心縁魔法
「ソフィア、リュースト。行くぞ。」
「「はい」」
「心縁魔法。ハートトレース。」
まずはソフィアがそう唱えた。
シャーロットが連れ去られた場所からシャーロットの足跡が光って現れた。
「こっちです!」
ソフィアの後ろについて足跡を追っていく。
「今度は、こっちです!」
森奥へとどんどん入っていく。
すると、
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
「ソフィア、大丈夫か…?」
「大丈夫です…続けます…」
「辞めておけ。次は俺がやる。」
「クリス様にやらせるわけには…」
「俺にやらせてくれ、これは、俺の責任なんだから。」
「……分かりました…」
「心縁魔法。ハートトレース。」
まだまだシャーロットな足跡は森奥へと続いてる。
「一体、この森奥はどこに続いてるんだ…」
足跡を辿れば目の前に現れたのは大きな屋敷だった。
「…なんだここは…」
「…!クリス様、大丈夫ですか?」
「ああ…リューストすまない。」
俺はリューストの肩をかりながら進んでいく。
「入るぞ…」
「「はい。」」
誰かがいる気配がしない。
確かすればこの奥に出口がありまたそこからシャーロットの足跡が出るかもしれない。
「リュースト、心縁魔法を頼む。」
「はい。心縁魔法。ハートトレース。」
シャーロットの足跡が廊下に続いてる。
「こっちです。」
階段を降りていけば、いくつもの牢屋が。
「なんだ。ここは…」
なぜ、牢屋がこんなにも…この屋敷はいつの屋敷なんだ…
「クリス様、こちらでシャーロット様の足跡が消えてます。」
そこは一つの牢屋のところだった。
そこを除けば倒れている人。
「シャーロットなのか…?見えないな…」
そう言うとソフィアが、
「お任せください。」
そう言って魔法を唱えた。
「星煌魔法。スタールーメン。」
魔法で小さな星のような光が現れ、周囲が明るく照らされた。
「シャーロット!!」
姿がはっきり見えたことで倒れているのはシャーロットだと分かった。
「クソッ…鍵がかかってる…」
鍵を探さないとそう思っているとリューストが、
「クリス様、お任せください。」
そう言って魔法を唱えた。
「鍵喰の魔法。シュールフィート。」
魔法で鍵が溶けて跡形もなく消えた。
俺は牢屋の扉を開け、シャーロットの方へ向かい、シャーロットを抱きしめた。
「シャーロット…良かった…無事で…」
そんな俺の後ろでソフィアとリューストも安心したのか泣いていた。
「シャーロット…起きろ…」
軽くゆするとシャーロットが目を覚ました。
「気がついたか…」
「ク…リス…様…」
「ああ、俺だ…」
「会いたかったです…っ…」
涙を流すシャーロットを俺はさっきよりも力強く抱きしめた。
「何もされてないか…?」
「はい……あ、あの!クリス様…レイストは?」
「やっぱりあいつだったのか。だが、ここに来た時には誰も居なかったぞ…」
「そうですか…」
「何かあったのか?」
「屋敷でお話しさせてください…重要なことなので…」
「分かった。」
「ソフィア、リュースト…二人とも、ありがとう…心配かけてごめんね…」
「シャー…ロット…様…どれだけ心配したと思ってるんですか!!うぅ……っ…」
「ソフィア…泣かないで…ほら私は無事だから…ごめんね…」
「もう離れないでください!私はシャーロット様が居ないとダメなんですよ!シャーロット様のおかげで私が居るんですから!うぅ……っ…」
「ソフィア…」
「シャーロット様…今だけは失礼を許してください…」
「…?」
「シャーロット…心配したんだぞ…悪くないのは分かってる!でも、心配したんだ。頼むから、お前まで俺のそばからいなくならないでくれ…もう、俺には、お前とソフィアしか居ないんだよ…」
「リュースト…ごめんね…私は居なくならないから大丈夫だよ…約束するから…」
「約束しろよ、ちゃんと…」
「うん…」
ソフィアもリューストも相当心配だったんだな…
「シャーロット、屋敷へ戻ろう。」
「はい。」
俺はシャーロットを立ち上がらせ、手を握り歩き始めると、膝から崩れ落ちたシャーロット。
「シャーロット!!」
「えへへっ…大丈夫です…ずっと足枷と手錠をされてて座っているか、寝転んでいるかだったので、急には力が入らなくて…すみません……」
そうだよな…それにそれだけじゃなく、恐怖も関係してるはずだ…
「シャーロット、じっとしてろよ。」
「はい……えっ!ちょっ、クリス様!?」
「なんだ?」
「あの…これだとクリス様は疲れますけど…」
俺はまるで壊れ物を扱うように、そっと腕に抱えていた。多分、俺の腕を気にしているのだろう…
「シャーロット。大丈夫だ。ちゃんと鍛えてある。それに途中までは馬車出来たからな。安心しろ。」
「…はい……」
そのまま俺はシャーロットを抱えたままこの屋敷を出た。そして、さっき来た森奥を抜け、待っていてもらった馬車に乗り屋敷へ向かった。
「ソフィア、頼みがあるんだが。」
「なんでしょうか?」
「アーサーとレインを呼んできてもらえるか?」
「分かりました!」
屋敷へついた途端ソフィアに頼んだとき、後ろから、
「もう来てるよ。」
「アーサー、レイン。どうして?」
「んー。勘かな?なんかクリスならシャーロットが監禁されているところに誰も居なかったら自分で助けるだろうって思ったから、ここで待ってたんだ。」
「そうか、二人ともありがとう。」
「アーサー様、レイン様…」
「おお!シャーロット!大丈夫??」
「大丈夫なの…?」
「はい…なんとか…ご心配をおかけしてしまい申し訳ございません……」
「いいんだよ、そんなの。」
「そうだよ…気にしないで…」
「ありがとうございます…」
再会を喜ぶのはここまでにして。
「シャーロット、屋敷へ入ろうか。」
「はい。」
シャーロットが屋敷へ入れば、なぜかみんな勢揃い。
「シャーロット…!おかえりなさい…」
「セリーヌ王妃様…ご心配をおかけしてしまい申し訳ございません…」
「いいのよ…あなたが無事ならそれで…!」
お母様は泣きながらそう言ってシャーロットを抱きしめる。
「シャーロット、おかえり。よく無事だったな。」
「ラスタ国王陛下…ご心配をおかけしてしまい申し訳ございません…」
「君が何の怪我もなくて良かったよ…」
「シャーロット、無事でなによりだ。」
「ルーシェ様…ご心配をおかけしてしまい申し訳ございません…」
「気にしないでいいんだよ…!君は、この家の人間なんだから。」
ルーシェのその言葉に優しく微笑んだシャーロット。
やっと、その笑顔が見れた…
約一日しか離れていないのに、ものすごく長く感じた…
「シャーロット、話をしなければならないだろ…?」
「そうですね…皆様、お話がございます。」




