表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強勇者、堕落して世界を救う  作者: 伍煉龍
第2章:サイトタウン編
9/70

【009】最悪の始まり

 サイトタウン。それは、俺が通っていた学園〈サイト学園〉がある大きな街だ。サイトタウンは独立した都市国家で、一つの街で一つの国だ。街にはギルド会館や、帰還ポータルなどがある大きな国だ。



  ―――時は少し遡って〈ワコガ・リュー〉が到着する少し前―――


 朝方、日が昇り始めたころ。


 ドカァーーーァン、ドカァーーーァン


 街の一角から爆発が起きた。すかさず別のところでも爆発が起きた。


「「「キャーー」」」


 町中に悲鳴が飛び交う。街の人たちも縦横無尽に走り回っている。突然のことと過ぎて街中の人たちが混乱している。

 しばらくすると、街にいた冒険者たちが避難誘導を始めた。


「ギルド会館は安全です。こちらからギルド会館のほうへ。今は臨時で開放しています。一般の方も入れますので急いでください」


 本来冒険者以外立ち入り禁止のギルド会館が避難場所になることは前例がない。

 ギルド会館は街の中央にあり、防火、耐震性が強く、魔法や物理攻撃でもそう簡単には壊れない。そのため、通常の避難場所の学園よりも安全かつ、収容人数が桁違いに多い。

 人々は冒険者の指示に従ってギルド会館に向かって走り出した。

 爆心地には冒険者がかなり集まっている。消火もしないといけないが、一般市民の被災者も可能な限り減らさなければならない。炎は留まることを知らず燃え広がっている。建物もかなり倒壊している。避難するのにも瓦礫に埋もれていたりして、身動きが取れない人たちを避難所に連れて行くためだ。


 本来冒険者の職務は市民を守ることだ。そのため、人間に被害を及ぼしかねない魔物を倒していたりするわけだ。災害時には周囲にいる冒険者が冒険班(パーティー)ではなく、簡易的にも班集(レイド)の様に動く。通常の班集(レイド)と違って、全く面識のない冒険班(パーティー)とも組まないといけない可能性があるということだ。


「クッソ、この調子だと避難が間に合わないぞ。応援はまだ来ないのか」


「今呼んでる。そんなこと考えてる暇があるならもっと早く動け」


 街と言ってもかなり広い。都市一つだとしてもかなり多きい。国家が形成されるほどの大きな国には今いる冒険者の数だけでは圧倒的に人員不足なのは確かだ。それに本来ギルド会館に行かない一般市民は途すらまともにわからない人もいる。そういう人たちも案内しないといけない。


 ドカァーーーァン


 また別の場所で爆発が起きた。偶然その近くにいた冒険者が爆発の原因を見た。何か火急の様なものが空から降ってきたのだ。その方向を見てみるとそこには魔族三体がいた。


「お、おい、、、あ、あれって、魔族じゃないか?」


「嘘だろ。と、とりあえず俺が、冒険班(パーティー)で魔族を相手取ります。あなたはこのことをギルドに報告してきて下さい」


 近くにいた冒険者は引き続き避難誘導をしている。


「待て、お前まだ新米だろ。魔族を相手にするなら俺たちが...」


「いいえ、ギルドに顔が知れてる先輩らのほうがギルドの対応は素早い。心配しなくても俺たちは伝説の世代なので大丈夫ですよ」


 ギルドは実績や称号、経験値などに応じて活動を補助する限度が決められている。今回の様な災害時はその制限が少し緩くなるが、新人の冒険者にはそのことを知らないものも多い。


 先輩の冒険者が止める前に新人冒険者は魔族のほうに向かって走り出した。


『伝説の世代だからって大丈夫か?いや、今はあいつを信じるしかない。ギルドに早く伝えないと』


 先輩の冒険者もギルド会館に向かって走り出した。最短ルートで突き進んでいった。途中目に留まった被災者を助けながら向かったので到着は少し遅くなったが、ギルド会館三階にある『冒険者援助相談窓口』に無事に着いた。

 避難民は怪我や容態によって分けられている。基本的には地下にいるが、命の危険性が高い被災者は出入り口に運びやすいよう地上に出されている。三階は早急に治療しなくても大丈夫だか、放っておくと死に至るような状態の人が集まっている。

 冒険者は窓口で被災者には聞こえにくいように小声で話をした。


「街の上空に魔族が三体いるのですがすぐに対応は可能でしょうか?」


 窓口にいた役員の女性も周りの様子を見て小声で答えた。


「分かりました。対魔族用の装備をご用意いたします。ですが、規則になっておりますのでこちらの書類に記入をお願いします」


「分かりました。できるだけ早めにお願いします」


 窓口の役員の女性は急いでギルドの貸し出し用の装備倉庫に入って行った。

 事情を伝えに来た冒険者は近くの椅子で渡された書類を記入した。記入事項には貸出冒険者名(代表)や、所属冒険班(パーティー)、貸出理由など、かなり書かないといけない。でたらめに借りたり、盗難対策も兼ねているようだが、緊急時用でもかなり書かないといけない。

 書類に記入が終わってしばらく待っているとさっきの女性が剣を持って出てきた。すぐに冒険者は窓口のほうに向かった。


「お待たせいたしました。こちらが当ギルドにある最高位の対魔族用の純聖剣〈封魔剣(チェッダーソード)〉です。この聖剣は特性があって闇を吸収、浄化することができます。ご使用の際にお役立ててください。あと、こちらでも魔族撃退用の大型設備の稼働準備をしておりますので、またしばらくすれば連絡がいくと思います」


「わかりました。ありがとうございます」

ワコガがくるまではセリフ以外で一人称が使えないのキツイ、、、

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ