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ヴィリエア教会

翌日、私とクリス様はリーシェを連れ出し、ヴィリエア教会へ向かう。昔から、この国では聖女を決めるために一人のシスターが聖女を指名するらしい…

ゲーム内でも、聖女をシスターが指名しているシーンは出ていたけど、そのシスターの名前は分からない。


「クリス様、もし、リーシェが聖女ではなければ、あの子は一体、なんだったのでしょうか…」


「分からないが、すべては教会に行けば明らかになるだろう…」


馬車に乗りながらなぜ嘘をついていたのかという疑問ばかりを考えていた。


────────────────────


「着いたな。」


ヴィリエア教会。初めて来たけど…

すごく綺麗な教会…

教会に見惚れていると中から一人の女性が。


「クリス第一王子殿下、ようこそおいでくださいました。シスターのメリーナです。」


「ああ。急に来てすまない。」


「いえいえ。そちらの方は、シャーロット様ですね。」


「あ、はい…シャーロットと申します。」


メリーナさん…澄んだ目をしていて、髪はホワイトブロンド。


「わぁ…綺麗な人……」


私のその言葉が聞こえたのかメリーナさんは、


「ありがとうございます。」


と言った。でも、メリーナさんは私よりも20 歳は年上らしい…全然そうは見えない…そんなメリーナさんは一言で言うなら、女神という言葉が似合う人だと思う…


「ところで、クリス第一王子殿下。今日はどんな御用で?」


「ああ、実はな。この女が自分は聖女だと言い張るんだ。だが、それが嘘なのではないかと思ってな。聖女は君が指名して決まる。君自身がこの女を指名したのなら覚えているはずだ。」


「こちらの方は…確か、シャーロット様の妹のリーシェ様ですね?…クリス第一王子殿下。」


「なんだ?」


「残念ながら、私はこの方を聖女と指名しておりません。それに、私がその役目になってからまだ一度も誰かを聖女に指名などしておりません。」


「なら、この女が言う、自分は聖女だという言葉は嘘だということでいいんだな?」


「はい。私は選んでおりません。」


「分かった。ありがとう。」


「あ、お待ちください。聖女に指名する人を最近決めたのです。」


聖女に指名する人を決めた…?


「シャーロット様、あなたが聖女です。」


…ん?私が…聖女?


「えっと…何かの間違いじゃ…」


「間違いではありませんよ。あなたが正真正銘の聖女です。」


急なことに頭が追いつかない…


「そ、それに、私は悪女だと…いくらお父様たちが広めた嘘だったとしても、それを嘘だと知ってるのは私の周りだけです…他の国民たちは誰も知りません…そんな人間が聖女に選ばれたとすれば、どうなることか…」


どうなるか…そんなの決まってる…

暴動が起こる。確実に。

でも、メリーナさんは、


「そのことなら大丈夫ですよ。私がなんとかします。」


そうは言っても…そう思ってると、


「シャーロット。俺もなんとかする。心配するな。」


なんとかって…


「その、なんとかってなんですか…?」


「ふふっ、私が自ら伝えます。国民のみなさまに。」


「俺もそのつもりだ。国民の目の前でしっかりと証言する。」


「クリス様…メリーナさん…」


二人は私のために伝えると言ってくれた…


「ありがとうございます…」


「シャーロット様。今ここに、貴女を聖女として指名いたします。これで今日からあなたは、正真正銘の聖女です。」


「ありがとうございます…」


そうして、私は聖女になった。


ところで…


「聖女はどういうことをすればよろしいのでしょうか…」


そう聞くとメリーナさんが答えてくれた。


「聖女は、この国の人たちを助けることがお仕事です。困っていることがあれば助ける。それが聖女です。」


「教えていただきありがとうございます。」


人を助ける。口で言うのは簡単なこと。

だけど、それを実行するのは簡単なことじゃない。

私は悪女だと言われているから…

それを例え、クリス様やメリーナさんが嘘だと言ってくれたとしても、一番最初の印象が悪ければ、その印象はずっと変わらない。


でも、選ばれた以上、やるしかないんだね…

私は私らしく…


リーシェを馬車に乗せ、私とクリス様はメリーナさんに挨拶をして教会を去る。馬車の中では、クリス様がずっと私のことを、


「君が聖女だと思っていたよ。」


なんて言ってくるから、余計に負担に感じる…

でも、やるしかないと分かってる。

例え、国民から最初は受け入れられなかったとしても、少しずつ受け入れてもらえる様に頑張る。


──それが、私の、聖女としての覚悟だから

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