一時の休憩と魔法…?
練習をしていると部屋にやって来たソフィアとリュースト。
「シャーロット!少し休憩にしてお昼にしましょうよ!」
「シャーロット、サンドイッチと紅茶を持ってきた。まずはこれを食べてくれ。」
二人はそう言って作ってきてくれたサンドイッチと温かい紅茶をくれた。
「サンドイッチも紅茶もすごく美味しいわ!ありがとう!」
そう言うと二人は笑ってくれた。
何度も思う。この二人が笑っているのを見ると心が暖かくなる。二人の存在はすごく大きい。
サンドイッチは沢山あったから三人で楽しくお話をしながら食べた。二人ともリーシェのことを調べてくれてるけど、あの報告以降はまだ何も掴めてないみたい…こっちも大変だけど、二人も大変なのね…
「ねえ、シャーロット!今日の本番、緊張してる…?」
「ええ、すごく緊張してるわ…でも、二人がいるから、二人が昨日助言してくれたおかげで随分とマシよ!」
「それなら良かった!」
緊張をしてないわけじゃない。
だけど、なぜか今までみたいに緊張や不安、失敗を考えたり、そんなのが全くないの…自身でもついたのかしら…
でも、思うの。
もし、私に魔法が使えたらって…
だって、魔法が使えたら、気を安らめる魔法や緊張をほぐしたりすることも可能でしょ?それに、魔法があれば、リーシェの調査が今みたいに苦労することは軽減されそうだし、私が変えようとしてる運命に対して魔法は必要になってくるんじゃないかって最近思う…
──でも、確かゲーム内でのシャーロットは魔法を使えていたわ…
魔法…でも、この世界に来て何日か経ったけど誰かが魔法を使ってる姿は見ていないわ…ゲームの時は……
そういえば、ゲーム内で魔法を使っていたのは、シャーロット、氷の王子クリス、ヒューデル公爵家の長男、次男、三男、そして、リーシェだった…
……でも、思い出せない…全員がどのタイミングで魔法を使っていたかなんて…
魔法の呪文は、確か…ってそんなことよりも、今は目の前のことに集中しないと。魔法を思い出すのは後にしてもう一度、練習を再開しよう。
ソフィアとリューストは私に頑張ってと声をかけ部屋を出た。
よし、頑張るぞ!!
──クリス第一王子との予定まで残り約3時間20分。
慌てず、丁寧に練習していこう。