幸せ
──トン、トン、トン
扉を叩けば開く扉。中から出てきたのはラフな格好をしたクリス様だった。
「荷物を貸してくれ。俺が置くから。」
「ありがとうございます…」
部屋へ入るとアロマのいい香り。
そして、クリス様が私を手招きする。
私はクリス様の隣に座った。そして話をした。
「クリス様…私なんかで本当によろしかったのですか…?一生に一度の婚姻です。それなのに…」
そう言うとクリス様は、
「何度も言うが、地位なんて関係ない。俺はシャーロットを愛してる。シャーロット以外を愛するつもりはないよ。」
「クリス様…ありがとうございます…」
クリス様は私を抱きしめると、
「他に言いたいことがあるんじゃないのか?なんでも言ってくれ。」
そう言われて私は、さっきソフィアとリューストに伝えた話しをした。すると、クリス様は、
「公爵家の地位を剥奪することをお父様が布告したあと、街中の掲示板に張り出される。もちろん、トルデイン家の方には使者が向かって直接伝えられる。その時にそのメイドだけは連れてきてやる。」
「ほんとですか…?」
「ああ。必ずな。」
「ありがとうございます!ラスタ国王陛下にもお伝えしないと。」
「そうだな。伝えに行くか?」
「よろしいですか?」
「ああ。」
そして私はラスタ国王陛下に伝えた。
ラスタ国王陛下も快く受け入れてくださった。
「シャーロット。公爵家の地位剥奪を二日後に伝えるのだが、それを伝えるのをクリスとルーシェに頼もうと思っている。そして骨を持ち帰るために何人かの人間も連れて行ってもらう。そのメイドの顔は君が知ってるなら、君もクリスと一緒に行ってきなさい。そして見てきなさい。君を苦しめた人間たちが苦しむ姿を。本当は私も見たかったが、あいにく忙しくてな。もちろん、見つかった骨はみんなでちゃんと供養しよう。」
「はい…!ありがとうございます…!」
私は国王陛下の部屋を出て思った。
国王陛下は、私のことだけでなく、みんなのことを本当に大切に思ってくれてるのだと。
それにしても、苦しむ顔を見てきなさいって言われるとは思ってなかったなぁ…本当は連れて行ってほしいと頼もうとしてたけど、反対されると思ってたから言われたときは安心した。
クリス様の待つ部屋に行くと本を読んでいるクリス様の姿。
「やっと来たか…」
「お待たせいたしました。」
「ああ…」
クリス様は読んでいた本を閉じると、ベッドへ向かった。
「シャーロット。夜も遅いし、疲れただろう。寝よう。」
「あの…もしかして…一緒にですか…?」
「当たり前だろ?」
…やっぱり…無理無理無理…どうしよう…
戸惑っているとクリス様が、
「大丈夫だ。何もしないから…今はだけどな。」
「……はい…」
ベッドに近づくとどんどん鼓動が速くなる。
「…失礼します…」
ベッドに入るとクリス様は私を抱きしめてきた。
そして国王陛下と何を話していたのか聞かれた。
言われたことを正直に話すと、
「一緒に来て大丈夫か?辛くないか?」
心配そうに聞くクリス様。でも、
「大丈夫です。お父様たちがどうなるのか自分の目でしっかり確かめたいので。」
「シャーロットは本当に強いな。」
そうやって微笑む。
その顔は本当にダメだから…
私はクリス様の胸元に顔を寄せ顔を隠した。
笑いながら照れてるのもかわいいと言われたけど、聞いてないふりをした。
「シャーロット。明日は俺とデートをしよう。」
「デートですか?」
「ああ。俺の好きな場所がある。そこに二人で行こう。」
「はい…!楽しみです!」
「じゃあ、寝ようか。」
「はい。あ、その前に!この腕痺れるし、疲れると思うのでどかしてください!」
私の頭の下にある腕。
完全に腕枕をされてるけど、腕が痺れたり、疲れたりするから今すぐやめたほうがいい。なのに、
「これぐらい大丈夫だ。心配するな。それに俺がしたいんだ。だって、こうしていれば、シャーロットの寝顔も見れるし、ずっと近くにいれるからな。」
「…知りませんからね…?」
「大丈夫だ。本当に寝るぞ…」
「はい。痺れたりしてきたらすぐさまどかしてくださいね!クリス様、また明日です…おやすみなさい…」
「分かったよ…シャーロット、また明日な…おやすみ…」
今日、また新たに運命が変わりだした。
私の運命がバッドエンドになるのかどうかはまだまだ分からない。だけど、今の私は、シャーロットとしても私自身としてもクリス様を愛してる。例え運命のために近づいたとしても今は心から愛してる。
このままみんなと幸せでいたい。
だから、バッドエンド、回避出来たらいいなぁ…
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