最後の口づけ
「クリス様!行きましょう!」
私はクリス様の手を引いて馬車に乗った。
二人の時間が作れたのがすごく嬉しい…!
デートと言っても短いけどね…
「シャーロット…ここは…」
「そうです…ウィスパーガーデンです…!私たちが二人で初めてデートをした場所です。」
ここに来たかった…なんだか、嫌な予感がしていたから…なぜか、クリス様と離れてしまうかもしれないという予感。
「シャーロット…なぜ泣いているんだ…」
「えっ…!」
顔に手を触れれば涙が流れていた。
それを見たクリス様に私は抱きしめられた。
「シャーロット…ここ何日か思うんだ…なぜか君が俺の隣から居なくなって離れてしまう。そんな予感がするんだ…」
クリス様も私と同じことを思ってたのね…
「クリス様…私もです…クリス様と離れてしまう気がするのです…」
私がそう言えばさっきよりも強く抱きしめるクリス様。
「シャーロット…約束してくれ。どこにいても俺だけの君だと…」
…!
「約束します…クリス様だけの私だと…」
夕日に照らされながら私たちは見つめ合い口づけを交わした。
「シャーロット…そろそろ夕食に行こうか。」
「はい。」
そう言って私たちは馬車へと向かう。
するとそこには、木の棒を持った何人もの男たちが立っていた。
「誰だ、お前たちは。」
クリス様が私を庇うように私の前に立つ。
そして一人の男が出てきた。
「俺たちは『レッドブラッドファング』だ。知ってるだろ?」
気味の悪い笑顔でそう言う男。
『レッドブラッドファング』この国の盗賊団…
「お前は、ランスだな。」
「ああ、そうだ。よく覚えてるな?」
「で、何の用だ?俺は未来の妻とのデート中だ。邪魔をするな。」
そう言うクリス様にランスという男は、
「そりゃどうもすみません〜。でも、俺たちはその子に用があるんで。」
「なぜ、シャーロットに用がある。」
「ボス命令なんで。お前ら、殺すなよ?やれ。」
ランスがそう言えばこちらへ向かってくる男たち。
クリス様が私の手を引いて馬車まだ向かうも、馬車名前には盗賊団の奴らが何人もいる。
「…囲まれたか…」
「さあ、渡してもらおうか。」
「断る。」
クリス様は私の手を強く握りしめていた。
「お前ら、殺さないようにやれ。」
「「「おう!」」」
そう言って一斉に向かってくる盗賊団たち。
クリス様一人じゃ勝てない人数…
やっぱりその考えは当たっていた…
「クリス様!」
クリス様が男に後ろから殴られ、膝から崩れ落ちる。
「あなたたち!やめなさい!一人の人をよってたかって…あなたたちはそれでも男なの??」
「うるせえよ。お前には関係ねえだろ?」
私に殴りかかろうとするランス。それをクリス様が庇った。そのせいで、完全に倒れてしまったクリス様。
「クリス様…クリス様…!クリス様!!大丈夫ですか!!」
「…シャーロット…大丈夫だ…」
少し微笑むクリス様。
絶対に大丈夫じゃない。
こういう時に、攻撃出来る魔法を教えてもらえばよかったと後悔した。
「さあ、来い!」
私の腕を掴み連れて行こうとするランス。
「やめて!!離して!!クリス様…!!」
「シャーロット…!!」
クリス様は動き出そうとしたけど、周りにいる男たちに押さえつけられる。
「やめて…クリス様にそんなことしないで…分かったから!ついて行くから!もう…クリス様を傷つけないで…」
私がそう言うとランスは笑いながら、
「よし、それでいい。」
男たちはクリス様から離れた。
「行くぞ。」
そう言ったランスに私は少し言いたいことがあるから待ってと言った。話すことを許したランスのそばから離れ私はクリス様のところへ行った。
「クリス様…私は大丈夫ですから…必ず、助けに来てください…なるべく、私も抜け出せるように頑張りますから…それと離れていても、私はあなただけのものです…クリス様、愛しています…」
「…シャー…ロット…必ず、迎えに行く…助けに行く…待っていてくれ…俺も愛している…」
私たちは最後に口づけを交わした。
そして、後ろから近づいて来たランスに殴られ私は気を失った。




