くない、ぽっかりと開いた穴のような瞳。どす黒く変色した血にまみれた生気のない肌――


『――あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ――あ゛あ゛あ゛――あ゛あ゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛――――!』


「それ」は……俺を腐りかけの畳に押し倒し、馬乗りになりながら、髪を振り乱し、その異様な顔を押し付けるようにしてきていた。

 物理的ではない、それでいて生けるものを簡単に殺せる――もとい、腐らせることのできる、目に見えない圧力が全身に降り注ぐ。

 邪気――悪意――そういったもの――。

 ただ……ただ、生きるモノを殺すためだけの、ちから。


『――あ゛あ゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛――あ゛あ゛あ゛――あ゛あ゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛――――!!』


 こんなものをまともに受け止めたら、人間は一秒も持たずに絶命する。

 かつてこの家で殺された人間は(今回は俺が怒らせたからの行動であり、全てがこうまで直球な襲われ方ではなかったにせよ)この邪なちからによって、殺されてきた。

 今回も――また――おなじように――。


……なるはずだったんだろうね。


『……………………う゛ぁ゛?』


「それ」が、間抜けな声を漏らした。


「ごめんな、予定通りにはなれなくて」


 俺は……「はぁ」と、今度は演技でもなんでもない、本気のため息を漏らしてから――


 がすっ。


『………………ぅ゛ぁ゛ッ!?』

 目の前の「それ」を、力任せに殴った。

 ごろごろと転がりながら、たった今出てきたばかりの押入れの奥に叩き戻される、「それ」。

『……ッ!? …………!? ~ッ!?』

 (のあったあたり)を抑えて、わたわたと押入れから這い出し……まるで信じられないものを見るような(だったもの)で俺を見る。

「……忘れてたっしょ、こういう感覚」

 ねばっこい腐れ汁がへばりついたゲンコツを、ハンカチでざっと拭う。

「だよね。そりゃ……死んで以来だもんね、痛いって感じるのは」『オマ――え――?』

「それ」が、初めて言葉らしきものを吐いた。まだ若い霊だしね、言葉を忘れてなくても不思議じゃない。

 通じるんなら、話し合いでカタを付ける方法もなくはないのだけど――


「あんた」

『…………!』

 ずいっ、と顔を「それ」とくっつくくらいまで寄せる。ちょっとしたキスの間合い。わぁロマンチックぅー。腐ってなければねぇー。惜しいぃー。

「人を――殺したよね」

『え――』

「それ」がたじろいで身を引き、せっかくのロマンチックな間合いがまたちょっと遠のく。

「人を――殺した、でしょ」

 わかりやすく、ゆっくり、区切って言って差し上げた。

『え――だって――それは――』

 さっきまでの「う゛ぁ゛」な芸風も何処へやら、露骨に狼狽して言葉を継ごうとする「それ」。

「……うん」

 少し顔を離した。ロマンチック気分いらないし。

「最初のさ、アンタを殺した男までは、まぁ、わかるよ」

 手首をさっと振って……人差し指を「くるり」と回す。別に意味なんかなく、単なるクセ。

「因果? 応報? それなりの事情も有るし」

 一歩、押入れの前で目(しつこいけど、だったもの)を見開いてる「それ」に歩み寄る。


「だけど」


 くるり。


「その後の二十二人は、いただけない」


『――う゛――』


 引き攣ったような声を漏らして、後ずさる、「それ」。


「どんなに悲しくて惨たらしくて残酷な事情があろうともさ、理由もなく殺した時点で――」


 くるり。


「アンタはね、どこに出しても恥ずかしくないほどの――」


 くるり。


「立派なバケモノなんだよ」


『………………!』


「やっぱ……殺しすぎでしょ、あんた。どう贔屓目に見たってさ」


 おかしい――こいつは――なにかがおかしい――

 なぜ死なない――なぜ殴れる――?


 ……考えてるのは、まぁ、そんなところ、かな?

 ふらふらくるりとさせていた指を、ぎゅっと握って固める。


『う゛ぁ゛――!』


「それ」が事態をようやく把握してか……怯えたような声をあげる。

 慌ててドタバタと、おおよそ幽霊らしくないアクションで押入れの闇のなかに逃げ込もうとする――


 遅い、けど。


あたると……ちょっと痛ぇぞ」


 俺はそいつの首根っこを引っ掴み、拳を振り上げて――



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