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プロローグ 2

 死にたいなって思い出がたくさん集まって、一つ一つは思うだけだったのが行動に移せるまでに集まった。

 生きてる理由がわからなくて、それでも生きてればいつか理由が見つかるって生きてきた。ただ生きてきただけの人生だった。

 息をしているだけみたいな人生だったけれど、それでもただ生きてた。それでも生きてた。でも、生きてるのがついに耐えれなくなって自分の首に手をかけた。

 私なんかの力じゃ精一杯力を込めたって、息が苦しくて、ぼーっとなったって痕はろくに残らなかった。

 ふとした時に発作みたいに死にたくなって、何度も何度も首を自分で締めているうちにいつも締めているような感触を感じるようになった。

 それで、この息苦しさが死ぬ時の苦しみだっていうなら耐えれると思った。思ってしまった。

 遺書を書くと落ち着いて、死ぬのなんてやめようって思えるって遺書の書き方について調べた時に読んだから、この死にたくて仕方ない気持ちも無くなってくれないかと期待してみたけど無くなってなんてくれなかった。

 死ぬのは怖かった。

 生き残ってしまうのは、死にきれないのはもっと怖かった。

 部屋にあるものをたくさん捨てた。自分なりに綺麗に出来た部屋できちんと死ねますように願いながらクローゼットの取っ手に縄をかけた。そして、しっかりと縛れていることを確認して、生き残らないことを祈りながら輪に首を通して、体の力を抜いた。

 そうして首に縄が食い込んで、締められて、ドクドクと自分の中から聞こえてくる音がやけに大きく聞こえた。


ーーー生きる自由を厭うのならば、永遠の不自由こそが罰に相応しい。


 ぼんやりと霞む意識のなかで、滲む視界を閉じた私の耳に理解したくない音が届いた気がした。

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