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最強勇者、堕落して世界を救う  作者: 伍煉龍
第3章:王都第一学園編
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【026】闇克服訓練

「ワコガ君、何所かね」


 外から学園長の声が薄っすらと聞こえた。

 俺は‘天羽’を用いて闘技場の上から姿を見せた。


「どうかされましたか?みんな中にいます」


「そろそろお昼にしないかね?寮の食堂が提供して下さるそうでね」


「わかりました。すぐ向かいます」


 俺は下に降りて、みんなに飯の時間だと伝え闘技場から出た。



「すまないね、正午を過ぎてもなかなか見えなかったから大丈夫かなと思っただけなんだけど」


「いえ、訓練期間は食べるに越したことはないんでありがたいです。復興期間は昼食無しがほとんどだったのでつい」


「そうだったのか。冒険者になるって大変なことなんだな」


 俺たちは寮の食堂へ行った。学生が食べ終わった音の時間で学生とは合わなかった。まあ、今日は学園も休みらしいからそもそも学生とは合わないだろう。まあ、明日から再開するらしいから明日には会えるだろう。


「寮食なんて久しぶりだな」


「まあ、卒業したら終わりみたいなもんだしな、普通は」


「そうだよね。ここの食事美味しかったから好きなんだよね」


 みんな久しぶりの寮食に浮かれている。さっきまで剣を振るっていたのが嘘のようにみんな騒いでいる。これだけ騒げるなら午後はずっと闇を浴びせてみるか。まあ、そんなことしたら俺が倒れるだろうけど。



「食堂内で暴れるなんて愚行はしないでくれよ」


「当たり前じゃないですか。そこまで馬鹿じゃなないですよ」


 俺たちは食堂に入って昼食をとった。

 寮食は獅機嫌いが分かれることが多い。寮食が嫌な人は自分で用意していた。調理室があるからそこで軽く作ることはできる。まあ、俺は作ることはなかった。調理は俺の唯一といっても過言ではないほどにできないことの一つだ。他にも苦手なことはあるが寮売りは人に見せられたものではない。調理実習が無くて助かったとまで思っていたからな。


食物(こんじき)に感謝をもって其の力を授からむことを。いただき受ける」


 マリネが何か言っている。

 聞けば、マリネの出身地方で信仰されている宗教での『いただきます』がこうなるらしい。数ある宗教の中でもここまで独特なのは珍しいものだ。


「マリネの出身ってこの近くなのか?」


「山を二つ超えた先。山の中にある」


 俺の素朴な疑問にマリネはすらすら答えた。忍の里の場所ってそんな簡単に教えて良いものなのか。


 食事中は自由に話していた。訓練のときは全然雰囲気が違ってみんな明るい表情だ。訓練のときはみんな真顔より目つきが怖い表情をしていたからな。



 食事も終わり俺たちはまた北広間に向かった。


「よし、午後からは闇の克服訓練も混ぜていく」


「マジかよ」「嘘だろ」…


 さっきオリジンが言っていたこと聞いてたのでみんなにをされるのか分かっている。なんならさっき俺も一瞬やろうとしていた。


「お前らもしんどいだろうけど俺も大変なんだぞ。微調整しなきゃだし。とりあえず闘技乗入るぞ。ここでやったら大変なことになる」


 そう言って俺たちは闘技場内に入っていった。


「オリジン、すまないがココニ誰も入らせないようにしてくれ。闇を使う」


「たく、貴様は我を何だと思っているんだよ」


 そうは言いながらオリジンは闘技場の周りを飛び回った。これだけ低くを飛んでいたら誰も近寄れないだろう。


「神聖魔法‘聖なる光(ライオネットライト)’。来い魔剣〈造闇漆剣ダーネックブレード〉」


 闘技場内に闇が広がっていく。さらに濃度も濃くなっている。


「きつくなったら自分で自分の周りに結界張れよ。倒られても困るから無理はするなよ」


 レインたち五にはかなり早々に結界を張った。

 そして少ししてモペが結界を張った。

 レイたち三人はなかなか張らない。兄貴と同じ冒険班(パーティー)だったから魔王の闇に触れたことがあるのだろうか。さっきも三人はあまり動かなかったし、他のメンバーよりもビビっていなかった。


「今結界張ってる奴らはもっと結界を強くしろ。もう少し闇を足す。今の結界だと持たないかもしれないぞ」


 俺がそう言うとみんな何重にも結界を足した。

 闇を少し足していくとセイヤとマリネも結界を張った。


 俺は魔剣をしまった。‘聖なる光(ライオネットライト)’を高出力にして周囲の闇を一気に浄化した。


「もう大丈夫だ。結界を外していいぞ」


 みんな結界を外した。みんな寝ころんだまま立ち上がれないでいるようだ。レイも膝をついた。


「レイ、マリネ、セイヤ、お前ら神聖魔法を纏ってたろ」


「ああ、魔界に行くときほど強く張らなかったけどな」


「魔界に行ったことあるのか?!」


 レイが淡々と答えたので俺は驚いた。魔界に行ったことあるなら先に行ってほしかったものだ。


「ああ、一瞬で帰ってきたけどな。あの闇は全魔力を注ぎ込んでようやく防げるほど濃かったからな」


 魔界の闇を甘く見ていたかもしれない。言われてみれば確かにそうだ。闇の空間で魔族しかいないんだ。よく考えれば闇の濃度は濃くなるに決まっている。


「マジかよ、ならもっと訓練しないといけないな」


「ああ、あと入るときにもかなり魔力を消費するぞ。変な結界みたいなのが張ってあるからな」


 確か聖光と闇の混ざったような壁だったか。確かに存在するのがおかしいような存在だ。通るだけでも魔力を消費するのか。どうにか対策しないといけないな。

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