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プロローグ

 ―約5000年前 

ウーゼル暦2000年

「レヴァン皇国」の出身である魔導師「ロキ=ヘル=ウィキド」は、自身の生束力(自身の体内に流れる生きるための力)を強化し、旧文明の禁じられた生術(生束力により繰り出すことのできる術)を使い、

自身が崇拝する神「ドゥーム」を奉り、守るための力を手に入れるため、10人の弟子と共に魔導書を探していた。

3年間の年月をかけ、スウォング地方の最南端に存在する「虚空洞」の中層にて4冊発見した。

解読後、それらの書の名は「アカシックレコード」「グリモワール」「アルマデル」「アルバテル」という事が判明した。

ロキはアルマデルとアルバテルを使い、様々な生物を作り出し、更にはグリモワールから闇の生術を独自に作り上げた。


そのロキの研究に恐怖を抱いた弟子は、「アークラン王国」国防本部にその事を報告した。

その事を知ったアークラン王国(現、アルヴィン王国)国王ティリオンは、

「魔導書を携え、王宮に出頭せよ」と命じた。

命令どおり、ロキはアークラン王国に魔導書を持っていった。

だが、彼が持っていったのは、アルマデルとアルバテルの2冊だけであった。

アークラン王ティリオンは、その2冊を交友国でもあり最大の封印術を兼ね備えたフレイヤ公国(現、セルレン公国)に2冊を託した後、ロキを最上級警戒人物として、王国の最下層にある嘆きの牢へと入れた。

牢に入ったロキは、ただただ偶像神の事と自らの事を、ひたすら考え続けた。

約半年が経とうとしたある日、ロキは狂ったような高笑いを上げ、

いきなり嘆きの牢を強大な闇の生術で破壊した。

ロキにとって嘆きの牢から抜け出す事など容易いことだったのだ。

脱獄はすぐに発覚し、ティリオンは200人の上級兵を導入したが、一人残らず葬りさられた。


ロキは自分の城に戻った後、狂ったように弟子達を惨殺し、その血肉を貪り天を仰ぎ吼えた。

その後、グリモワールの最終項目の、人体を使った最強の生物の錬成を行った。

事前に用意しておいた、様々な能力に特化した人間(培養槽にいれられた)を用いて、

ついに「八辣神はちらつしん」をつくりあげた。

八辣神は「ゼフォン」「トイフェル」「ダンタリアン」「ソラト」「ナハトマート」「ナハトメンレ」「インクバス」「サクブス」と言う。

脱獄後1週間、アークラン王国の調査団はロキの城を捜索し続けたが、すでにもぬけの殻であり、八辣神は目覚めてしまった。

直後、ロキは、全ての人類に宣戦布告し、ビヴロスト(世界)全土を破滅に導いた。

ビヴロストの半分以上が崩壊してしまう、歴史上最悪のこの戦争は2年間も続いた。

これを「断罪戦争」と呼称する。


戦争開始より3ヶ月後、八辣神の力の強大さに対抗するために、ティリオンは5000人にも及ぶ独自の部隊「グランドクロス」を発足し自らも戦場に出た。

(グランドクロスの精鋭は、「クロノ」「エレン」「レリース」「ティリオン」「イフィール」「ルオール」「スヴァン」「レイア」の8人である。)

グランドクロスの出現により、ロキの思った以上の長期戦争になった。

ロキはこの状況を打開するために、戦争開始より1年後、フロレット族の住む「クラエン地方」を強襲した。

フロレット族は、ロキの妖術によって、彼らが持つ、多大な生束力を強制的に解放させられた。さらに、操具を使われ、女、子供を含む全てのフロレット族は完全に支配されてしまった。

グランドクロスの一人、エレンや、その他の地方に住むフロレット族は、クラエン地方に居なかったのでこの操具の影響は受けていない。

しかし、エレンは「自分の家族や友人を殺す事は出来ない」と嘆き、戦うことをしなくなってしまった。

その後、彼女は衛生兵として戦場に赴いた。

八辣神の力とフロレット族の力により戦局は一気に悪化し、防御戦術に長けていたフレイヤ公国、竜騎兵で猛威を振るっていた蒼天国バルムンクが陥落した。

同時に、アルヴィン王国も壊滅的なダメージを受けながらも、フレイヤ軍、バルムンク軍、レヴァン軍、グランドクロスの残存兵全てを合わせた連合軍を立ち上げ、残りの八辣神全てを倒した。

八辣神とフロレット族は倒したが、ロキは更なる力を手に入れていた。

そんなロキを倒そうにも多くの兵は傷つき、倒れ、グランドクロスの中でも戦える力が残っていたのはクロノと衛生兵のエレンだけであった。

戦う力を失っていたエレンも、自分が戦わなかったことにやるせなさを覚えていた。

「多くの失われた命と、守りたいもののために戦う」

と決断し、クロノと共に最後の決戦の地、「黙示の扉」へと赴いた。

八辣神の戦いを凌ぐ激しい死闘を繰り広げ、ロキを撃破した。


この戦争により、60億人いた世界人口の内、35億人もの人が犠牲になった。

この戦争で一番被害が少なかった国は、ロキの出身国でもある、レヴァン皇国である。

一説では、レヴァン皇国を、自らの根城にするためであったのではないかと言われている。

戦争は終結したが、戦争の影響で焦土と化していた。

ビヴロストを元に戻すために、クロノとエレンは自身の命と引き換えに全ての生束力を開放し、ビヴロストに僅かな緑を取り戻した。


戦争は終結し、ティリオンは再び王の座に戻り、ビヴロストの復興に貢献した。

同時に、魔導書グリモワールを、復興させつつあるフレイヤ公国に受け渡し封印した。

アークラン王国は総力をかけて残りの魔導書を探索したが、どこにも無かったという。

ティリオンは、「ロキが常持しており、ロキ共々消え去った」と記録に残した。


戦争は終結したが、ロキが起こした戦争の爪あとはフロレット族を大きく苦しめる事になった。

操具の影響を受け、戦争でもっとも多く犠牲になった種族であるフロレット族は、行き場を失っていた。

その頃、レヴァン皇国の宰相が、

「フロレット族には、未だに装具の影響があるのではないだろうか」

と、皇王に申し立て、「フロレット狩り」を推薦した。

皇王は渋々その申し立てを承認し、フロレット狩りが行われた。

逆らう者は容赦なく殺された。

フロレット狩りの真の目的は、人体実験であった。

実質、そのことを皇王は知らなかった。

実験が終わった者は、奴隷として扱われた。

また女性に至っては、陵辱され、使い物にならないとみなされた者は、全員処分された。

この戦争での一番の被害を受けた種族はフロレット族であるというのは明らかである。

その迫害から逃げ延びられたフロレット族は、自分達を虐げた者達に復讐するため、戦争をしかけたが、半年あまりで鎮圧させられてしまった。

この戦争により、当時、フロレット族は魔族と称されるようになった。

フロレット狩りを上回る悲惨な迫害に苦しめられ、ほとんどのものが、身を隠して生きていく道しかなくなってしまった。

その所為で、現代に生きるフロレット族の血を受け継ぐ者は僅か300人程度である。


その後も、戦争や内戦が世界各地で起きるが、長い年月をかけ、世界は平和を取り戻しつつあった。



―ウーゼル暦7000年

農業都市カサントに住む少年と少女は、運命を大きく変える一冊の本を手にしてしまうのであった。


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