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リーシェのメイド

窓がないせいで今が朝なのか夜なのかも分からない。

もちろん時間も。一体、ここに入れられて何時間経ったんだろう…外に出たい…こんな風になるぐらいならいっそのこと遠い国へ行きたい…そんなとき、


──トン、トン、トン


扉をノックする音。

一体誰なんだろう。


すると、誰かが扉から入ってくる。


「朝食をお待ちしました。」


持って来てくれたのは私の好きなサンドイッチ。

でも、ソフィアが作ってるわけじゃないから…

それに、


「あなたは確か、リーシェのメイドの…」


「スフィアと申します。安心してください。毒などは入っておりません。」


「…ありがとう。」


正直、怪しいと思うのは仕方ない。

だって、リーシェのメイドだから。

でも、私もお腹が空いてるから。


私が食べ始めるとリーシェのメイド、スフィアが話しだした。


「シャーロット様。私がここに来たのは秘密にしてください。旦那様たちはシャーロット様に食事をお渡しすることをずっと拒否しておりました。ですが、それはあまりにも酷いこと。ですから、隠れて作ってきました。よく、シャーロット様がソフィアの作ったサンドイッチを食べていらしたので作ったのですが、いかがですか…?」


驚いた。リーシェの使用人の中にこんなにも優しい人がいるなんて。でも、まだ完全に信用できるわけじゃない。リーシェが私から何かを聞き出すために送り込んできた可能性もある。だけど、


「このサンドイッチ、すごく美味しいわ…ありがとう…」


「いえ…良かったです…正直、初めてなんです。料理を褒められたのは…たかがサンドイッチですけど…いつも、料理を作ってリーシェ様にお出しすると必ず怒られ、不味いと言われるので…」


相変わらず、リーシェは酷い。

せっかく作ってくれたのに不味いなど…

人をなんだと思ってるんだろう…

これを思うのも何回目だろう…


「私は美味しいと思うわ…サンドイッチでも美味しいと感じるのはあなたの料理の腕がいい証拠よ。大丈夫。例え、リーシェが認めなくても、私は認めるから。」


そう言うと涙を浮かべるスフィア。


「ありがとうございます…ありがとうございます…!」


「良いのよ。こちらこそありがとう。美味しいサンドイッチを持ってきてくれて。」


「はい。またお昼頃、隙を見計らってお食事をお持ちしますね。」


「ありがとう。」


そう言って食べ終わって空になったお皿を下げて、

一応鍵は掛けておきますと言って鍵を閉めていった。



もちろん、スフィアは昼食を持ってきてくれた。

幸い人が居なくて簡単に持ってこれたそう。

スフィアの料理はやっぱりものすごく美味しかった。

料理の腕がいいのは間違いなかった。

そして、お皿が空になれば、スフィアはお皿を下げにいった。


扉の鍵を閉める前にこう言われた。


「今日の夜はクリス第一王子殿下が来られるそうなので、夕食は持ってこれないかもしれません。お許しください。」


「大丈夫よ。こんなに沢山食べたから夜は食べなくて済むわ。気にしないで。」


「はい…ありがとうございます。」


そして扉の鍵がしまった。


今日、クリス様が来るんだ…

何も考えたくない…

やっぱり、運命は変えられないんだ…



──私の運命はやっぱりバッドエンド不回避なんだ。

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