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最強勇者、堕落して世界を救う  作者: 伍煉龍
第4章:忍びの里編
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【038】作戦実行

想像以上にテンポが速くて焦っております。どこまで伸ばせるかお楽しみに!

「一つ聞いてもいいか?」


「どうした?」


「その避難場所にする一番弱い軍ってどうやって探すんだ?」


闘気(けはい)を探る。だから、探りやすい位置にやつらが来るまでは動けないがな」


 正直もっと時間があればもっといい作戦が思いつくのだろうが、すぐに思いつくのはこれが限界だ。



    ~§~§~§~§~§~



―――報告を受ける前夜、妖界の森の中―――


「この祠を壊せば封印された妖怪が解き放たれるのね。ここ以外にも四つ。すべて開放すればワコガが居ても問題ないでしょ。何せ百鬼夜行では...ククッ」


 森の中にある祠の前で笑い出した。魔将第五位のマージュだ。

 マージュは次々に森の中にある封印の祠を破壊した。封印の祠には祠全体に御札が貼られている。すぐそばには封印された妖怪について書かれた看板がたてられていた。


「ワコガも馬鹿ね。自分で勇者だなんて言い出して、それも、私がこちら側だと知っていながら」


「知られても問題ないから明かしたんじゃないか?」


「その声、リー?」


 魔将たちが強化された後に魔王と話していたフードの男がマージュに声をかけてきた。


「あなた、なんでこんなところに?まさか」


「そのまさかかもな。俺はあいつらと一緒にいる。でも安心しろ。俺がお前と戦うことはないだろうからな」


「それはこっちからも願い下げだよ。あなたアゼシャンともいい勝負できるんでしょ」


「まあな。あの頃は少し手加減してたが、今はどうなるかわからねえぞ」


「そう。まあいいわ。あなたが相手じゃないなら大丈夫そうね」


「それはどうかな。ワコガ以外にもヰレアと戦えるようなやつはいるぞ。せいぜい気を付けるんだな」


 そういってフードの男はどこかに行った。


「そう。心しておくわ」



    ~§~§~§~§~§~



 次の日、俺たちは朝から百鬼夜行に向けて準備をしていた。

 町の中央の櫓に俺とヒエリンが上り、周囲の森を見ていた。櫓の下には住人たちが続々と集まってくる。


「昨夜皆様も知らされたと思いますが決戦は今夜です。

 住人の皆さんはマリネ、師範、レイ、セイヤの四人の護衛の下避難してもらいます。

 避難開始は我々の作戦実行と同時になります。

 奴らの強さを見計らえる距離に来るまで手の打ちようがないのが現状です。

 どうか皆さんの迅速な避難に協力願います。

 それが、我々を勝利に近づける最初の段階です」


 俺は櫓の上からみんなに聞こえるように言った。


「百鬼夜行についてどこまでお分かりでいるのでしょうか?」


 町の最年長の老人が声をかけてきた。


「数多くの妖怪が軍になってやってくるんですよね」


「そう。ですが、百鬼夜行の妖怪は妖刀でしか殺せぬことはご存じですか?」


「それは本当なのか?」


「はい。ワシは幼き頃に一度だけ見ました。聖剣で戦う者を。ですが、そのものが斬り倒した妖怪は幾度も立ち上がり、やられてしまったところを。皆さまは妖刀お持ちで?」


 俺たちは妖刀を持っていないない。ないものはどうすることもできない。他に倒す方法を調べるか。そんな時間はない。どうすればいいんだ。


「妖刀は我の一本のみだ」


 マリネが老人に言った。

 そうか。マリネの持っているのは妖刀だったのか。実物(モデル)があるならできる。


「マリネ、その剣を見せてくれ。もしかしたら作れるかもしれない。俺の、俺たちの妖刀を」


 俺はマリネの近くに飛び降りた。


「あ、ああ、構わないが、どうするんだ?」


 俺は妖刀をまじまじと見つめた。


「よし、これなら作れる。みんな自分の魔力を剣の形にして見せてくれ」


「は?」


「いいから早く」


「これをどうするんだよ」


 七人とも言われたままに剣をの形にした魔力を出した。


「秘術‘造剣(メイド)’」


 俺はみんなの魔力に妖力を流し込んだ。かなりの量の妖力を流し込むと剣が実体化して妖刀になった。あとは俺のを作るだけだが、それは昼過ぎにでもするか。


「一応それが妖刀のはずだ。お前らの魔力はちゃんとお前らに戻ってるから安心しろ。あと、ちゃんとした作り方じゃないから今回ばかりになるかもしれないからな」


「ワコガ、お前の分は?」


「ああ、後で作るよ。今は疲れた。少し休む」


 そう言って俺は櫓の下で座った状態で昼頃まで寝た。

 俺は起きると食事を済ませ、妖刀の制作をすることにした。


「さて、みんなちょっと下がって。俺の妖刀作るから」


 俺は近くにいた人たちを少し離して、両手を大きく広げた。


造剣空間(メイドエリア)展開。

 空間(エリア)内のすべての魔素を妖力に変換。

 俺の|魔力に空間(エリア)内の妖力を充填。

 [我ノミニ扱エル秘術ヨ、此魔力ヲ剣身二変エタモウ‘造剣(メイド)’]

 なんで自分の作る方が疲れるんだよ」


 俺が作りがした妖刀はなぜか二本になった。しかし、他の剣よりも刀身が短い。おおよそ三分の二といったところだろうか。とりあえず俺は背中の腰あたりに二本ともしまった。


「これでみんなの妖刀ができたな。おじいさん、助言ありが...ッ。みんな構えろ。奴らの移動速度が速くなってる」


 急に奴らの気配が強くなってきた。その早さがさっきまでとはまるで比べ物にならないほど早くなっている。


「もうすぐ夕暮れか。日が暮れるにはまだ時間がかかるはずだが」


「その前に来るかもな。避難所は北西エリア。そこを起点に東回りにモペ、フレア,ストーム、レイン,ウィンディー、そして俺の順だ。百鬼夜行の殲滅及びその背後にいる奴を倒すぞ」


 俺たちはすぐに行動を開始した。みんな各自言われた方から感じる闘気(けはい)を頼りに殲滅に向かった。

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