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#9【移動2nd】
食器を片づけながら、目の前にいる人間が言った。
「これから、遊びに行くぞ」
「ほう」
楽しみだなぁ。どうせ、誰でもできる遊びなんかするのだろう。
カシャン、と音を立てて扉が開いた。
それと同時に手に手錠を掛けられ目隠しもされた。
暴れないようにするためだと。
場所が特定されないためだと。
どうでもいいが。
しばらく歩くと、
「239番、連れてきました」
誰かに私が来たことを知らせた。
目隠しを外されると、目の前にはひどく錆びついた鉄の扉があった。