#8【提案】
そして、
「239番! 昼飯だ」
出てきたのは、塩ラーメン、餃子、チャーハン、水
どっかの定食みたいだ。
不思議と懐かしさを感じるし、温かくておいしい。
1時間後。満腹。
食べ終わったころに、食事を持ってきてくれた人間が来た。
「239番! 食べ終わったか?」
「はい……、あの……」
「どうした? 飯がまずかったか?」
いや、そうじゃなくて。
「……遊びたい」
「うん? なんだ?」
うまく聞き取ってくれなかったらしい。
もう一回言ってみた。
「……遊びたい」
すると、
「遊びたい……のか?」
と言ってきた。
私は静かに頷いた。
食器を片づけに来た人間が、どっかに電話を掛けた。上層部とかなんとかいう場所に相談しているらしい。
5分後。
「夕食を楽しみにしていろ」
そういって教科書を渡して、去って行った。
渡されたのは、英語の教科書。
ペラっ、とページをめくると、もう何が書いてあるかさっぱりわからない。
古代の文字か??
暗号か??
15分で、飽きた。
もうやることがなくなった。
どうしようか、夕食まで。
そうだ。
国語の教科書を読もう。
2回目なのに、内容が新鮮に感じる。不思議だ。
読んでいると、
「239番! 夕飯だ」
出てきたのは、寿司、味噌汁、茶碗蒸し、お茶。
またしても豪華な食事。
外の世界でも食べることは、滅多にない。
じっくり味わって食べていると、
「239番! 食事中ですまない。昼の時に上層部から遊んでもよいと許可を得た。ただし、内容は、こちらで決めさせてもらう」
別にかまわない。
つまらない教科書読んでいるより、なんかしらで遊んだほうが、気が楽だ。
「……食べ終わったころまた来る」
そう言って去って行った。
40分後。満腹。
食べ終わったころに、食事を持ってきてくれた人間が来た。
「239番! 食べ終わったか?」
「はい」
私は言った。