最終確認
計画開始まであと30分。
俺たちは今日の計画の最終確認をした。
「では、この後の流れの最終確認をしましょう。」
「ああ。」
「まず、この後、馬車に乗ってトルデイン家へ向かいます。一台目の馬車にはクリス第一王子殿下、私、ソフィアが乗ります。そして二台目の馬車にアーサー様、レイン様に乗っていただきます。」
「ねえ、俺たちが二台目の方が良い理由はあるの?」
「最初は、一台目の方にはクリス第一王子殿下、アーサー様、レイン様に乗っていただいて、私とソフィアは二台目に乗る予定でした。ですが、それで行くと、私たちは馬車から降りることは出来ません。一台目だけ人が降りてきて、二台目は誰も出てこない。それはすごく不自然だと思います。それに、私たちの顔は屋敷の全員が知っております。そんな私たちが二台目から出てきたとなれば計画は失敗になるでしょう。ですので、よく考えた結果、アーサー様とレイン様には二台目の方に乗っていただこうと…」
「そういうことか。分かったよ。」
「ありがとうございます。」
「そして、屋敷へ着いたらまずは、二台目にいるアーサー様、レイン様から馬車を降りてください。そしてお二人が一台目の馬車まで来られたらクリス第一王子殿下は馬車から降りてください。」
「分かった。だが、その間、二人はどうするのだ?」
「私たちは馬車に残ります。馬車は屋敷内で止めておく場所もあるのでそこまで馬車に乗ったままです。そして、馬車が止められたらすぐさま馬車を降りて屋敷の様子を伺います。ありがたいことに馬車の御者の方も協力してくださるそうなので、上手くやります。」
「なるほど…それなら、怪しまれないね…」
「クリス第一王子殿下とアーサー様、レイン様は屋敷へ入り旦那様たちと一時間ほどお話をなさってください。そして、もし長引かされそうなら、何か用があることを伝えてください。」
「分かった。」
「クリス第一王子殿下たちが屋敷へ入ったことを確認したら、ソフィアは昨日、教えていただいた映写魔法を使ってくれ。それを使って屋敷の中の様子を確認する。そして、隙ができたら、屋敷の扉から入る。もちろんその間も映写魔法で見ながらやって、屋敷へ入ったら一度魔法を解いてくれ。そして、隠し部屋のある部屋に入って、もう一度映写魔法を使ってくれ。その後、隠し扉を開けるボタンを押す。階段は暗いから、この前、シャーロット様に教えていらした星煌魔法を使って階段を降りていく。」
「できるの…?」
「はい。昨日の夜に練習しました。」
「すごいね…」
「ありがとうございます。」
必ず真っ暗な階段が問題になるはずだから、何かないか考えたときに、シャーロットが教えてもらった星煌魔法を思い出した。ソフィアも一度やっただけで使えてたから頼もうと思ったけど、ソフィアには映写魔法を使ってもらわないといけないから出来ない。だから、俺が練習した。最初は中々明るくはなかったが何度もやっていくと明るい光になった。これで問題は解決できた。
「階段を降りたら、目の前に鍵のかかった扉が出てくる。そしたら昨日、教えていただいた鍵喰の魔法を使って鍵を溶かす。そして扉を開け、まずはシャーロット様の無事を確認する。シャーロット様の無事を確認したら、シャーロット様を連れて隠し部屋から出る。屋敷の外へ出るために、ソフィアはもう一度映写魔法を使ってくれ。そして、隙を見て脱出する。」
「リューストさん、これを一時間以内にですよね?」
「ああ。そうだ。ただ俺たち二人は物音を立てないように気をつけよう。」
「分かりました。」
「では、流れはお分かりいただけましたでしょうか?」
「ああ、分かった。」
「分かったよ〜。」
「うん…分かった…」
「はい!分かりました!」
「それなら、行きましょうか… トルデイン家へ。」
そう言って俺たちはアーシェント家の屋敷を出た。
正直、この計画が成功するかしないかは分からない。
だけど、必ずシャーロットを連れ出す。
全員がそう思ってるからこそ、この計画が失敗することなんて考えていない。
もうすぐ、連れ出すからな。シャーロット。
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