クリス第一王子とシャーロットのお茶会
翌日、支度をして馬車に乗り、アーシェント家へ向かった。アーシェント家に向かうのは二回目だけど緊張する…それを悟ったのかリューストは、
「シャーロット様、何を緊張してるのです?そんなの必要ありません。あなたはただ堂々としていればいいのですよ。」
そう言った。
「そんなこと分かってるわよ…」
だけど、緊張しないわけないじゃない!!
だって、ゲーム内にこんなストーリーなかったんだから…お茶をする?あり得ないわ…確かに聖女とお茶はしてたけど、シャーロットとお茶をするって…
ちょっと…変わりすぎじゃない?
逆にここまで頻繁に変わると今後が心配なんだけど…
もしかして!私、早死にしちゃったりして…
クリスに関係なく死ぬ可能性あり!?
そんなの無理……はあ…でも、何とかなるわ…
アーシェント家に到着して私は馬車から降りた。
するとなぜか門の前にはクリス第一王子が。
「クリス第一王子殿下。本日はお誘いいただきありがとうございます。」
そう言うとクリス第一王子は
「そんなに堅苦しくしないでくれ。とりあえず、中へ。」
クリス様の後ろについて歩くと目の前に沢山の花が咲く素敵な庭があった。
「すごく綺麗…」
私がそう言うとクリス様は、
「喜んでもらえて良かったよ。だけど、シャーロットの方がずっと綺麗だ。」
こちらを向き優しく微笑みながらそう言うその姿は氷の王子と呼ばれるには相応しくない表情だった。
それに、そんなこと言われるとどうしていいか分からない…でも、頬が赤くなっていることが自分でも分かる。
そしてクリス様は私に、さあ行こうと言い庭の中に置かれたテーブルに行き、そして椅子に腰掛けた。
そのテーブルには美味しそうなケーキと種類豊富なクッキーが置かれていた。そして、クリス様の執事が紅茶を淹れてくれた。
(紅茶…いい匂い…)
こうしてお茶会が始まった。
もちろん、ソフィアとリューストも私の後ろにいる。
クリス様は紅茶を飲みながら私に話しかけてきた。
「シャーロット、君はいつから楽器を始めたんだ…?」
「私が10歳の頃から始めました。」
「10歳の頃からか…だからあれだけ上手いんだな。納得だ…」
「ありがとうございます。」
演奏のことを褒められるのは嬉しい…
「シャーロット、君と初めて会ったのはセリフィアガーデンだったが、よくあそこにいるのか?」
ここで嘘も言えないけど、本当の目的も言えないから…
「いえ、たまたま行ってみたいと思いセリフィアガーデンに行きました。」
「そうなんだね。あそこはいい場所だろ…あそこにいると落ち着くんだ。あそこで風に当たると心地よくて安心するんだ。」
「分かります。あそこの場所で初めて風に当たったとき、私も心地よくて…それに気が休まるんです…嫌なことも全部忘れられるんです…」
それを優しい目をして聞いているクリス第一王子。
そんなクリス様は私に
「シャーロット、君は俺が思っていた以上に素敵だ…君とこうやってお茶を共にできるなんて幸せだよ…」
「そう言っていただきありがとうございます…」
淡々とそう話すクリス様に驚くのと、本当にどんな顔をして聞けばいいのか分からないぐらい恥ずかしい…
それが分かったのかクリス様は、
「シャーロット、顔が赤いよ。まるで、このケーキの上に乗っているイチゴみたいだ。すぐ照れる姿がかわいいな…」
…え?
「…今…なんて…?」
「かわいいと言ったんだ。何度も言わせないでくれ…こんなこと言うのは初めてだ… ⁄ ⁄ ⁄」
ねえ、これって本当に氷の王子…?
偽物じゃなくて…?
これじゃ、普通の王子様じゃない…!
「ありがとうございます…」
どうしよう…会話が続けられない…
それでもクリス様は、
「シャーロット、また今度、お茶をしないか?もう少しお茶をしたいがこの後、用があって…もっと、君と長く話す日をまた作りたい。ダメか…?」
運命を変えるにはここを乗り越えて攻略しないとね。
「もちろんです。私も、クリス第一王子殿下とお話したいです。」
そう言うとまた優しく微笑み、
「約束だ。」
そう言って小指と小指を絡ませ約束をした。
その後、私はアーシェント家の屋敷を出て馬車に乗り、自分の屋敷へ帰った。
その馬車の中で私はずっとクリス様の笑みを思い浮かべていた。初めて見るあの微笑み。改めて思い出すと胸が高鳴った…この感じ…もしかして恋に落ちてしまったの…?でも、そんなはずない。いや、あったとしてもまだ早いよね…?もう少し様子を見ないとね。
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