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厨二病だった俺が生き抜くため。  作者: Lotusroot/みねぱい
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5、実験

目が覚めた時は朝になっていた。

「寝ちゃったのか。」

だが、言いたいことはわかった。前の世界は空気は7割が窒素だった。そのポジションが「魔素」というのに変わっているのだ。何故かそれだけは科学の進んでいなそうなこの世界でも確認されているらしい。

それがわかったが、どうやれば魔素を取り込めるのかがわからない。

「にしても不思議だな、、、」

通常人間は自然の空気そのものを得て生きている。当然、不自然な形の空気を取り込めば死ぬ。人間の身体に窒素は必要ないが、人間の吸う空気に窒素は必要不可欠だ。人間は呼気に取り込んだ窒素を乗せ、一定に保つように身体が調整している。

試しに息を大きく吸い、止める。しばらくして、吐き出す。すると不思議な事が起こった。

「身体が変だな、、、まるで体内で内側から布で叩かれてるような、、、」

一つの仮説を立てる。この世界の人間にとって、酸素と同じように魔素を隅々へと届けてるのではないか?さっそくおじいちゃんに聞いてみよう。

「おじいちゃん!魔素ってどうやって体内に取り込むの?」

俺は叫ぶ。なぜ動かないかって?扉を開ける事ができないからさ。俺、むちゃくちゃ縮んでたからね。

「それは!知らん!多分息吸った時!」

、、、え?

「今知らないっていった!?」

「知らん!つい最近儂が魔素が漂ってると発表するまでずっと精霊とか神とかが魔素を与えてくれるとか宗教的考えしかなかった!」

これは想定外だ。この世界の科学的思考はほぼ0と言っていい。よく空気中濃度とか測定できたな。

いや、もしかして。

「空気中濃度を測定したのおじいちゃん!?」

「なんだそれは!」

「漂ってる透明なものが何かだよ!」

「そうだ!」

やっぱりそうか。てか早くこっち来いよ。声聞こえないせいでここまで叫びっぱなしだよ。

うちのじいちゃんは天才なのか?いたって普通に感じる。まぁ異世界だから仕方ないな。

俺は諦めて本を読み進めるのだった。



夜が帳が降りる頃、俺は窓から外へ出た。本棚を足場にすれば案外いけるものだ。

さて、俺が外に出たのには理由がある。魔素が魔法になる理由を探るためだ。

はっきり言って本は使えない。魔法が使える理由が書いてある本はむちゃくちゃ少なく、書いてあったものにも、

「詠唱に魔素を乗せ、神々に聞こえるよう放つ。すると神々がその慈悲なる心を持ち、魔法が生まれるのである。」

とか、

「口から魔素を出すように詠唱すると、精霊様がその魔素をエネルギーを力に、自らの命と引き換えに魔法が生まれるのである。」

とか、

「詠唱には神々の僕を召喚する力が込められ、その僕がこの下界に耐えられないための崩壊によって魔法が発生する。」

とかもうね。宗教的な考えすぎて俺にはついていけなかった。だから俺が開発する。

まず前にやったことだ。あの「ここは異世界じゃないー」とか現実逃避してた時にやった【魔力操作】。

息を吸い、肺から動脈へと魔素を伝える。そして、血管というトンネルを通り、全身の細胞一つ一つに魔素を注入するイメージ。

妄想の世界で二日に一回は想像したことだ。余裕でこのくらい想像できる。

すると例の運動エネルギーを感じた。

「これが魔力なんじゃないか、、、?」

となると話は早い。身体中のエネルギーを細胞一つ一つから回収し、指先に集めるようなイメージを作る。

すると指先だけが運動エネルギーを感じるようになった。

「魔力はほぼ確定かな」

そう呟きながらまたも想像する。火を浮かべるには火気と酸素、燃焼物が必要になる。

ナトリウムやカリウムに水をかけるイメージで行くか、、、?

いや、万一成功した場合爆発騒ぎになる。

ならば、摩擦熱で起こした熱を燃焼物、、、まぁヘリウムとか熱反応しないもの以外ならなんでもいいか。に移す感じでイメージしてみよう。


魔素が圧縮され、硬度の高い二つの物体を作る。そしてその物体を叩きつけ、火花を散らす。

散った火花は魔素の受け皿に乗せられ、熱により引火する。そこに酸素と燃焼物を送り込み炎を継続させる。


というイメージでやったら成功した。ちなみに硬度を高くしたはずの物体も燃えて灰になってしまった。


この実験結果から想像するに、魔素は人間が操れて、更に別の物体に変化させることができるとか?


試しに魔素をとにかく沸点が低く、そして炎上しやすい物体を想像し、指先から放つ。


すると空気のもやのようなものが一瞬みえ、そして大炎上した。大炎上したのだ。

「あー、やばい。やっちまった。」


次は簡単に、炎の上空に水素と酸素を集める。すると水素は炎に熱せられ炎上。水が残り、炎の上へ降りかかる。

更に酸素を魔素に戻すようなイメージも構築してみる。これもまた実験である。


炎上と水により霧と虹が出て、鎮火した。

と同時に俺はぶっ倒れた。

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