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最強勇者、堕落して世界を救う  作者: 伍煉龍
第4章:忍びの里編
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【042】覚醒?

予定がかなり先の未来に飛んで行ったのです。

「お前とはもう、家族でも何でもない」


 ある程度自我を保てているが、少し気を抜けば自分でも制御しきれないほどに全身が暴れ出しそうになっている。


「ワコガ、あんたまさか...」


「俺にもどうなってんのかわかんねえよ」


「引き金を引いてしまったようね。‘死体粘生命体組成(リライフスライム)’」


 マージュの魔法によって獅子鯱(シャーザー)の死体というか肉片が溶けて一つになり蘇生された。解析してみると種族が妖怪から魔粘生命体(スライム)になっている。しかも、特級だったはずが超級になっている。超級になると本来班集(レイド)を組んで戦うことが主流になる。しかし、冒険班(パーティー)でも倒せないことはない。


「意地でも俺を動かしたいのかよ」


「いや、勇者には死んでもらいたいの。あんたが死ねば勇者は絶える」


 マージュが言うのと同時に魔粘生命体(スライム)が俺に攻撃してきた。魔粘生命体(スライム)は種族として物理攻撃に対する耐性がある。それに、ここまで強くなると魔法であっても有効打を打つのは難しい。


「ワコガは動くな。こいつは俺たちが対処する」


 レイとセイヤが防いでくれた。

 俺には体を動かすだけの力が引き出せない。俺にもわからないが、今にも暴走しそうな力があふれ出てくる。それを抑え込むことしかできず他のことができない。‘並列意思’を使っていても動かせないのだ。


魔粘生命体(スライム)に溶かされた方がよかったと思うんだけどな。まあいいわ。私が殺してあげる」


 マージュは魔権を出して俺に斬りかかってきた。

 俺はマージュを森の深い方に蹴り飛ばした。そのせいか、俺が抑えこんでいた力が暴走しだした。俺の体は俺自身で制御できなくなってしまった。

 俺の体はマージュを追いかけるように森の奥へと進んでいった。


「ワコガ!」


 レイの叫びも俺には届かなかった。


「レイ、感じなかった?ワコガから出る闇を」


「ああ、あいつは半魔(ハーフデーモン)だ。魔族として飲み込まれたらおしまいだ」


「様子を見に行きたいけど、これをどうにかしないと行こうにも行けないしね」


「ヒエリン、森の監視はもういいからワコガの監視を頼む。あと、他のみんなはそっちが終わったら避難所の変更を頼む」


 レイは‘思念通信’でみんなに伝えた。


「セイヤ、こいつ倒せそうか?」


「一人だったら無理だね。二人でも勝てるか知らないけど」


「そうだよな」


 魔粘生命体(スライム)はいくら斬られてもすぐに回復する。本体でない方は切られると消えてなくなるが、終わらない戦いを強いられているような感じだ。


「そろそろお前も見えてきたんじゃないか?」


「あいつのコアだろ。見えてるけど届くのか?」


「二人同時に斬りかかる。どちらかでも届けばそれでいいんだからな」


 二人は一度距離をとって構えなおした。


「行くぞ」


「「神聖魔法‘聖光斬撃ライオネットクラッシュ’」」


 レイの攻撃は魔粘生命(スライム)のコアを切断した。

 セイヤは斬ろうとしたときに魔粘生命体(スライム)がセイヤの体にまとわりついてきて斬れなかった。レイがコアを斬ったときにセイヤは解放された。


「いてて、皮膚若干溶けたかもな」


「大丈夫か?」


「なんとかな。皮膚が痺れてるくらいだ」


「それほんとに大丈夫なのかよ」


「知るかよ。どうせすぐ治るって」


「そうだな。俺たちも避難所に行くか」


「そうだな」



 避難所はレイの指示で場所を変更していた。北東にあった避難所を南西まで移動させたようだ。


「二人来たぞ」


 モペがレイたちの方を振り返りながら言った。


「よかった」


 マリネは独り言のようにつぶやいて二人の方へ走っていった。


「おかえり」


 マリネはセイヤに飛びつき、抱き着いた。


「ウッ...ィ...イッッッッッテー---」


 セイヤは町中に響くような声を出した。マリネは慌ててセイヤを離してた。

 マリネがセイヤを心配している横でレイが苦笑している。そのせいもあってマリネは困惑したような表情をしている。


「もう虚勢を張るのはあきらめたのか?」


「元から張ってねえよ」


 セイヤは即答した。


「虚勢って?何かあったの?」


「大丈夫、ちょっと皮膚が溶けそうになったくらいだ」


「それ大丈夫じゃないでしょ」


「少し痺れたり、ヒリヒリするけどすぐ治るだろこんなもん」


「そういうものか」


 少し疑問を抱きならもマリネは納得したようだ。


「みんなは無事なんだろうな」


 レイがマリネに聞いた。


「問題ない。町の者も他の五人も無事だ」


「じゃああとは...」


「ワコガだけか」



    ~§~§~§~§~§~



 森の奥に入っていった俺の体から出てくる闇の量がどんどん増えている。


「いい加減その闇吸収して魔族体(デーモンフォーム)を見せなさい」


 そんなこと言われても俺の自我がまともに作用しない状況でできるわてもなく、マージュに殴りかかりに行っている。


「来い、魔剣〈造闇漆剣(ダーネックブレード)〉」


 俺の体は自分自身から出ている闇と造闇漆剣(ダーネックブレード)から出ている闇をどんどん吸収している。


「目覚めよ、我が魔族体(デーモンフォーム)


 そういうと俺の右半身は魔族のようになった。手足も魔族のようになり、魔族の羽も生え、額から角が生えたり目が澱んだりと、右半身だけ見れば魔族にも見える。


「それがワコガの魔族体(デーモンフォーム)か。これは、覚醒させない方がよかったのかもしれないね」


 俺としてはこっちの方が自我を取り戻しやすい気がする。それでもなかなか取り戻すことができない。一瞬でも隙を見つけたら我がものにできそうな気もするが、確証は持てない。


「死ぬ準備はできたか?」

最近作者の体の調子が真面目に可笑しくなってる。

詳しくは「@gorenryuu」のTwitterで投稿していこうと思っています。

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