表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強勇者、堕落して世界を救う  作者: 伍煉龍
第3章:王都第一学園編
24/70

【024】あの日の契約

【+8.5話】のような話です。

 レインたちは恐る恐る戻ってきた。


「こんなところで闇使うってどんな神経してんだよ」


「お前たちもいずれ魔剣を持ってる魔族と出会うことになるかもしれなんだぞ。そうなったらどうする。今回みたいに逃げるのか」


「そ、それは、、、」


 切れ気味に言いかかってきたレインたちは俺の言い返しに黙り込んだ。

 普通の魔剣なら闇はそこまで強く出てこない。だが、俺の魔剣は常に闇が放出されている。他にも似たような特性の魔剣に出会う可能性もある。その時にもある程度対応できてもらわないと困る。


 魔将の第五位で闇をある程度操れていた。つまりそれより上の階級ならもっと自在に操れてもおかしくないわけだ。

 闇の克服方法なんか知らないしな。神獣なら分かるかもしれないな。よし、聞いてみるか。


「まあ、お前らが闇苦手なのは分かってるよ。無理して闇の中に飛び込めとは言わない。でも少しくらい慣れて欲しい」


「そんなこと無理に決まってるよ」


 ヒエリンは呼吸を少し荒げ上がら言った。


「まあ、俺もできるかどうかもわからん。だから今から知ってそうなやつに聞いてみる」


「おい、俺はいつまで待てばいいんだよ」


 レイが話に割って入ってっきた。俺と打ち合いの訓練だからずっと待たせてるんだった。


「安心しろ、今から召喚するからすぐ終わる」


 そう言い返して俺は術式を構築し始めた。ちょっと複雑な召喚術式だ。初めて召喚するのには術式構築からする必要があるから大変なんだよな。とはいえ、大まかな猗たちはもとからあるものを使えるからそこに情報を付け足すだけでできる。


 一分くらいかけてようやく術式が安定して使えるようになった。


「やっとか。召喚魔法‘契約獣召喚(シエルビース)’」


 俺がそう言うと魔法陣が白く輝いて、白い影のようなものが空に向かって伸びた。

 だんだんとシルエットが見えてきた。


「お、おい、あれって、、、」


「まさかな、、、」


「嘘だろ、、、」


「......」


 はっきりと姿が見えると全員何も言えず、唖然とした。


「久しぶりだな。今大丈夫だったか?」


「呼び出しといて聞くな。まあ、ちょうど暇していたが」


「お、おい、ワコガ、これはどういうことだ」


 レイが横からゆっくりと歩みを進めながら聞いてきた。


「ん、ああ、龍を召喚したことか」


「他に何があんだよ」


 何でって言われてもな、神の呪縛を解くために契約しただけなんだけどな。



  ~~~~~回想~~~~~


  ――〈ワコガ・リュー〉と太古の龍があったころの別れ際の話――



「したいことは分ったが、失敗すれば貴様が死んでしまうぞ」


「後継が見つからないまま死ぬのは御免だな。まあ、大丈夫だろ。少しばかりお前らの力を借りないといけないかもしれないけどな」


「まあ、多少は手助けてやろう」


 さすがにヤバくなったら俺が強制解除するだけだ。


「よし、始めるか。術式魔法展開、契約術式を選択、契約獣(シエル)化を実行」


「術者〈ワコガ〉の契約に賛同」


 俺の術式に龍の魔力も流れ込んできた。俺は術式を安定させながら魔力を流さなくてはいけない。

 契約獣(シエル)になるといつでも召喚できるようになる。使い魔とは違い、強制の命令はできないところだ。使い魔にするにはその分消費魔力も増える。


「術式安定させてるだけなのに、結構きついな」


「仕方あるまい。我の魔力も制御する必要があるのだからな」


「そういうこと、思ったよりしんどいな。でも、そろそろよさそうだな」


 俺は軽く深呼吸をした。


「契約魔法‘契約獣化契約(シエルチェイン)’」


 俺がそう言うと俺と龍の魔力が混ざり合って術式が発動した。術式から混ざり合った魔力が自分に流れ込んできた。自分以外の魔力が体に入ってくることなんて普通はないので、体にかなりの負荷がかかっている。

 強者と契約するのはそれほどまでに苦しいものなんだな。


“確認しました。ネイムド〈ワコガ・リュー〉が太古の龍〈オリジナル・オリジン〉を契約獣(シエル)として獲得。両者のステータスガ大幅に上昇しました。ネイムド〈ワコガ・リュー〉は召喚魔法‘契約獣召喚(シエルビース)’を獲得。太古の龍〈オリジナル・オリジン〉は転移魔法‘契約主所転移(シエリズムウェーブ)’を獲得”


能力案内(アナウンス)だ。どうやら成功したらしい。まさかここまで重労働になるとは思わなかったが、特にこれと言って問題もなかった。


「どうやらうまくいったようだな。それにしても手助けなしで成功させるとは思いもよらなかったぞ」


 ずっとギリギリの作業になっていたのはそのせいか。

 手助けなしで神獣を契約獣(シエル)にできた。そんなことできる奴は普通はいないだろう。俺も自分でやっておいて驚いてしまった。まあでも、合意があっただけでも多少はやりやすかったのだろう。強制の契約はそれほど簡単ではないからな。


「まあ、無事失敗せずにすんでよかったとは思うが、、、」


 俺はサイトタウンに向かった。



  ~~~~~~~~~~



 俺は何一つ隠すことなくレイたちに打ち明けた。魔王と会ったこと、龍と契約したこと、勇者になった経緯すべてだ。


 俺の話を聞くとみんな唖然とした。


「そこまで来ると運がいいのか悪いのかってなるな」


「で、でも、魔王と戦って生き延びたのだからすごいことだと思うよ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ