転生したい
「ゆき!ゆき!…起きてくれ…ゆき…」
正直驚いたが、すぐに受け止めることができたんだ。
シャーロットと会ったとき噂の悪女とは程遠かった。
まあその噂は、両親たちによって作られた嘘だと後々わかっても、何か違う気はしていたんだ…だけど、知るのが遅すぎた…もっと早くに知っていれば…彼女をシャーロットではなく、「ゆき」として愛せたんじゃないかって…
「レイスト…頼みがある。」
「なに?」
「俺をゆきのいる世界に連れて行ってくれ。」
「何を言ってるんだ、クリス!」
「そうよ、クリス…」
「お父様、お母様。少し黙っていてください。で、ダメか?」
「断る。」
「なぜだ…」
「お前は自分の立場を考えろ。お前はこの国の第一王子だろ?そんな奴が居なくなったら混乱するぞ?だから無理だ。」
この国を破壊しようとしていた奴が何言ってる。と言いたかったが、結局、この男の目的はお父様とお母様に一目会いたい、そしてメリーナの正体を明かすってことが目的だったみたいだがな…
「それなら大丈夫だ。」
「なぜ?」
「お前がいる。」
「……は?」
「お前は俺たちの実の兄なんだろ?実質、お前が第一王子だろ。」
「いやいや、勝手なことを言わないでくれ…」
俺はお父様とお母様に聞いた。
「お父様、お母様。レイストをアーシェント家へ迎えるのはどうですか?また実の息子を見捨てるのですか?」
「…!」
レイストな顔を見ると俺の言葉に目を見開いていた。
「そうだな…もう、あんな過ちは犯したくない…」
「そうね…忘れたことはなかったんですもの…」
お父様もお母様も屋敷では何も言わなかったが、二人はちゃんとレイストのことを覚えていたんだ…
「名前は俺たちがつけたものではないが、大事な名前だ。レイスト…おかえり…」
「おかえりなさい…レイスト…!」
レイストの方を見れば、泣いていた。
「…あい…たかっ…た…」
そんなレイストをお父様たちが抱きしめた。
「ゆき……」
「なぁ…クリス…」
「…?」
「お前のその願い叶えてやる…」
「本当か!?」
「ああ…俺がこうして会えたのもそのゆきのおかげだからな。それに、あれだ…弟の願いは叶えないとな…」
…
「今日、知ったばっかなのに急に兄って言われてもな…」
「なっ!ならやめるか?」
「いや、やるさ。」
「うん。分かった。」
これで、本当のゆきに会える…
「クリス…本当に行くのか…?」
「はい。」
「…クリス…寂しいわ…」
「お母様…大丈夫ですよ…別世界で俺はお母様たちと同じ時を過ごすので…」
「クリス。」
「ルーシェ、頼んだぞ。」
「ああ。」
「クリス。お前が行くのは魂だけじゃない。その身体ごと別世界に転生させてやる。そうすれば、ゆきもすぐにお前だと分かるだろう。」
「ありがとう。ところで、服とかはどうなるんだ…?」
「安心しろ。向こうに行けば向こうの世界似合った服装にも変わるし、お前の持っている剣も消える。」
「そうか。」
これで、会える。
「だが、今日はダメだ。」
「なぜだ!?」
「もう夜だぞ?向こうも夜だ。それで行ってしまってもゆきには会えないぞ。」
「…分かった…」
「明日の早朝。やろう。」
「分かった。ありがとう。」
シャーロットをレイストの魔法でトルデイン家の屋敷に移した。俺たちは屋敷へ戻り、みんなで夕食をとった。
レイストにとっては初めてであり、俺にとっては最後だ。
「あ…そうだ…いい魔法を教えてやる。これは、お父様、お母様、そして、シャーロットの使用人のソフィア、リュースト、ルーシェ、アーサー、レイン。ここにいる全員が使える魔法だ。別世界でも使える魔法だから覚えておくといい。」
「なんだ?」
「お父様たちに会いたくなるだろ?それにお父様たちもお前に会いたくなるはずだ。だから、お互いを映しながら電話をすることができるそんな魔法だ。」
「そんな便利な魔法が…」
「ああ。今俺たちが動いてる姿をそのまま見れる。そして一緒に会話できるんだ。もちろん、その魔法を使えば、一緒に食事することもできるぞ。」
「すごいなぁ。教えてくれ。」
「分かった。映しの魔法という魔法だ。呪文は、ヴィシオウィスパー。これを唱えたらいつだって繋がる。相手から、電話が来たことは分かるようになっている。だから、いつでも出来るぞ。まあ、一番良い方法は、電話が繋がったときに、次の連絡するときの時間などを決めとくことが一番だな。」
「分かった。これは簡単な魔法なのか…?」
「ああ、簡単だよ。すぐに出来る。電話したいときは、魔法を唱えてから、その相手の名前を呼べばその人に繋がるから。」
「分かった。ありがとう。」
この魔法が使えるなら、何も寂しくないな…
いつも読んでいただき誠にありがとうございます!もしよろしければ、ブックマークや☆評価を頂けますと今後の作品づくりの励みになりますのでよろしくお願いします!!




