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最強勇者、堕落して世界を救う  作者: 伍煉龍
終章:魔界編
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【066】面倒なことになった

サブタイが作者の気分みたいになっている気がする...

なぜだろう。そんなつもりじゃないのに...

「モペはどうした?」


 俺が言うと、ヰレアは笑った。


「どうしたもこうしたもありませんよ。ちゃんといるじゃないですか、ここに」


 ヰレアは言った。その一言で俺の予想は確信へとなった。


「リー、もういいだろ」


 サイオクはフードを被った男に言った。もういいよ。わかりきってることなんだから、これ以上の前ぶりはいらないんだよ。さっさと明かせよ。


「そうだな。まあ、とっくに気づいてたみたいだけどな」


 そういいながら男はフードを外した。やっぱりそうだった。フードの男はモペだった。


「魔王、俺らの仲間は全員死んだぞ」


 モペは俺の方を見ながら言った。


「そうか。なかなか面白そうじゃないか」


 サイオクは言った。少し楽しそうなにやけ方をしている。

 仲間が死んだ。確かにモペはそう言った。だとすると、みんなは...。


「ワコガ大丈夫か?」


 扉が開く音と同時にレイの声がした。

 振り返ってみるとレイ、レイン、ウィンディー、ヒエリンがいる。


「お前らよくここまで来れたな」


「一人で魔王なんて無茶だよ。私らもちゃんと頼ってよ」


 ヒエリンは腕を振りながら言った。どうやら少しお怒りのようだ。人出が少ないんだから最大限頼ってみたんだけど?


「俺はここまで来るべきじゃなかったんだ。どうせ死ぬだけなんだから」


 レインは絶望したような表情をしている。一位のところに置いてきたのがまずかったのか?ケガとかは特にしてるように見えないけど。


「レイン、弱気になるな。お前には魔将と戦ってもらう。本気で死ぬ気なのか?」


 俺はレインに問いかける。少し怒鳴り気味だった気もするけど。


「そんなわけないじゃん!でも、あんなの見ちゃうと...」


 どうやら本当に俺が一位に置いていったこのが間違いだったようだ。目が死にかけたことを物語っている。だとすると回復魔法を受けたからケガが見当たらないのか。装備はボロボロだもんな。


「レイ兄はモペを、レインは魔将二位のヰレアを頼む。ウィンディーとヒエリンは両方のサポートを頼む」


 仕方ない。俺の保険がなくなるけど、レインがあれだと戦えそうにない。魔王と戦うんだから残しておきたかったけど仕方ない。仲間の命には代えられない。


「ノメルエンナ、レインの体に移れ。お前の戦い方を身をもってレインに叩き込め」


『面倒なことをさせるな。なら、勇者の足かせになってるもの全部持って行ってやるよ』


 勇者の足かせってなんだ?俺は今でも十分強いと思うんだけどな。


「何でもいいから任せたぞ」


 俺がそういうとノメルエンナの魂はレインの方に移動していった。


「させるか」


 サイオクが魂状態になったノメルエンナに攻撃しようとしている。魂状態だと技が使えない。俺はサイオクを蹴り飛ばして外に飛ばした。俺は追いかけるようにして外にと向かった。


「魔王の邪魔すんなよ」


 モペが俺を殺す気で留めに来た。


「何ふざけたこと言ってんだよ」


 レイが止めてくれた。

 俺はサイオクを追って外に飛び立った。‘天翼’のおかげですぐに追いつけそうだ。


「サイオク様の邪魔をするものは許せまい」


 ヰレアも外に出ようとしている。


「駄目だよ?そもそも僕が君を殺しちゃうから行けないよ」


 レイン?いや、ノメルエンナが食い止めた。いや、心臓一つつぶして部屋の入口の方に投げ飛ばしたのだ。


「私を投げ飛ばすとは、いやはや恐れ入りますね」


 ヰレアは壁に激突したのにもかかわらず無傷で平然としている。


「今の死ねると楽だったと思うんだけどな。君はどこまで僕の拷問に耐えられるのかな?」


 ノメルエンナは見下すような笑みを浮かべてヰレアに言った。


「私はあなたの拷問なんざ受けませんよ。あなたはここで死ぬのですから」


 ヰレアは全く動じない。むしろさっきよりも殺意が強くなっている。


「そうか。じゃあ、ちょっくら遊ぶか。水属性が得意な体だから、‘渦水(シオマキ)’」


 ノメルエンナはヰレアと二人だけになるように空間を水で囲んだ。


「一対一ですか。面白そうですね。いいでしょう。‘闇混(ノウアン)’」


 二人を囲んでいる水が紫色に変色した。高濃度の闇が溶け込んだのだ。魔界の周りにあった川と同じ性質を持っている水になったのだ。


  ~~~~~~~~~~


「モペ、俺はお前と戦いたくない。戦う必要なんてないだろ?」


 レイはモペに訴えかける。


「それはお前の私情だろ。俺はお前らが邪魔なんだよ。魔族を一人残らず殲滅させ、俺らの野望の妨げをするお前らが、俺は嫌いだ。だから殺す。いやなら俺を殺してみろ」


 レイは弾き飛ばされる。


「野望?なんだよ、お前の言うその野望って一体何なんだよ?」


「お前には関係ない」


「いや、あるね。お前は俺たちの仲間だ。仲間の野望をかなえるのが冒険者だ」


 レイは息を荒げながら言った。

 モペはどうでもいいといったような表情をしている。


「お前らが知ったところでどうにもできない」


「そんなの聞いてみないとわからないよ」


 ウィンディーも聞いている。


「無理のものは無理だ。魔族にしか理解し得ない、叶えられぬ野望を離すだけ時間の無駄だ」


 モペは斬りかかってくる。レイとウィンディーは二人で応戦するも傷一つつけられない。

野望とは一体何なのか?

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