聖女として
私は今から、聖女として最初で最後の仕事をする。
「あははっ!これで終わりよ!雷喰牙。ボルトタスク。」
そう唱えた瞬間に私はアーサーが内緒で教えてくれた魔法を使った。
「断罪の弓。フェルスアロー。」
私がそう唱えると空間から一つの大きな白い弓が現れる。
「放て…」
そう言うと弓が引かれ、矢が放たれた。
そしてその矢が、メリーナに当たった。
「あ゛あ゛ッ!!」
…当たった…そして私にも…
「う…ッ……!」
さっきよりも強いメリーナの攻撃だった。
「…クソ…お…ま…ぇ…」
そしてメリーナは意識を失った…
私はというと、少し…いや、かなり息がくるしい…
もう、ここで私は終わりなんだと思う…
そうなれば、私自身はどうなってしまうんだろう…
いや、必要ないか…
だって、私はこんなにも人を騙したのだから…
「おい、大丈夫か…しっかりしろ…」
クリス様の暖かい腕の中…そんな私たちの周りにみんなやって来る…
「クリス様…ごめんなさい…あなたを騙してしまって…あなただけじゃない皆さんを騙してしまってすみません…」
それを聞いたクリス様やみんなは揃って、気にしてないと言ってくれた…
「どうして…私はあなたたちを騙して…」
「君との時間はすごく楽しかったんだ…君の楽器の演奏も…一度しか聞けなかったが、すごく良かったんだ…」
「そうよ…あなたに出会えてよかったとみんな思ってるわ…」
「私も…あなたのそばにいて、幸せでした…!だから、騙されたなんて思ってない!」
「私もそうです。例え騙していたとしても、私にとっては幸せだったんですから…」
他にいる人たちも次々と優しい言葉をかけてくれる。
「みなさん…ありがとうございます…そして、ごめんなさい…」
クリス様はどう思ってるのかな…
「…!!」
さっきまで軽くだったのに今は強く抱きしめられてる…メリーナの攻撃のせいで痛いけど、何も言わないことにした。
「君の本当の名前を教えてくれないか…?」
私の名前…
「ゆきです…」
そう、私の名前はゆき…坂下ゆき…
「いい名前だ…」
「…ありがとうございます…」
「なぁ…ゆき…」
「…はい…」
「そばにいたい、ゆき…」
「…!?どうして…私を殺さないのですか…?」
「!?殺すわけないだろ…君がシャーロットを殺させないためにここに来たんだろう…?それに、俺は君を愛してるからな…」
「でも…それは私ではなく、シャー…」
「違う…俺は君のその性格が好きになったんだ…身体はシャーロットでも、中身はゆきなんだろ?俺が好きになった性格はゆきの性格じゃないか…君が仲間にいるのだから…」
「でも…私は…」
「嫌か…?俺から愛されるのは…」
…嫌なわけない…すごく嬉しいよ…
でも、もう私は死ぬ…
息が苦しい…さっきよりも呼吸が荒い…
だから、言えることは全て言いたい…
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