屋敷への案内
翌日、私たちはアーサー様たちに見つけたものを報告するために、早朝からいつもの森奥へ向かった。
森奥を抜ければ相変わらず剣術をしているアーサー様とレイン様。二人は私たちに気づきこっちに来た。
「今日はどうかしたのかな?」
「屋敷を調べると大変なものを見つけたので、よろしければ、うちの屋敷へいらしてください。」
「…今からですか…?」
「はい。なぜなら、今日の夜にお父様たちが隣国から帰ってくるのです。チャンスは今しかありませんし、ご本人が知りたいことを確認するのもよろしいんではないですか?」
「ハハっ。そうだね〜。なら、案内してくれる?君の屋敷へ。」
「分かりました。」
馬車に乗り、私たちは屋敷へ向かう。
その馬車の中では、隠し部屋で見つかったもの以外の話をした。
「その見つかった手帳、あとで見せてくれない?」
「もちろんです。あの…お聞きしたいことがあるのですがよろしいですか?」
「いいよ〜。何が聞きたいの?」
「ありがとうございます。手帳は三冊ほどあるのですが、全て見ても記憶できるわけではありません。お二人はそれを記憶したりする魔法をお持ちですか…?」
二人が魔法をどれだけ持っているかは分からない。
でも、瞬時に記憶できる魔法があるなら知りたい。
そうすればいつでも思い出せる。
するとレイン様が、
「頭脳を使う魔法は僕が持ってるよ…アーサーは戦闘系の魔法を持ってる。だから頭脳系なら任せてほしい…ところで、さっき言っていた瞬時に記憶できる魔法だけど、持ってるよ…瞬間記憶魔法って言うんだけど、君も使いたい…?」
「使いたいです。教えてください!」
少し驚いたような顔をするレイン様。
「どうかしましたか…?」
「いや…ちょっとびっくりして…」
「あ…すみません…」
教えてもらえるかもしれないと言う期待に声が大きくなってしまって驚かせてしまった…どうしよう…教えてくれなかったら…そう考えていると、レイン様は
「いいよ…教えてあげる…心配しないで。他の魔法もちゃんと教えてあげるから…」
そう言ってくれたレイン様に安心した。
「ありがとうございます…!」
「それと、君たち二人にも一緒に学んでもらうよ…」
「え…?」
お互い顔を見合わせて驚いた表情をしているソフィアとリュースト。
「当たり前のことでしょ…君たちのご主人様に全てをさせるつもり…?それなら君たちは何でここにいるの…
頭脳は疲れるんだよ…だから今日ちゃんと学んでね…」
レイン様にそう言われて少しショックを受けているソフィアとリュースト。それを見たアーサー様は庇うように、
「レイン…お前は本当に言い方に気をつけなさいよ〜。冷たいぞ…二人ともごめんね…」
ソフィアとリューストは大丈夫と言っていたけど、内心はまだショックなのかも。
アーサー様に言われたレイン様はソフィアとリューストに傷つけたならすみませんと謝り、二人はまたおどおどして大丈夫だと言っていた。
「ソフィア、リュースト、私と一緒に学びましょう。これからのために。」
そう言えば二人は決意を固めたような表情をしていた。
アーサー様も笑顔で私たちを見ていたけど、私に、
「シャーロット、君は僕の持つ魔法も学んでもらうよ。もちろん二人も学んでもらわないとだけど、シャーロットが学ぶのは戦闘魔法だからね。そして、二人が俺に学ぶのは防御魔法だよ。」
「防御魔法なら私も学ぶべきではないですか…?」
そう聞くと、アーサー様は
「見たところ、君はもう既に防御魔法を持っているだろう…?でも、君が持っている防御魔法は、僕が持っているものとは違って全ての攻撃において防御が可能ないわゆる最強の防御魔法だからね。」
最強の防御魔法…
「では、アーサー様のまた防御魔法は…?」
「俺が持っているのは二つ。魔法を防御するものと普通の攻撃から身を守るものだよ。普通の攻撃から身を守る防御魔法を使える人は多いけど、魔法を防御するための防御魔法を持ってる人は数少ないんだ。だから、この先、魔法を使って攻撃してくるような人がいれば君の防御魔法じゃない限り、魔法の防御魔法じゃないと通用しないから、必ず覚えていた方がいいんだよ。だから、この二人には覚えてもらうよ。」
リューストはやる気に満ちたように真剣に話を聞いていた。ただ、覚えるのが多いからなのかそれとも自分にできるのか自信がないからなのか話を聞きながらすごく不安そうな顔をしていたソフィアに気づいたアーサー様は、
「ソフィアだっけ?そんなに不安にならなくて大丈夫だよ。誰でも最初から出来る人なんていないんだから。ゆっくりでいいんだよ。」
そう言われて安心したのか少しほっとしていた。
馬車の中で話しているうちに、いつのまにか屋敷に着いた。
「ここだね。」
「はい、そうです。」
「じゃあ、行こうか。」
私たちは屋敷の中へ入った。
私からすれば自分の家なのに、なぜか緊張してしまう。二人の魔法なら他にも私たちが見つけられなかった何かを見つかるかもと思うと、怖くなった。
これ以上、私の知らないことを知ってしまうことがね。




