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最強勇者、堕落して世界を救う  作者: 伍煉龍
第5章:神宮編
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【044】入宮試験

【第5章:神宮編】開幕!

久しぶりの主要キャラ、ワコガだけになりそうな章。


どこまでどうやって書けるのか自分でもわかりません。改稿多くなるかもしれないし、そんなにしないかもしれないです。



※神宮の読み方は『じんぐう』ではなく『しんきゅう』です。

 俺は町の中央にある櫓の真下にいた。

 これから神々の世界、神界に向かうところだ。


「みんなはもう立派な賢者だ。俺が戻ってくるまでの間のことは任せたぞ」


「お前も、理想の勇者を越えてるんじゃないか?」


「いや、俺の理想は魔王を倒せる勇者だよ。まだまだ俺じゃ力不足だ」


「そっか。まあ、頑張って来いよ」


「うん。行ってきます」


「行ってらっしゃい」


「禁断の禁忌魔法‘天界転移(ハピネスレイン)’」


 レイは笑って見送ってくれた。

 俺の足元の魔法陣の光に包み込まれるようにして俺は消えた。正確には転移しただけだ。




 俺が転移した先には大きな神殿のような城みたいな建物が建っていた。


『ここが深海か。[神々の祝福]ってどうやってもらうんだ?聞いとくの忘れてたな』


 そんなことを思いながら俺は建物の入り口へ向かった。入り口には門番が二人いた。今までに感じたことのない闘気(けはい)がする。おそらく神なのだろう。


「ソコノモノ、宮殿ニ入リタクバ、ソノ力見セテミロ」


「弱者ゴゴト簡単ニ踏ミ入レル場所デハナイカラナ」


 力を見せろと言われても俺を解析すれば‘勇者’であることは明確のはずだ。それに、ここに来られるのは覚醒した勇者だけのはずだろ。


「弱い勇者とかいるのかよ」


「タトエ覚醒サレタ勇者デアッテモ弱イ者ハイル。過去ニハココデ死ニ絶エタ勇者モ大勢イル」


「勇者ニハソレヲ担ウダケノ力ガ必要ダ。ソンナコトモ知ランノカ」


「勇者の知識は継承されなくなってるからな。いつぞやの馬鹿勇者が伝える前に死んだらしいからな」


 おそらく伝承が途絶えてから着た勇者が俺が最初なのだろう。そもそも能力を解析しても何もわからないものを使おうとする者はいないだろう。


「試スマデモナサソウダナ」


「コノバデ死ヌガヨイ」


 門番らしき二人は持っている大きな鎌をもって俺に突っ込んできた。


「力の見せつけはお前らを殺せばいいのか?」


「出来ルモノナラシテミヨ」


「ドウセ出来ヌノダカラナ」


 俺は二人の攻撃を潜り避け背後に回って〈祝福の聖剣(ハーピーブレード)〉を抜いた。俺は首筋を斬ろうとしたが防がれた。


「ソノ剣ヲドコデ手ニ入レタ」


「ナゼ貴様ガソノ剣ヲ使エル」


「そんなこと言われてもな。これは卒業祝いで貰ったもので、手に取った時から俺のものだぞ」


「否。ソノ剣ハ初代勇者ニ託サレタモノ」


「初代勇者以外ガ使エルハズガナイ」


 使えるはずがないと言われてもあ俺は普通に使えていた。何か理由でもあるのだろうか。


「なん世代間か知らないけど直系だしな。何かあってもおかしくないと思うぞ」


 完全に無責任な発言だ。何の確証もない。言い訳になっているのかもわからない言い訳を俺はした。たぶん関係ないだろうし。


「マサカナ」


「アリエヌ」


 二人は俺への攻撃を止めることはなかった。俺も殺す気で反撃している。だが、さすがに神だ。そうやすやすと殺されてくれない。


「その鎌、聖剣の類か面倒だし()るぞ。‘流水(ウェーブカット)’」


 俺は二人の持っている鎌の付け根あたりを斬った。ついでに一人の首を斬れた。


「お前も倒さないとだめなのか?」


「否、我ハ死ンデハオラヌゾ」


 首を斬ったのに喋ってやがる。どうなってんだよ。こんなのいくら斬っても殺せないんじゃないか。


「我ラハ双神デアル。ドチラカガイレバ蘇ル」


 一人倒すだけで勢いが削がれた。それを再生する前にもう一人も倒すのは相当面倒だ。


「蘇る前に斬ってやるよ」


「ソンナコトデキマイ」


「武器がなくなったくせにやけに強気だな」


「我ラノ武器ハナクナルマイ」


 その言葉通り二人の武器は斬られた部分から復活した。元通りどころか鎌の先に槍のような短い刃もついている。


「面倒だな。‘流水(ウェーブカット)’」


 俺は流れるように二人の両腕と武器を斬った。


「統合魔法‘獄炎泉水(バーニンウォー)’連刃」


 俺は即座に技を変えて二人の首を斬った。

 削がれる勢いは技の統合魔法の威力任せてゴリ押しした。

 俺が倒した二人の神は光になって宮殿の頂上あたりに吸い込まれるように昇っていった。


「これで入れるだけか。[神々の祝福]って何したらもらえるんだよ。死ぬ気でやらないともらえないんだろうけど」


 俺は宮殿の入り口に向かって歩いて行った。すると、中から一人の神が出てきた。


「どうやら本当に死んでしまったようですね。あなたですか?ここにいた神を殺したのは」


 中から出てきた神が周りを見渡してから俺に声をかけた。


「入りたかったら倒せって言ってたからな」


「やれやれ、彼女らも馬鹿ですね」


 呆れたように呟いた。


「お前も俺と戦うのか?」


「まさか、私は牧神の〈ルーサー〉です。牧師の神に当たります。戦う能力なんてありませんよ。今しがたここにいたはずの二人の死が告げられたので確認に来ただけです。どうぞお入りください」


 ルーサーと名乗った神は宮殿の中に戻っていった。

 戦う能力がないと言っていたが、闘気(けはい)だけで言えば門番みたいに立っていたやつらよりも強そうだった。まあ、力があっても訓練してないと勝てる戦いは少ないだろうからそう思っているだけかもしれないな。

 俺は一度軽く深呼吸してから宮殿の中に入っていった。

『統合魔法‘獄炎泉水’』について詳しくは【001】をご覧ください。

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