計画は…?
馬車で待っていると屋敷の扉が開いた。
そして出てきたのは、クリス様たちだった。
クリス様、アーサー様、レイン様は軽く会釈するぐらいでお父様たちは深く挨拶してる。ここから見るお父様たちのその姿はどこか清々するような姿だった。
そして馬車に近づいてくるクリス様たち。
アーサー様とレイン様はもう一つの馬車へ、そして、クリス様はこちらの馬車へ来た。
クリス様は扉を開けた瞬間、目を見開いたけど、すぐ立ち去らなければいけないと悟ったのかすぐさま馬車へ乗り込んだ。
馬車の扉が閉まり進んで行く。
門を出て、屋敷が見えるまでの間、お父様たちはこちらへ頭を下げて挨拶してるのが見えた。そして屋敷が見えなくなり、無事に抜け出せたのだと安心していると、
「…!?」
…ちょっ…嘘…手…手握られてるんですけど…
動揺してるのが分かったのか吹き出したクリス様。
「…どうしたのですか…?」
「会いたかった。」
…手を握って言わなくても良いのに…
「私も会いたかったです…」
そう言うと優しく微笑むクリス様。
するとリューストが突然馬車を止めさせた。
「リュースト…どうしたの?」
「お二人でお話ししていてください。私たちは後ろの馬車に乗ります。」
「でも!」
「大丈夫です。まだバレていません。なので、お二人でゆっくりお話しください。私たちはいつでも、お話しできますし。」
「そうですよ、シャーロット様!私たちはこれから先もずっとシャーロット様の使用人なのですから!」
「ありがとう…」
そう言うと二人は馬車を降り、アーサー様とレイン様が乗っている馬車へ乗った。そして、乗ったのを確認すると、クリス様が合図を送り、もう一度馬車が動き始めた。
馬車の中では、沈黙。
隣にいるのは緊張するし、二人になったことで広くなったから向かい合うように席を移動しようとすると、また手を取って止められた。
「どうして離れようとするんだ…」
「それは…向かい合わせの方が表情も見れて話しやすいかと思いまして…」
すると、この前と同じようにクリス様は私の頬に手を添えてゆっくりと自分の方を向かせた。
「こうすれば見れるだろ?」
「…ですが、それでは腕が疲れませんか…?」
「鍛えてるから大丈夫だ。」
頬から感じるクリス様の温もり。
恥ずかしいと同時に心地よく感じる。
「シャーロット。」
「なんでしょうか?」
「無事で良かった…」
そう言って私はクリス様に抱きしめられる。
「…クリス様…」
何も言葉が出ない。そして今までに経験したことのないくらい高鳴る鼓動。クリス様は一度離れてまた私の頬に手を添える。
「叩かれたところは大丈夫か…?」
「知っていたのですか…?」
「ああ。リューストが教えてくれたよ。」
「そうでしたか…」
「大丈夫か…?」
心配そうな目で私を見つめるクリス様。
「大丈夫です…まだ少し腫れてる気がしますが、あまり気になりません。」
そう言うとクリス様は、
「今度は俺があいつらを殴ってやる。」
本気でやりそうな目をしてるクリス様に私は、
「ダメですよ?だって、そんなことをしたらクリス様はお父様と同じになってしまいます。そんなのダメですから…」
そう言うと微笑み冗談だと言ったクリス様。
本当にこの微笑みにはドキドキする…
「シャーロット。顔が赤いぞ…」
……バレてる…なんとか誤魔化そう…
「そんなことはありません…多分、暑いからですかね…」
まあらそんな嘘はバレるわけで…
「シャーロット。照れてるんだろ…?」
「……っ」
何も言えない…
そんな私の手をクリス様は自分の心臓に持っていく。
「分かるか…?」
「…分かりません…」
これは嘘じゃなくて本当に分からなかった。
するとクリス様の腕に引き寄せられて胸元に触れた耳。
「これで聞こえるか…?」
── ドクン、ドクン
確かに聞こえる… 彼の速い鼓動が…
「…聞こえます…」
「そうか…それだけ…」
クリス様が何かを言いかけた瞬間、アーシェント家に着いたみたい。タイミングが悪く少しイラッとしていたけど、私の方を見ると、何もなかったようにいつも通りのクリス様に戻った。
私たちは馬車を降り、屋敷の中へ入っていった。
そして、クリス様の部屋へと向かい、私は改めて感謝をした。
「みなさん。助けていただき本当にありがとうございました。お陰でこうしてまたみなさんと会えました。本当にありがとうございます。」
「頭を上げてよ〜。無事で本当に良かったよ。」
「安心しました…無事で良かったです…」
「シャーロット様。ご無事でなによりです。」
「…シャーロット様…会いたかったです……」
「ありがとうございます。ソフィアとリューストもありがとう。」
そう言って私たちは再会を改めて喜んだ。
アーサー様とレイン様は明日、隣国へのお仕事があるらしく先に帰った。私はどうしよう…ソフィアとリューストに聞いてみる。
「ソフィア、リュースト。二人はこの期間どこにいたの?」
「街の宿です。」
「私もそこに行きたいのだけど、一部屋取れるかしら?無理ならソフィアの同部屋でも良いんだけど…それもソフィアが良ければだけど…」
私がそう聞いて、ソフィアが答えようとしたとき、クリス様が口を開いた。
「ここにいれば良い。」
「え?」
「事情は俺の方で話す。だからまず、今日一日はここで休め。客室ならいくつかはあるからな。」
「よろしいのですか…?」
「ああ。聞きたい話もあるし、明日、シャーロットにはしっかりと説明してもらいたいからな。」
「ありがとうございます…!」
「私たちもよろしいのですか…?」
「当たり前だ。ここにいろ。ちゃんと宿には出ることを伝えておくんだぞ。」
「「はい。ありがとうございます。」」
「シャーロット様、俺たちは宿の方へ行ってまいります。」
「分かったわ。」
そう言ってソフィアとリューストは部屋を出た。
そして部屋の中には私とクリス様の二人だけ。
するとクリス様は、一度お父様とお母様、ルーシェに伝えてくるから少し待っててくれと言って私をソファーに座らせて部屋を出ていった。
広い部屋だなぁ…
やっぱりアーシェント家はすごいなぁ…
そこから10分ほど経つとクリス様が帰ってきた。
「許可は得た。お父様もお母様もルーシェも心配していた。明日、聞かせてほしいそうだ。大丈夫か…?」
「はい。大丈夫です。クリス様、ありがとうございます。」
そう言って私が微笑むとクリス様も優しく微笑んでくれた。お互いに多分顔が赤くなってるんだろうなぁ…私から見えるクリス様の頬は少し赤くなっている。私は自分自身では見えないけど、熱くなってるのは分かる。そしてクリス様はソファーに座っている私の隣に座り、手を握って話し始めた。
「シャーロット。聞きたいことがある。」
「なんでしょうか…?」
何を聞かれるんだろう…今度こそ運命を変えるために近づいたことがバレた…?
でも、そんな疑問とは裏腹にクリス様が聞いてきたのはこれからの運命がまた進みだしていくそんな話だった。
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