#16【発覚】
私は葛飾の腹を思いっきり殴った。
不意を突かれた葛飾は、その場に倒れこみ持っていた分厚い本を落とした。
すると、中から1枚の紙が出てきた。
なんだこれ?
興味本位で、紙を拾い、中を見てみると……。
ハート :臓器提供の刑
クローバー:臓器提供の刑
スペード :臓器提供の刑
ダイヤ :臓器提供の刑
となっていた。
つまり、どれを持っていても結果は同じ。
持っていた分厚い本も、ジジ抜きなんてものも、ただの飾り。
メインはこの紙1枚だけ。
このゲームで負けた人間全員、いや、もしかしたら私だけ……、
臓器を提供しないといけないというが最初から決まっていたのだ。
結局、豪華な食事なんて、臓器に栄養を与えるための道具……。
笑っちゃうね。
死ぬという運命は、変えられないってことだよ。
「ようやく気付いたか? 239番よ。お前は最初から、私たちに操られていたのだよ」
あぁ、今気づいたよ。
遅すぎたな。
「さぁ、臓器を提供してもらおうか……」
特撮ヒーローでいう悪役は、もうどっちかわからない。
「絶対あげないね、……うっ」
突然、何者かが後ろから固いもので頭を殴られた。
意識が遠のく……。
あぁ、前が真っ暗で……見え……な……い……。
そのまま床にバタッと音を立てて
倒れ込んだ。




