#15【最下位】
そんな……。
なんでだよ……。
私が負けたら、外に出られない。それどころか、死んでしまう!
「239番。君が持っているトランプの絵柄はなんだ?」
葛飾がいった。
「ハートの9……」
認めたくなかった。
負けを……。
葛飾は分厚い本をパラパラめくった。
そういえばこのゲームが始まる時に葛飾は、
「……ゲームのルールは先ほどの練習と同じだが、負けた者つまり最下位の者には、即死刑に処する。ただし内容は、残ったトランプの絵柄で決めるので、ここでは申し上げられない」
あの本に死刑の方法が書いてあるのだな。
葛飾は本を閉じて
「ハートは……、臓器提供の刑だな」
ぞうきていきょう??
「今から239番の身体にある、心臓、肺、胃、肝臓、大腸、小腸、腎臓などをすべて取り出す!」
そんな、私はもう人間として生きられないのか!?
ふざけるな……。
確かに遊びたいと言ったのは私だ。
でも、死と隣り合わせの遊びがしたい、とは一言も言っていない!!!
もう、自分で自分を抑えられない……。
気づいたら、葛飾の胸ぐらをつかんでいた。
しかも殺意むき出し。
こんな状況でも葛飾は、なぜか冷静だった。
それに誰も止めにかからない。
後ろを振り向くと、先ほどまでゲームをやっていた人間たちがいなかった。
いつの間に?
「彼らなら避難させたよ。これから起きることはあまりにも見苦しいから別の部屋にね。
……ところで239番。君は生きたいのか?」
葛飾は訊いた。
「あぁ、そうだよ」
フン、と音を立てて葛飾は、鼻で笑った。
「なにがおかしい?」
私は言った。
「虫が良すぎません? 自分の欲望に従って、他の人間を殺しておいて、自分はもっと生きたいなんて? ……きっと殺された人間たちも思っていますよ……、もっと生きたかったと……」
葛飾は私を睨んだ。
「お前みたいのがいるからこの国は廃るのだ!!!!」
思いっきり顔を殴られた。
一瞬子供の心に戻った気分がした。
“やられたらやり返す”
どこでこんなことを学んだのかは、定かではない。
でも、ここでやらなければ。
ここでやらなければ。




