結婚生活
「クリス様!起きてください!」
「ん…もう少しだけ…」
「…もう…」
クリス様はこっちの世界に来てから朝がすごく弱くなった。それは仕方ないことなんだけどね…なぜなら、二日に一回はシュタルツィア王国に帰って公務をしている。私もたまについて行ってセリーヌ王妃様とお茶をしたりしている。
「クリス様〜。もうすぐ時間ですよ!」
「…おはよう…ゆき…」
「おはようございます!さあ、早く起きて朝ごはんを食べて公務へ行かないとですよ!」
「ん…ゆき。」
「はい…!なんですか?」
──チュ
「!!!」
「あははっ!今日も頑張れそうだよ…」
「…それなら…良かったです…」
クリス様の朝はいつもこんな感じ…
まだ私が向こうの世界で暮らし、初めて結ばれたときはこんな感じの朝を迎えるなんて想像もしてなかった。クリス様はとにかく朝動き出したり、公務に行く前には必ず私にキスをする。毎日は多いから少なめにしてほしいと伝えたらクリス様には、
「それは無理だよ。毎日ゆきに触れないと公務に集中出来ない。それに、これだけじゃ足りないくらいだ。」
って言われた。まあ、公務に支障が出てはいけないからもう言わないことにしたけど…毎日は心臓が持たない…いくら結婚したとはいえ、慣れないものは慣れないもの。だって、あんなに綺麗な顔が私に近づいてくるんだよ…!信じられないぐらい綺麗な顔に吸い込まれるようなあの目。直視することすらまだまだ緊張するのに…
夜は夜で、クリス様はずっと私に引っ付いて抱きしめたりキスしたり、もちろんそれ以上のことも…クリス様はなんというか、すごく甘い。いや、甘すぎる。
でも、公務が忙しいみたいだし、疲れてるからこそ癒しがほしいんだろう。私なんかで癒しになっているのかは分からないけど…
「ゆき。行ってくるよ。」
「はい。行ってらっしゃいませ。」
「今日はすぐに帰れそうだ。」
「分かりました。待っています。」
「じゃあ、行ってくる。」
「はい。」
──チュ
公務へ向かうクリス様の姿はいつ見てもかっこいい。
その姿を見れば私も今日一日頑張ろうと思える。
クリス様が私を癒しだと思うなら、私にとってクリス様も癒しなんだと思う。
この人の隣にいれる毎日がすごく幸せなんだ。
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