表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/104

アーシェント家と夕食

夕食の席で私はクリス第一王子の隣に座ることになった。


机の上に並べられた沢山のご馳走。

どれも美味しそう……


食事が始まるとセリーヌ王妃があることを言い始めた。


「私、驚いたわ…シャーロットさん、あなたの噂はよく聞いていたわ…性格が悪く、とてつもない悪女だってね…そんな子がこんなにも素敵な音を奏でるなんて…感動したわ。」


やっぱり、悪女という噂は切っても切れないもの。

なんでも正直に言う性格がこの悪女と言われる原因。

でも、正直でいることを辞めるつもりはない。


「ありがとうございます。そう言っていただけて光栄です。」


私に対する悪女という噂をそこにいる全員が信じなくなった日だと思う。クリス様も私に


「初めて君の演奏を聴いたとき、君がみんなに言われてる悪女とは思えなかった。でも、今日で確信したよ。君はみんなが言う悪女なんかじゃないってね。」


嬉しかった…人から悪女なんて言われ、自分の正直なところを憎んだ。だけど、これは決して悪いことなんかじゃない。そう気付かされた気がした。


ルーシェ第二王子も


「本当に、君の演奏は素敵だったよ。みんな君の何を見て悪女だって言い出したんだろうね〜」


確実に私の正直な性格、あとは、リーシェの存在で私を散々悪女と言ったお父様とお母様のせいだろう。それと、リーシェね。


「私には分かりません…ただ、私の性格に問題があるのでしょう…」


そう言うとラスタ国王陛下は「と言うと?」私に問いかけるように言った。


「私は、正直に言ってしまうんです。嫌なことは嫌。間違っていることは間違っていると。ただ、それが原因でそう言われるようになったのかもしれません…」


正直、ここでリーシェや両親のことを話しても何にもならない。だから言わなかった。


するとラスタ国王陛下は


「正直なことはいいことだ。嫌なことは嫌だと言うべきだよ。例えそれが嫌われる原因だとしても曲げる必要はない。自分の考えや気持ちは大切にしないといけないぞ。」


そう言うラスタ国王の言葉に深く感謝した。

この言葉は私にとってすごく価値のある言葉だと思う。悪女と言われたからといって自分の信念は曲げるなということ。私は私らしく…演奏前にもソフィアとリューストに言われたなぁ…私らしく演奏すればいいって……まさにその通りだね…


その後も色々質問されたり、また演奏を聴かせてほしいと言われた。もちろん断るつもりはない。ぜひと言った。


夕食がお開きになり、帰りの支度をしていると、セリーヌ王妃から夜も遅いし泊まっていけばどうと言われた。ありがたいけど、さすがにそういう訳にはいかない。私がアーシェント家に泊まったとしてそれがバレたら、リーシェたちがうるさいだろう…だから、今回はお断りした。


帰るとき、また待っているという言葉をかけられ、次また演奏するときは今日以上にもっと良い音を演奏しますと伝え、馬車に乗り帰った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ