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厨二病だった俺が生き抜くため。  作者: Lotusroot/みねぱい
3/11

3、主人公、名前を手に入れる。

目が覚めたのは明くる日と朝。透き通る風が髪を揺らす。気持ちいいくらいな日差しが布団を照らす。なんだか身体が怠い。ここ二、三ヶ月心労が溜まっているからだろう。部屋で出来る少しの運動で息抜きをしているとおじいさんが入ってきた。そして喜びながら部屋を出ていき、なにやら紙を持ってきた。内容は難しく読めないが、わかる限りの単語を見る限り宮廷魔術師の説明だ。これは、俺の事を宮廷魔術師の一員にいれようとしている?そんな考えが頭を横切った。まあ、それは今知ることではない。そんなことよりもこの国。この人々の真相を確かめたかった。それに自分がここにいる理由も。本棚から地図を取り出し、見ているとどうやらここは魔術が発達した国らしい。

やはりこの世界はいわゆる異世界そのものらしい。違うとこと言えば俺にとってチートがない事とやたら世界のもの全てがでかいくらいだ。ならばテンプレらしく元の世界に帰り、罪を償うだけだ。テンプレなら魔法を覚えればいいんだろう。

そういえば俺の事をユスティンと読んでいる。俺の名前はユスティンと言うらしい。ださくね?

ちなみに、じいちゃんの名前はエリアス、

お兄さんの名前はエルク、

お姉さんの名前はアンドレアだそうだ。

外国らしいね。地球ですらないけど。

そんなことをしているうちに、おじいちゃんは部屋へ入ってきた。そして無邪気な少年のように俺の事を話してくれた。どうやら俺は門前のガス灯の下で眠っていて、それをみつけ、迷わず保護したらしい。いい行動力だ。


閑話休題。


俺には力が必要だ。一番の目的は日本にいたときに俺を殺し?たあの燕尾服だろう。しかし、殺されたかどうかもわからないほどの力の差がある。今は無理だ。

俺みたいな転移者?はテンプレとして、魔術が上手い傾向がある。

なんでも想像力のおかげらしい。俺は真っ先に魔力を強くするべきだろう。おじいさん、、、違う、エリアスに魔術について聞いてみよう。

「魔術、使える?」

拙い言葉だが、伝わるか?

「ははは、さすがはユスティンだ。儂が✴︎✴︎だと見破ったか。いいだろう、教えてやろうではないか」

固有名詞?のせいで一部分わからなかったが教えてくれるらしい。

おじいちゃんならきっと強くしてくれるだろう。



おじいちゃんに手招きされ、俺は家を出た。ほのぼのとした暖かさが心地よい。

変わったものに目移りしながら歩き続け、城のように大きい建物についた。ここはどこだろうか?

「ここはギルドだ。さあいくぞ」

有無を言わせない口調でおじいちゃんは進んでいく。俺もついていくしかなかった。

様々な装備が飾られ、真実なのは確実だろう。そのまま進み、突き当たりの部屋を右に入ると市役所の受付のような広いところに出た。中には10人ほどの職員がいて、女性もいた事で吐き気を覚えたが、向こうが人好きのしそうな笑顔で近づいてくる事で少し緊張が解れた。

「君が✴︎✴︎✴︎かい?」

やはり慣れたとはいえ聞き取れない言葉も多いな、、、

するとおじいちゃんはネックレスのようなものを渡してきた。恐らくつけろという事なのだろう。

「君ー無視しないでくれー」

僕はそれをつけて答える。

「なんでしょうか?」

「お?その歳の割に流暢に喋るんだね」

そこで気づいた。俺今喋ったの日本語だ。

「通じるんですか?」

「君の発音はなかなか聞き取りやすい」

『言葉、通じる?』

「あれ?変になっちゃった。多才なんだね。」

分かった。これは翻訳機だ。

しかしなんで最初に渡してくれなかったのだろうと思い、図々しいと思いながらも、

「なぜもっと早く渡して頂けなかったのですか?」

と聞く。ちなみに日本語だ。

「確かにもっと早く渡していたら話せたかもしれない。けれどね、これは一般庶民に渡すのはちょっとだけまずいんだ。だから文句の言いそうなところを黙らせ、、、まぁこれは良い。

それはともかく私は考えたのだが、ギルドはグループ制だ。ギルドなら強くなれるしこの国にも慣れる。そう思わないか?」

俺は状況をほとんど飲み込めていた。

ただ、「ほとんど」という注意書きが入る。

細々とした事は尽きぬほどあるが、まぁ話が通じるようになったんだ。ここで聞くべきは二つ。

一つ、俺は普通の中学生だ。はっきりいってギルドの活動なんてできない。だって周りには俺の2.5倍くらいありそうな化け物(もちろん比喩表現だが)がたくさんいる。こんなかでモンスターを倒せ?無理だろ常考。

二つ目、なんでこの万能翻訳首飾りを持ってるかだ。一般庶民に渡すのが違法なものを与えるだけの地位がある。更に放浪者と同じような俺に渡しても揺るがない地位だ。

「なんでこんなに高級なペンダントを頂けるのですか?しかも僕に戦う力は皆無です。間違いなく死にます」

とちょっと震えながら言ってみる。人間、慌てると口を滑らすからな。ここは俺の魅力(笑)を使うしかない。中学生とはいえ子供だ。怖がらせればバツが悪くなるだろう。結果、嘘が雑になり、ほころびが見つかるって寸法だ。

「ユスティン、泣かないでくれ。すまなかった。説明するから。な?」

うわ、めっちゃ慌ててる。予想外だ。このおじいちゃんショタコンとかじゃねぇよな?

「まず、ネックレスだな。この理由は簡単だ。儂は昔ブイブイ言わせてた時期があってな。巷では賢者と言われてたんだぞ!そのおかげで儂は一代限りとはいえ爵位、「名誉侯爵」の地位を貰ってるのだ!」

うわ、おじいちゃんのドヤ顔が様になっててちょっとムカついた。

しかしまぁ爆弾発言ばっかだな。歴史的大物でしかも侯爵か、、、上から二番目だっけ?名誉って一代限りの証みたいな事だな。ただ、名誉侯爵の地位よりも、、、

「賢者とは?おじいちゃん何やらかしたんですか?」

「やらかしたわけじゃない、大活躍だ。魔法の原理の一部を解き明かした事でそう呼ばれてるのだ」

なるほど、科学者みたいなもんか。

「これはまぁまた後で説明しよう。次はギルドの活動についてだな。活動はしない。しばらくは魔法のお勉強だ。ユスティンの魔力の保有量はこの国の魔術王に匹敵する。はっきりいって化け物だな!」

そういうとおじいちゃんは笑いだした。ああ、やっぱりチートはあるのか。そうだよな。

「今日は登録しにきただけだよ。後は受付の可愛いお姉ちゃんに会いに来た」

おいおい、この老いぼれなに言ってやがる、、、

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