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最強勇者、堕落して世界を救う  作者: 伍煉龍
第5章:神宮編
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【046】邪神の正体

 何千年も調べても何もわからなかったことを解決したら[神々の祝福]を受けられるってことか。そもそも分かったところで俺が邪神に勝てるのか。

 いや違う。何千年もわからないってことは相当な手練れの可能性がある。


「そもそも、その邪神は何をしたんだ?」


「アルウス様の意に反したことを繰り返す不届きものだ。だが、神宮での職務において誰も不自然な点はない。それどころか完璧だ」


「それではまるで、私たちが手出しできない方のを疑っているようですね」


「だったらなんだよ」


「そのような存在、私が知る限りたったの一人しかいません。絶対神アルウス様を疑っておいでですか?」


 ルーサーの言葉にエイジは黙り込んだ。作業していた手も止まった。


「そう考えるといろんなところで点と点がつながり連鎖するんだよ。信じたくないからこそ自分じゃ調べらんねえ。神は皆そうだろ。だからこそそいつに探らせる」


 どうやら俺は道具のように使われるみたいだ。


「俺は頼まれたことはする。でも、基本的に誰かの指揮下に入るようなことはしない。探り当てて倒すことならするけど、お前の言いなりにはなったりしないぞ」


 俺は断言した。いや、断言する必要もなかった。多分、俺は自分の意思を固めようとしただけだ。


「分かった。お前、名前は?」


 解析すればわかることだろう、と思いながらもここは名乗るのが常識か。


「俺はノメルエンナ......」


「「「は?」」」


 なんだノメルエンナって。俺はそんな名前知らないぞ。なんで今俺からそんな名前が出たんだ。


「今ノメルエンナって言いました?」


「ああ、確かにこいつは今ノメルエンナって」


 二人が焦っているのが見て取れる。何か相当まずいものの名前なのか。俺にはどれだけ考えてもわからないことだ。このまま考えていると宇宙の起源を考えそうになるので考えるのをやめた。


「ノメルエンナって何なんだ?」


「お前知らねえのかよ」


「初代勇者の名前です。〈ノメルエンナ・ノーメルスーヌス〉、彼は死ぬ間際に言い残したことがあったそうです。『たとえこの身が朽ちようとも、世界を統合させ平和をもたらせる』っと」


 初代勇者の名前。俺の口から自然と出てきた名前。だが、俺はその名をこれまで知るはずがなかった。

 学園でも勇者についての授業はない。授業の一環で有名な冒険者の中に出てくるくらいだ。でも、初代勇者のことなんて文献が残る前の話だ。この時代だと誰も知らないはずだ。

 だが、神に寿命はない。殺されない限り死ぬことはない。そして、他の種族の界に降りることを禁止されている。だから誰も知らないのだ。


「そうなのか。俺はもう行く。邪神は必ず倒してやるから安心しろ」


 俺は部屋から出た。


「私もお供しましょう。行きたい場所へは案内しますので」


 ルーサーは俺の後ろからついてきた。エイジは何も言わずに俺たちを見届けていた。



「俺と一緒にいていいのか?お前も仕事あるんだろ」


「そうですね。ですが、私の仕事は他の神に比べれば僕わずかなものですのでそう急がなくても大丈夫です」


「そっか。じゃあさっそくだけど、絶対神アルウスの場所まで案内してくれ。そいつならすべてわかるはずだろ」


「アルウス様はこの神宮の最上階に居られます。ですが、くれぐれも粗相のないようにしてくださいよ。その気になればこの世界すべてを滅ぼすこともできるお方ですので」


「その前にけり付ければいいだけだろ」


「あなたにそれができればよいのですが」


 俺はルーサーに案内されるままに移動した。とはいっても再浄化まで飛んでいくだけのことだ。かなりの長距離を、まっすぐ、真上に。


「絶対神アルウスは俺でも倒せそうなのか?」


「無理だと思いますよ。あれに勝てるのはこの世界だけでしょうから」


「そっか。じゃあ、俺とお前でアルウスを倒すって言ったらできるか?」


「どうでしょうね。そもそも私は戦闘ができないので何の役にも...」


「その本のせいだろ。ずっと手に持ってるその本のせいで戦えねえんだろ」


「よくわかりましたね。確かにそうです。ですが、この本を手放せば何もかも奪う厄災になってしまいますので放すわけにはいかないのです」


「じゃあ、厄災になったお前とアルウスならどうなる?」


「それは私が負けるわけありませんよ。無駄に慈悲深いだけで何もできないやつなんで」


「そうか。わかった」


 俺は昇るのをやめた。


「どうしました?もうすぐ着きますよ」


「そうだな。もう少しであいつに会えるだな」


 俺は笑って昇るのを再開した。


「ええ、あいつに...会える......」


「どうかしたか?急に遅くなったけど」


「いえ、何でもありません。アルウス様と会うのに緊張してしまって」


「そうか」


 そのあとは何も話すことなく一番上の階まで来た。扉は一つだけ。それも今まで上ってくる中で見たもので一番大きな扉だ。


「入りましょうか」


 ルーサーが扉に手を当てると扉が開いた。


「何者だ?」


 中から声がした。そこには人間でいうところの八歳程度に見える少女が立っていた。


「アルウス様、勇者をお連れしました」


「え?この小さな子が絶対神?」


「悪いか小僧。さっさと貴様もひれ伏せ」


「いや、この場で即刻裏切り者、邪神を処罰してもよろしいですか?」


「ほう、正体は誰にも知られてないと聞いたが。お前にはわかるのか」


「もちろんですよ」


 俺はアルウスの方に歩いて行った。アルウスは俺の顔をずっと睨むように見てくる。


「お前なんだろ、ルーサー」


 俺は振り返って言った。

あ、ヤバい。想定より進むの早すぎる。

この章で頑張って十万文字行くんだ!行きたいんだ!(おそらく無理かもです)

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