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最強勇者、堕落して世界を救う  作者: 伍煉龍
第2章:サイトタウン編
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【010】魔王直属十大魔将

 魔族の方に向かった冒険者は‘思念通信’で仲間と連絡をとった。


「フレア、ウィンディー、ストーム、ヒエリン、聞こえるか?レインだ。南の空にいる魔族が恐らくこの災害の原因だ。俺達で足止めに行くぞ」


「魔族って、僕達だけで相手にするのか?」


「ああ、避難もまだ終わってない。みんな早めに来てくれ、俺も今向かってる」


「「了解!」」「「分かった!」」


 レインからの急な発言に冒険班(パーティー)メンバーも魔族のほうに走り出した。

 道中、周囲の冒険者にも警戒するように伝えた。

 最初に着いたのはレインだが、ほぼ同時位にフレア、ストームも来た。


「お前らいい加減にしろよ。スキル‘超飛躍(ハイラビー)’」


 レインは飛んでいる魔族たちの高さまで跳んで、剣を振った。しかし、剣が魔族の体にあたる前に地面に叩き落された。


「弱いな。その程度で我ら、魔王直属十大魔将に挑もうとしたのか」


 魔王直属十大魔将は、その名の通り、魔王直属の配下で十体しかいない。今この場に来ているのは、十位のクレイ、八位のファービー、五位のマゼスチャンの三体だ。


「クレイ、魔将に選ばれたからと言って浮かれるなよ。貴様は穴埋め要因なのだから今回で実績を出せなければお前の地位も危ういのだぞ」


 マゼスチャンはレインたちを睨み付けながら言った。


「魔王直属十大魔将とか一体でも俺らで勝ちようがほとんどないのに、三体相手はやばくないか」


「いや、でも今の僕らがするべきことはこいつらを食い止めることでしょ」


「食い止めるって言ったって私たちの魔法が通用しないかもしれないんだよ。それにレインくんの攻撃だって届かなかったじゃない」


「言い争ってる場合か。俺なら大丈夫だぞ、ヒエリン。」


 レインはよろけながら立ち上がった。装備も額のあたりから血を流していて、どう見ても大丈夫そうには見えない。


「いや、でも...」


「ヒエリンは、常に俺に回復魔法、フレアは火炎属性、ウィンディーは疾風属性、ストームは大地属性を俺に付与させてくれ。疑似無限回復状態で四大属性を一撃で放つ」


 ヒエリンが止めようとするのをかき消すようにレインは指示を出した。


「そんなこと相手の前でする用か会話とは思えないな」


 笑いながらクレイは突っ込んできた。

 五人はどうにか、かわしたが、地面には大きな穴が開いてしまった。直撃していたらひとたまりもなかっただろう。だが、穴の大きさに対してまわりへの被害があまりない。


「あぶね。もう少し遅かったらこのあたり一帯吹き飛んでたな」


 西のほうから声がした。


「お前らはそいつの相手でもしとけ。残りの二体は俺達〈共戦の仲(レイインフィニティ―)〉が引き受けてやるよ」


「レイ、正気かよ?十大魔将二体相手なんか俺嫌なんだけど」


「カナタ、お前賢者だろ。文句言うなよ」


「け、賢者って、冒険者の中でも上位の称号じゃないですか」


 レイとカナタの会話を遮るようにレインが口をはさんだ。


「ああ、俺たち全員賢者だ。お前らにその雑魚任せるから残りは任せとけって話だ。心配ならカナタでも貸そうか?」


 カナタは嫌そうな顔をしている。

 レインはカナタのほうに目もくれていないのでおそらく焦った表情を見ていない。


「いえ、俺達は伝説の世代ですよ。甘く見てもらっては困ります」


「伝説の世代か。なら、、、って、これが初任務か?」


 レイは驚いたように声を張って言った。


「俺達冒険班(パーティー)主要五要素(ナチュラルタイプ)〉の初任務です」


「「レイン!」」「レイ!」


 フレア、ウィンディー、カナタの声が急に二人を引っ張った。二人も、声をかけた三人も全員地面に伏せるように倒れた。

 その瞬間に二人の胴体があった場所を高速で影が移動した。


「戦闘中によそ見をするなって言ってたのはどこの誰でしたっけ?」


「ミヤ、なんだ。俺のこと馬鹿にしてんのか?」


「レイさんがよそ見してたんでしょ?」


「悪かったな。俺のせいでまた三体集まらせたみたいでよ」


 嫌味交じりの口調でレイは言った。


「問題ない」


 その言葉と同時位にクレイが降ってきた。背中に刀傷がある。


「よし坊主、そいつは任せたぞ」


 そう言ってレイはファービーに向かって剣を投げつけた。しかし、その剣は普通に避けられた。その間にレイはレインたちから離れた場所に移動した。

 レイが移動するのを見た〈主要五要素(ナチュラルタイプ)〉のメンバーはレインのほうに移動した。


「みんなさっきの作戦で行くぞ、チャンスは一度、あいつが突進してきた時だ」


「「「「うん」」」」


 五人は呼吸をそろえた。少しでもズレれば技は失敗してもおかしくない。


「清水系魔法‘蒼泉水(ニアケイター)’要素化」


「火炎系魔法‘紅獄炎(バイレンヤー)’要素化、授与」


「疾風系魔法‘碧暴風(レクシンドウ)’要素化、授与」


「大地系魔法‘玄動震(マーキネンス)’要素化、授与」


「回復魔法‘超回復(オーヒールン)’」


「要素結合、疑似魔法‘四色四種合成大魔法フォースインクレッション’流剣」


 レインは集めた四種類の要素を合体させて剣に凝縮した。

 レインの手足は少し震えている。それほどレインの体には大きな負荷がかかっているのだ。


「お前らごときでこの身体を斬れるわけがないだろう」


 いかにもなセリフを吐き捨ててクレイは突進してきた。それと同時にレインも前に出た。

  一部用語説明


要素化:魔法をそのものの特徴だけを残し扱いやすくした状態。たがし、攻撃魔法の場合は結合、または魔法化しないと威力は出ない。


疑似魔法:結合魔法のようなものだが、要素を結合させることで作り出される。結合魔法よりも簡単だが、威力は結合魔法に比べると劣る。


※要素の結合には結合術式は使用しない

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