尋問⑥
次はお母様の尋問。
正直、お父様も苦手だけど、お母様もすごく苦手。
高圧的な態度がお父様なら、お母様は言葉に棘がある。プライドも高いしね…
でも、少し気になる。
プライドの高いお母様が尋問室の中でどうなっているのか気になる…
そんなことを考えながら尋問室へ入った。
すると、そこには少し痩せたお母様の姿があった。
だけど、お母様のきつい目は変わらないまま。
相変わらず私に対し、睨むような目つきで見てくる。
「スワン・トルデイン。国王陛下の勅命により、この尋問は私、第一王子クリスが執り行う。」
そう言うとお母様は静かに私とクリス様を交互に見ながら睨みつける。私は、クリス様の目よりもお母様の目の方が圧倒的に怖い。まあ、みんながそうは思わないのはお母様がこの目をするのは私にだけだからだと思う。みんなは知らない。この目を…
「スワン・トルデイン。お前はなぜ、あの日、女性に暴行を加えたんだ?」
そう聞くとお母様は、
「平民な顔は見ていて腹が立つのよ。」
正直、クリス様と一緒にトルデイン家入ったとき、お母様はクリス様に対してすごく恐れていた感じだった。なのに、今のお母様は何も恐れていないように見えた。
「だから殴ったと?」
「ええそうよ。それの何が悪いの?」
「なら、公爵家の地位を剥奪されたお前はその殴った女性と同じように平民になった。なら、お前も殴られて同じ理由を言われても、訴えることはないのだな?」
「それは違うわ。だって私は公爵家から公爵家へ嫁いだの。例え、トルデイン家が公爵家じゃなくなったとしても、私の育った家は公爵なのだから私は貴族のままよ。」
「まあいい。今のお前にはその育った家もないんだからな。」
そう言われると顔色を変えたお母様。
「…それどういう意味よ…」
確かにお母様にとっては意味のわからないことでしょ。でもね。お母様。
「お前のその育った家である、ミリラス家がお前との縁を切ると直々に言いに来た。」
「なんですって!?…そんなはずないわ…」
「本当だ。泣きながらお前にちゃんと罪を償わさせると言ってたぞ。」
「そんな…」
お母様の絶望する表情…こんな表情が見れるなんて…
覚えてる?あなたが私に言ってた不要という言葉。でもそれは、お母様の方だったわね…?
私は少しすっきりした気がした。
だけど、お母様はすぐに立ち直り、今度は私に視線を映しこう言った。
「クリス第一王子殿下、この子はなんの役にも立たないでしょ。役立たずの子を妻に迎えるなんて、王家を潰すおつもりなのですか?この子は不要な子なのですよ。」
お母様は相変わらず私を不要だと言うのね…
役立たずなんて…どうしてこんな風に言えるんだろう…
そう言ったお母様にクリス様は、
「シャーロットはいつもそばで俺を支えてくれる。そして今もずっとだ。シャーロットの存在は俺には必要だ。むしろ、役立たずで不要なのはあなたの方では?あなたがシャーロットの母親というのはすごく疑いたくなるくらいあなたとは出来が違う。」
そう言われたお母様は顔を真っ赤にし、
「…シャーロット!あなたなんて死ねばよかったのよ!あなたさえいなければリーシェは幸せに…!」
そう言ってる途中でクリス様が立ち上がり、お母様を睨みつけながらこう言った。
「シャーロットが死ぬ時は俺も死ぬ時だ…あと、その虫唾が走るような名前を出すな。」
「ヒィッ……!」
震えているお母様をよそに私とクリス様は部屋を出た。
部屋を出ればクリス様に、
「あれが君の母親だなんて信じられないな。」
と言われたから、
「私も信じられません…」
と答えた。
次は、いよいよ…
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