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利用

アーサー様の話に私たちは驚きを隠せなかった。

そして、私は知らないうちに涙を流していた。

どうしてこんなにも酷いことができるのか。

どうしてこんなにも人を傷つけるのか。

どうして人を殺しておきながら笑っていられるのか。

私には、いや、ここにいる全員が理解出来なかった。


「もう分かったでしょ。俺たちがシャーロットに協力しているのは、俺たちの復讐のためなんだ…復讐のために君を利用してるんだ。ごめんね。」


そう正直に話し頭を下げるアーサー様。

そんなアーサー様と同じようにごめんねと言い頭を下げるレイン様。そんな二人に私は頭を上げてくださいと言った。


「気にしないでください!それに、私は薄々気づいていました…初めてお話をしたとき、お父様たちを恨んでると言っていたにも関わらず、私に協力を持ちかけてきたということはお二人が私を利用するつもりだと薄々分かっていました。でも、それでも良かったんです。私も知りたいことはありましたし、協力することは嫌ではありませんでした。それが例え利用されていたとしてもです。それに、お二人は優しいじゃないですか!」


「優しい…?」


「そうです。だって、私たちに魔法を教えてくれてますもの。私が全く関わっていなくてもお二人にとっては恨んでいるトルデイン家の娘です。そんな私やこの家の使用人であるソフィアとリューストに魔法を教えてくれている。これは、お二人が優しい何よりの証拠です。」


「……っ」


「アーサー様、レイン様。私にはあなた方お二人の力が必要です。私たちに力を貸してくれませんか?もちろん、私もお二人に力を貸します。」


「…いいの?俺たちは君の家族を恨んで復讐を考えてるんだ。君にとっては辛いはずだよ。」


「覚悟の上です。それに、私は真実を知りたいんです。それが例え家族であっても大罪を見逃すことは出来ません。」


私は、真実を知りたい。ただそれだけ。


「ありがとう…シャーロット…」


静かにそう言うレイン様。

それに続いて話しだしたアーサー様。


「俺たちは最初、君のことを勘違いしていたんだ。この国の人たちから悪女と呼ばれ嫌われている君は、きっと心のない冷たい人間で、自分勝手な人間なんだろうって。でも、お父様が君のことを悪女に仕立て上げたと聞いて今まで持っていた君の印象を疑ったんだ。だけど、君に会って分かったよ。君は悪女なんかじゃない。自分に正直で、真っ直ぐで、優しい心を持っている。本当の君を知れて良かったよ。ありがとう、シャーロット。」


私は運命を変えるために動きだしただけ。

これは、その過程の一つにしかすぎない。

私が力になれるのならいつだって力を貸す。

例え、力を貸すことによって運命を変えるのが遠回りになったとしても後悔はしない。だって、一人でも多くの人たちの身も心も救えるかもしれないから。


「では、アーサー様、レイン様。これからもよろしくお願いします!」


お二人とも笑って私たちに協力と魔法を教えることを改めて約束してくれた。そして、お二人が帰るとき、アーサー様に言われた。


「シャーロット。俺が君のことを知ったのはまだほんの一部にしかすぎないでしょ。だから…」


そう言って私を引き寄せると耳元で、


「君のすべてを知りたい…」


そう言って私から離れるアーサー様。

離れたときに見えたアーサー様の表情はどこか意地悪で、だけど、耳は真っ赤だった。


それに続くようにレイン様も私に、


「俺にも教えてね…君の全部を…俺も知りたいから…」


そう言うレイン様は頬を少し赤くしていた。


そしてアーサー様とレイン様は帰っていった。

私はというと、


「ちょっ、シャーロット様!?」


「おいおい…大丈夫かよ…」


一気に力が抜けたところをソフィアとリューストに支えられていた。知りたいって言われるなんて…

そう言われたのはクリス様以来だった…


(これから一体、どうなっちゃうの〜!!!)

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