食いしん坊たちのお昼
眩しい日差しを見ればもうお昼なんだと分かる。
お腹が空いてきたなと思っていると、
「シャーロット。お腹は空かないか?」
「クリス様、私も今同じことを考えてました…!」
「そうか、何か食べに行くか。」
「はい!」
一度馬車へ乗り、何が食べたいか話し合う。
「シャーロットは何が食べたいんだ?」
そう言われても、何も考えていなかった…
でも、食べたいものなら沢山ある…
「パンも良いですし、お肉も良いですし、魚も良いですし…あっ!クリス様の好きなビーフシチューも良いですし…悩みますね…」
色々言っていくとクリス様は笑って、
「食べることが好きなんだな!」
あっ、やってしまったと思い、
「すみません…つい…」
そう言うとクリス様は、
「俺は沢山食べてくれる人の方が好きだ。俺も沢山食べる方だからな。それに、シャーロットの食べてる姿はいつも綺麗で見惚れる。沢山食べてくれればシャーロットその姿も沢山見れるからな。」
そう言って伝えてくれるから、
「私も、クリス様の食べてるところを見るのは好きですよ。」
そう言えば、なら沢山食べようと言って私たちは笑い合う。
「魚料理なら良いお店を知ってる。そこに行こうか。」
「はい…!」
そしてクリス様は行き先を伝えると馬車が動き出した。
魚料理、楽しみ!!
どんな料理が出てくるんだろう…
馬車の中では、色んなことを話した。
私の好きなものを教えてくれと言われたから、私もビーフシチューが好きだと伝えた。話していくと、案外食の好みも合っていて二人だけでの食事は楽になるなんて話をしていた。
そうしているうちに、お店へ着いた。
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【Savor of the Blue 】
と書かれた看板があった。
それほど大きいお店というわけではないけど、すごく雰囲気の良さそうなお店だった。
クリス様の後に続いてお店へ入ると、席へ案内される。クリス様はよくここに一人で来るらしく、専用の席があるらしい。外からは見えないところにある席だったから、クリス様は落ち着いてここで料理を食べていたんだろうなぁと思った。
「シャーロット。ここの料理はなんでも美味しいんだ。沢山食べていいぞ。」
「ありがとうございます。クリス様も沢山食べてくださいね。」
「もちろんそのつもりだ。」
私たちはメニューを開き食べたいものを沢山注文した。
注文した料理が届くと幸せそうな顔をしているクリス様。それを見て思わず笑ってしまった私。
「どうした?何かおかしなことでもあったか…?」
「いえ、違うんです…!料理が届いてからクリス様がすごく幸せそうな顔をしていたのでかわいらしくて思わず…!」
そう言うとクリス様は、
「…幸せに決まってるだろ…こんなにも美味しそうな料理が沢山並んでるんだ。それに、今日は一人じゃなくシャーロットと一緒に食べれるから余計にな。」
「ふふっ。私も幸せです…!」
そして、私たちは食事を始めた。
もちろん、私たちについて来た護衛の騎士たち、そして馬車の御者の方も私たちの近くで各々食事をしていた。
「クリス様、どの料理も美味しいですね!」
「そうだろ?どの料理の味付けも魚の味を引き立ててくれてすごく美味しいんだ。」
「ん〜!このホタテとほうれん草のグラタンも美味しい!!」
そう言うと、なぜか口を開けてこちらを待つクリス様?
「???……あ!」
最初は分からなかったけど、気づいた。
「あーん。」
クリス様の口に運ぶとしっかりと味わっている。
「美味いな。」
「食べたことなかったのですか?」
そう聞くと、
「いや?食べたことはあるぞ。」
「ならどうして口を開けて待ってたんですか…!!」
聞いてみたら、クリス様は、
「あははっ!すまないな。どういう反応をするのか気になってな!でも、素直にやってくれるとは…普通に食べるよりも、シャーロットに食べさせてもらった方が美味かったぞ!」
「…もう.クリス様ったら…ふふっ!」
一つ一つ料理を食べていく。
すると、一人のシェフがこちらへやって来た。
「クリス第一王子殿下。料理はいかがでしょうか…?」
「今日も美味しいぞ。」
「ありがとうございます。ところで、こちらの女性は?」
「シャーロットと申します。」
「シャーロット様。料理のお味はいかがでしたか?」
「とても美味しいです。一品一品の海鮮の味がそれぞれ引き立っていて、すごく美味しいです…!こんなに美味しい魚料理を食べれて私は幸せです!」
「そう言っていただけると嬉しい限りです。」
私のことを知ってるんだろう。
私に対して少し嫌悪を見せるような目をしていた。
だけど、料理の感想を素直に言うと、私を見る目が一瞬で変わった。そんなシェフは私たちに少しお待ち下さいと言って厨房へ戻った。
10分ほど経った頃、シェフが戻ってきた。
「お待たせいたしました。こちら新作の鯛を使ったレモン風味の白ワイン蒸しです。」
「わぁ〜!!美味しそう…」
「本当に美味そうだ。」
目の前に置かれる鯛のレモン風味の白ワイン蒸し。
香りからスパイスと微かなレモンの香りがする。
一口食べると口の中に広がる鯛の味とレモンの香り。
レモンは程よく香って鯛の味を引き立ててる。
「すごく美味しいです!鯛とレモンの相性が抜群ですね!」
「…!ありがとうございます…!!」
「そうだな。レモンの味があとから香ってくるのがいい。レモンの味もするが、全く鯛の味を邪魔していないのが最高だ。」
「ありがとうございます…!!」
「これは店で出すのか?」
「はい…!少々、値段は上がりますが、出す予定です!」
「楽しみにしてるぞ。」
「はい!」
シェフの方が厨房の方は戻ると私たちはまた食べ始めた。こんなにも美味しい魚料理を食べれて本当に幸せ…また食べに来たい…
私たちは料理を全て食べ終わり、会計を済ませて外へ出た。
「クリス様、またここに来て、二人で一緒に魚料理食べましょ!」
「ああ、そうだな!」
そうして私たちは馬車に乗った。
夕方まで二人の時間を過ごし、アーシェント家は帰る。寝るときも、今日のことを沢山話した。
そしてその後の話は、明日のことについてだった。
「いよいよ、明日。トルデイン家へ行く日だな。」
「そうですね…今頃、お父様たちはどうしているんでしょうか…」
「気になるか?」
「いえ、そうではなく、もし、私が屋敷を出ていることに気づけば、あの骨の存在を私が外部に漏らす可能性もあると考え場所を移して隠し、私たちが問い詰めて部屋に行ってもその骨が無い可能性もあるのではないかと思って…そうなれば、お父様たちは必ず何かを言いだすでしょうし…」
「…確かにその可能性もあるな…だが、大丈夫だ。」
「どうしてですか…?」
「今日の朝、お父様に頼んでアーサーとレインを連れていくことにした。」
「アーサー様とレイン様を?」
「ああ。あの骨の人物は二人の家族だ。二人に引き取ってもらうのが幸せなことだろうからな。」
「確かにそうですね。」
「それに、骨があの家になかったところで、アーサー達の魔法で何とかなる。もし、それでも見つからなかったとしても、シャーロットを監禁して身が危険だったんだ。どちらにしても罪は重い。もちろん、ランシェル公爵だけでなく、妻であるスワン、娘のリーシェもただじゃ済まない。シャーロット。君は優しいが、明日はその優しさを出してはいけない。分かったか?」
優しくそう言ってくれるクリス様。
「分かりました。クリス様、明日はよろしくお願いします…」
「ああ。どうする?ソフィアやリューストも連れていくか?」
「…連れていきます。あの二人も私の大事な人たちなので。それにあの二人も骨を見ているので。」
「分かった。」
「ありがとうございます。」
「シャーロット。今日はありがとう。」
「私の方こそ、素敵な場所に連れて行ってくださりありがとうございました。」
「おやすみ、シャーロット。」
「おやすみなさい、クリス様。」
そうして口づけをして眠りについた。
明日はいよいよトルデイン家に向かう。
お父様たち…あなたたちの罪を暴きますわ。
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