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最強勇者、堕落して世界を救う  作者: 伍煉龍
第2章:サイトタウン編
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【020】災害の翌日

 ギルドは俺達冒険者全員に就寝用の部屋を貸してくれた。部屋は三人部屋で、俺とレイとレインが同じ部屋だった。

 俺たちは三人で魔将や最後俺と戦った魔族のことなどについて話していた。


「魔将ってあんなに強いんだな。十位であんなに強いなんてもう俺達じゃ力になれなそうだな」


 レインはあばらを押さえながら呟いた。


「いや、今のお前らなら六位ぐらいとまでなら張り合えるんじゃないか。学園卒業したときよりもステータスも結構上がってるしな」


「そんなすぐ強くなれたら苦労しねぇよ」


 レインが立ち直るのには少し時間がかかりそうだな。この調子だとレイン自身の実力を自覚させる必要がありそうだ。とはいえ、今は俺もレインも疲れきっている。自覚させるのはまたの機会になりそうだ。


「まあいい、いずれわかることだ」


 俺たちはそんなかんじのことを話して寝た。



 翌朝、俺達が起きて部屋を出るとほとんどの冒険者がすでに部屋の前で話し合いをしていた。


「よお、起きたのか」


 昨日の冒険者だ。


「確かワコガだったか。俺はモペ・リーだ。よろしく」


「あ、ああ、よろしく」


 俺は差し伸べられたモペの手を取って握手をした。


「モペ?久しぶりじゃないか。元気してたか」


「レイか。久しぶりだな、十年ぶりとかか。だいぶ雰囲気変わったな」


「お前もな」


 どうやら二人には面識があるようだ。顔を見るなり二人で腕を組んで笑った。


「二人ってどういう関係なの」


 レインは二人をまじまじと見ながら聞いた。


「ただの級友だよ、学園時代のな」


 レイは笑って答えた。


「レイ、遅いじゃないか。昨日の冒険者集会(ムーブメントホール)の話は聞いたか」


 セイヤが声をかけてきた。ちょうどいい、俺もあの後どんな話をしていたのか気になっていたところだ。一緒に聞かせてもらうことにしよう。


「いや、まだだけど」


「そっか、じゅあ軽く伝えておくか」


 俺たちはセイヤから冒険者集会(ムーブメントホール)での話を聞いた。

 セイヤが話した内容としては、被害者の総数、街の被害状況、街の復興目途だった。


 被害者総数は俺も聞いていた数値といっしょで、死者三千七百四十二名、意識不明または重体五千三百四十六名、重傷者二万五千七百九十八名、軽症者三万二千五百八十四名、無傷で済んだのは一千二百八十九名だ。一般市民が閉める人口は六万八千七百五十九人から六万五千十七人にまで減った。

 また、冒険者の被害は魔族と戦ったもの以外にはいなかったようだ。よく十一人で魔将三体を相手に耐えたものだ。


 街の被害状況は、ギルド会館、王城、王都第一学園、王都第二学園、そして一部の工房や倉以外ほとんどの建物が倒壊、または焼失した。また、学園は一部施設の倒壊はあったらしい。

 レインたちが最後に戦っていた場所の壁が少し壊れかけていたが、それ以外に損壊があるような箇所はない。


 街の復興目途はあまりたっていない。元通りの街に戻すには一年以上かかるようだが、簡易居住区だけなら一、二週間もあれば用意できるらしい。

 食料はギルドにある程度保管されているが、六万五千人が一年以上も満たせられるような量はないので食料の確保が最優先の課題とされている。



「あと、この街に常時いる冒険者が三十人しかいないから救援募集かけてるらしいけどお前らも行くか」


「当たり前だろ」


 俺は即答した。レイとレインも首を縦に振って仲間を呼びに行った。

 周りの様子を見る感じ、依頼の通り道としてここの近くを通っていた冒険者もいたらしく、その人たちはすでに街を出る準備をしている人たちもいる。


「俺らが参加しても四十人だぞ。他に残れそうなやつはそんなにいなさそうだけど」


「ああ、六十人集まればいいくらいだろうな」


 俺とモペは八人が来るのを待ちながら話していた。


「俺はとりあえずこの装備を変えたいな。もうボロボロだし」


「まあ、魔族相手にしてたんだ全員の装備を一転させたほうがいいだろ。今は大丈夫でも耐久性が弱まってるだろうしな」


「そうだな」


 しばらく待っていると八人そろってきた。どうやら他のメンバーも同じ部屋になっていたらしい。


「お待たせ」


「おう、それじゃあ行くか」


 俺たちはモペに連れられるままに移動した。

 外に行くと簡易居住区の仮設作業が行われていた。おそらく建築業をしていたであろう人がその場の指揮をとっていた。数人の冒険者とギルドの役員が数名で建てている。俺達も手分けして作業の手伝いをした。


 俺たちは朝から夕方までずっと作業をしていた。ずっと作業していたが半分も終わらなかった。

 レインたちの冒険班(パーティー)は一日中山菜を取りに行ったり、畑を耕す手伝いをしていたらしい。


 俺たちは日が暮れて解散になったのでギルド会館に戻った。簡易居住区の仮設作業が終わるまではギルドが部屋を貸してくれて、食事も提供してくれるらしい。

 ギルドに変える道中、レインたちと合流した。


「お疲れ、瓦礫の回収しながらの建設は重労働過ぎるだろ」


「お疲れ、俺達は山道歩いたり、炎天下で農作業したりで大変だったぞ」


 どっちに行ってもかなり重労働だったらしい。

 まあ、被災者のメンタルケアをしている人たちもいたが、その辺は事務員がしていた。

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