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悪役令嬢処刑前夜

作者: 一般兵A

ほんの一時でしたがヒューマンドラマ部門月間9位になる事が出来ました。読んでくださった方、誠にありがとうございます!

 丘の向こうより日が顔を出し、空も白みだしたころ、私のもとには一通の手紙が届けられていた。王命を表す現国王直筆のサイン入りのその書状には明日死す者の名が記されている。翌日の昼頃、私はゴルロイス侯爵家令嬢、エレイン様の処刑を行わなければならないのだ。



 他者の首を刎ねることもとっくに慣れたはずだが、不思議と私の手先は小刻みに震えていた。落ち着かせるように視線を手紙に落とし読み返す。何周目かのこの行為に無駄なことと知りながらも自問自答を繰り返した。なぜ、どうして彼女がこんな目に、と。堂々巡りの思考の中、私はかつての懐かしい記憶を回想していた。





 父は自分の職を中々表にしなかったが、家での会話からある程度推察は可能であった。歳も5つを数えたころには我が家が処刑人の家系であるとはっきり悟り、今まで出会った街行く人々の冷めた視線の意味も否応なく理解させられた。 



 首を断ち、身を焦がし、骨を砕き、縄に吊るす。およそ司法に認められた全ての肉体への責め苦を一手に引き受ける処刑人たちへの世間の当たりは当然厳しく、いわばその扱いは腫物か具現化された穢れの如くであった。道行く人は皆意図的に距離を離し接触を避けんと躍起になり、時には物の売り買いや公共施設、果ては街そのものへ入ることすら拒まれもした。



処刑人への差別はその親族にも及び、私自身もひどく不遇だと感じずにはいられない幼少時代を過ごした。私に不用意に近づこうとする我が子を抑え、遠ざける近隣の親たちの嫌悪と忌諱の濃縮された表情は鮮明に脳裏に焼き付いてる。



 「見ろ、あれは処刑人が血に濡れた手で抱き上げ、育てた忌み子だ。」



 どこからか聞こえるそんな野次を聞き、私は子供ながらに自分は存在すら望まれていない者なのだと自覚させられた。



 十二の頃には父の助手として執行の現場に居合わせることは日常となり、17で両親が急逝してからは私が新たな当主として跡を継いだ。絞首、斬首、鞭打ち、焼印、耳削ぎ、鼻削ぎ、酷い例では四つ裂きの刑まで、この数年で多くの受刑者を相手にしてきた。中には明らかに無実な者もいたが、私ではそれはどうしようもできない。所詮処刑人など国家の犬にすぎず、上からのお達しにはイエスマンで応えるしかないのだ。



 月に少しばかりの国からの給金と副業の稼ぎ、それらで食いつなぎ、やがては同門との間に子を成し次代の処刑人に育て上げる。それが私に決定づけられた一生涯の設計図だった。なんの喜びもなく、ただ処刑人を取り巻く理不尽な社会の構造への憤りに泣き寝入りする日々に心はすり減るばかりである。



 そんな無様で惨めな私の人生に光明が差したのは、とある高位貴族の処刑を担当した日のことだ。



 刑の執行を済ませ処刑台の撤去も終わった後、私は自宅への帰路についた。穢らわしい処刑人は市民と同じ場所に暮らすのは不適である、そんな暗黙の了解から我が家は街の郊外に追いやられており、移動するだけでも一苦労である。おかげで家に着いた頃には日も沈みかけ、夕陽が辺りを赤く染めていた。暗がりの中で玄関の方に視線をやればそこには私と同じ年頃の客人がおり、それこそが私とエレイン様との初めての出会いでもあった。



 戸惑いこそすれ、とひとまず自宅に招き入れ要件を聞くに、彼女は先ほど処刑されたばかりのあの貴族について尋ねたいことがあるという。やはりと言うべきか、彼女も高位の貴族の令嬢であり、私が首を刎ねた男とは同郷の出身であった。父の如く慕い、尊敬した相手が処刑されるということで居ても立っても居られず、お忍びでこの街はずれの地を人ずてに聞きやってきたという。



 一つ驚いたこととして彼女の毅然とした態度が挙げられる。処刑人という職業に嫌悪を示す者が世の大半である中、彼女はなんら恐れることも毛嫌うこともなく私に接してくれた。そこには偏見も侮蔑もなく、あるのは私という一人の人間に真摯に向き合う者の姿のみがあった。



 しかしその表情はどこか暗く、悲壮的であったと私は記憶している。彼の最期を見届けられなかった、その一点が彼女の心に深い影を落としているのだ。私にできることなど求められた通りに、面会から死の瞬間までの彼の雄姿をつらつらと語る程度しかない。その行為が正しかったのか今となっては分からないが、ときおり涙をこぼす様には年相応の少女としての彼女の本質が垣間見えた。


 

 それからも彼女は暇を見つけては私の元を訪れるようになった。相手は大貴族の令嬢であり、当然私のような下賤の民はご尊顔を拝見することすらおこがましいのだが、彼女は忙しい貴族学院での日々の合間を縫ってここまで足しげく通ってきた。将来は国の政治にも関わるであろう彼女からすれば、司法と密接な関係にある処刑人の話は興味深いものだったのであろう。



 泣きはらした顔で我が家の戸を叩く姿からは、普段の生活では吐き出せない葛藤が見て取れる。ある意味で社会から隔絶された処刑人が相手であるからこそ、打ち明けられる胸の内があったのだろう。



 また彼女との交流は私自身にとっても新鮮なものだった。



 差別と偏見にさらされてきた私の人生で、肉親以外の他者とここまで懇意にできたのははおそらくこれが初めてだった。無論自分の領分は理解しており、本来ならすぐにでも処刑人との親交は断つべきだと具申すべきであったのだが、終ぞ引き延ばしたまま彼女の来訪を心待ちにする日々を繰り返してしまった。



 今にして思えば私は卑しくも彼女に恋心を抱いていたのだろう。私とて一人の男だ、目の前で笑顔を見せる可憐な少女に異性としての魅力を感じるのも必然的な流れであった。生まれて初めて感じる赤の他人からの優しさが、胸の空いた穴が埋まっていく感覚を刻み付けた。



 しかし貴族学院を卒業すれば彼女も晴れて成人貴族の仲間入りだ。そうなればこのように会える日も失われ、我々の関係は友人から単なる一市民と大貴族に変わってしまう。ならばその時まではせめて彼女の理解者としての立場を貫こう。そう決意した矢先にこの王命である。



 婚約者との不仲についてはかねてから聞いていたが、おそらくそれだけが死罪の要因ではないのだろう。なにか巨大な、それこそ私のような平の役人には計り知れないような陰謀の暗躍を勘ぐらずにはいられない。





 長い思考の循環から覚めた頃には、私は己の職務を全うすることこそが残された使命であると達観していた。せめて彼女の最期に泥を塗らぬようにしなければ、それだけが私にできる恩返しであるからだ。


 処刑人は前日から多くの準備などをしなければならない。私は用意を済ませ街へと向かった。心なしか足取りが重いことについては無視しよう。




―――――




 「ゴルロイス侯爵家令嬢エレイン、近頃の貴様の行動は将来の后妃に合わぬ傍若無人極まりないものだ。故に俺は今ここに貴様との婚約の破棄を告げる!」



 全ての始まりはこの貴族学園主催の社交界での王太子クリストフ殿下の宣言からだった。その腕は傍らにかしずく一人の少女を抱き寄せている。以前から殿下との浮ついた関係が噂されていた男爵家出身の令嬢だ。



 どうやら彼は私との婚約を解消し、新たな愛に生きるつもりのようだ。確かに殿下とは腹を割って話し合えたことなど一度もなかった。彼からすれば面白みのない、退屈な女だったのだろう。切り捨てられるのも無理はない。しかし事実、私たちには愛など育んでる暇も余裕もなかった。



 この国の中枢に位置する有力貴族のおよそ五分の一のルーツは皆、王国の北東、コーウェンストン地方にある。私が籍を置くゴルロイス侯爵家などもこの地に代々住まう一族だ。



 もともとは別の自治国家として成り立っていたコーウェンストンの地を王国が侵略によって併合してから既に数百年は経過しているが、その支配への不満は未だ燻ぶり続けている。他の地方より重たく設定された年貢の額、商売上での不平等、世間からのあざけりの視線、その他もろもろの要素は幾星霜の代を重ねより濃く、より深く蓄積されている。大貴族にまで上り詰めたコーウェンストン出身の者も表れ、徐々に和解の道へと向かい始めていたのだが、結局は私たちの利権を歓迎しない他の貴族との対立によって事態は進展せずにいるのが現実だ。



 だからこそ私と殿下の婚約には重大な意味があったのだ。王家の寵児たるクリストフ殿下、コーウェンストン地方の大家たるゴルロイス侯爵家、これら両家が結び付くことで長く続くいさかいを治め、融和の政策を進める必要があった。さもなければ国を舞台に矛を交えるか、そんな一触即発の状態にまでこの国家は至っているのだ。



 それを理解していてほしかった。叶うなら共に共存の道を歩みたくもあった。しかし所詮幼少から愛に囲まれ育った殿下と、憎悪を教え込まれてきた私とでは大きな、埋め切れぬ深い溝があったのだろう。



 重圧の厳しさから公然と浮気へと走った殿下、精神に蓄積された責務を唯一の心のおける親友に吐露し続けていた私、そこに何の違いがあるだろうか。あの処刑人の元に通っていたことが明るみになれば、少なくとも周りはそれを他の男に抱かれたものだと解釈するだろう。実際は友人という一線を越えることはなかったが、殿下の心が私から離れていることを悟った頃には憎からず彼を慕っていたのだと思う。



 故に私は一切の弁明を放棄した。ある意味では私も同罪であり、殿下からの断罪に従う他に責任はとれないからだ。それで全ては収まる。私一人が犠牲となればいい、そう思っていた。



 現実はかくも厳しく、無情だ。ことの顛末を見ていた現国王陛下がこの婚約破棄騒動の沙汰に介入、結果として我がゴルロイス侯爵家の親族全員が連座制で追放、元凶たる私自身は処刑されることになった。



 何度悔やんだだろうか。私が大人しく非を認めたがために家族は皆巻き込まれ、今まで築き上げたコーウェンストンの領民たちの地位も全てご破算となるなんて。



 全て、全て私のせいだ。




――――――




 監獄の門をくぐり再び私は外界に這い出る。街はいつも以上の熱狂と喧噪に包まれ、静寂とはかけ離れた状態となっていた。今後の準備の為にも私は雑踏の波に紛れ、足早に人込みを抜け出す。



 刑場の下見を済ませた後、私は当日の段取りの説明の為に彼女の収監されている街外れの監獄へとおもむいていた。



 改めて面会したことではっきり分かったことがある。エレイン様自身は必死に取り繕っているが、彼女は確実に心の根底では死を恐れている。正確には強い後悔から未だ今生に未練を残してしまっている、と言った方が正しいだろう。本来ならそこに私情など挟む余地はなく、粛々と刑は執り行われなければならない。頭では理解している。それがこの職を継ぐ者としての義務だからだ。それでも私の内には彼女の悲痛な佇まいがよぎり続ける。父が生きていたのなら私は処刑人失格だと言われてしまうだろう。



 そんな自嘲を抱えながら道を行く中、一人の男が近づいてきた。



 「なぁ、あんたが例の令嬢の首を刎ねるんだろ。明日は楽しみにしてるからよぉ、ぜひ派手に頼むぜ。」



 男はなんの作為的な表情もせず、さも当然のことのように語りかけてきた。気付けば私の周りには多くの民衆が包囲網を築いている。



 「噂になってるぜ。あの生意気なゴルロイス家の小娘をぶっ殺してくれるんだろう。」

 「大貴族の処刑は久しぶりだからね、期待してるよ。」

 「王家の威光に逆らった罰だ。楽に殺しちゃつまらないぞ。」

 「その通りだ。いっそわざと斬り損ねてなるべく苦しめて処刑してやれ。」



 周囲は徐々にエレイン様への罵詈雑言で溢れかえる。幾度も、幾度も、幾度も繰り返される悪意の共鳴は場の雰囲気すら飲み込み拡散される。街を行く人々全員が彼女を口汚くののしりだした頃に、私は堪えることも出来ず走り出していた。



 この国は歪んでいる。



 常日頃から処刑人や隷属民を穢れの対象として忌み嫌い、高貴なる人々には媚びへつらい神輿の如くほめたたえる。そこに一度罪が加わればいかな貴人でさえその死を渇望され、散り際すら冒涜せんとし、嫌われ者の私は一時のみ彼らの中心として立ち振る舞わされる。



 それが常識だと、当世の当たり前だと理解はしている。嫌悪を感じ、憤怒の念を抱く自分こそが異端なのだとも自覚している。それでも、この胸に靄がかるやるせない気持ちは何なのだ。



 街を包む呪詛に似た万歳三唱の轟きに耳を塞ぎ、ただひたすらに我が家を目指し駆け抜ける。なんと臆病で、惨めな姿であることか。結局私は逃げることしか出来ないのか。いつも勇気が足らず、抵抗という手段に目を背け、痛みを避けている。そんな者でありたくはない。最早四の五の言ってはいられない。歯を食いしばり、私は大きな決断をすることとした。




―――――




 今宵は満月、月の光は私の押し込められた牢獄すら明るく照らし出している。この夜空を眺めることすら私にとっては最期の経験になるのだ。



 明日の処刑は昼頃、大衆の面前まで引き出された後に私は首を断ち切られる。大丈夫、覚悟は出来ている。どれだけの人に罵倒されようと私はあくまでゴルロイス侯爵家の娘、家名に恥をかかせるような無様な姿は許されない。最後の瞬間まで恐れはあらわにせず散るのだ。



 「そう、大丈夫。きっと大丈夫だから、頑張るのよ私。」



 何度も自分に言い聞かせるこの言葉。それでも不思議と指先の痙攣は止まらない。処刑の執行者は私が最も信頼を置く彼だ、不安などないはずなのに。怖くなどない、恐ろしくもない、怯えるべきものなどない。ただ心の底には私が裏切ってしまった多くの人々への懺悔があるのみだ。そうだ、きっとそうだ。



 それでも頬を伝う涙が収まることはなく、延々と瞳は泣きはらしている。



 どれほど自分を律してもやはり私は弱虫のままだ。今更になって私は死への恐怖に打ち震えている。



 「……死にたくない。」



 ぽつりと吐き出した本当の感情、しかし封鎖された孤独の獄に応える者はなく、ただすすり泣きだけが木霊した。そう、それで終わりのはずだった。



 「その言葉をお待ちしておりました。」



 突如暗がりに現れた誰の血とも分からぬ赤に全身を染めた男、彼こそは件の処刑人だ。



 驚きに空いた口も塞がらない私に彼はかすれた声で言葉をかける。



 「誰が何と言おうと私にとってはエレイン様こそが生涯の恩人なのでございます。いつも逃げ続けてきたこの人生、どうかあなた様の為に賭けさせて下さい。あなたのお命を救えるならば私は全てを棄てる覚悟をしてきたのです。」

 


 聞けば彼は歯向かう看守を皆殺しにし、私を救い出しに来たのだという。受けた反撃は決して生易しくなく、身体中の生傷からは血液が滴っている。

 


 やはり私は罪深い女だ。関わった者を軒並み不幸へ導く、ある種の疫病神に近い。本来なら人を裁くべき立場の彼を逆に咎人へと駆り立て、その人生を狂わせてしまった。せめて真に愛しいと思った相手には平穏に生きて欲しかったというのに。



 「今からでも遅くありません。目撃者もいないならすぐにここを立ち去るのです。私なんかの為にあなたまで罪を被る必要はないのですから。」

 「それは出来ません。無実に近い人々を見送ることなど今の私には出来ないのです。他者の犠牲に目をつぶって生きれるほど私は器用ではありません。」



 淡々と返される彼の否定に私の精神は悲鳴を上げていた。私は死んで罪を償うしかないのだ。親族を窮地に追い込み、同郷の希望を潰し、思い人を危険にさらした。生きることなど到底許されない、否、私自身がそんな虫のいい話を許せないのだ。抑えきれず私は今の心境を吐き出す。



 「私は死ぬべきなのです。のうのうと生き残れば巻き込んだ皆さんに申し訳が立たない。それに…

 「それでもあなたは死にたくないと言った!まだ生にしがみついていたいと、そう願った!なら他人のこことばかり気にすんな!今際の自分の願望くらい素直に叶えてやれよ!」



 瞬間に突き返される彼の荒げた声、それは初めて体験する彼の本気の怒りであった。いつもは寄り添うだけであった彼からの否定、それは私の心に絡みつく何かを確かに壊した、そんな気がする。しばしの沈黙の後、彼は再び言葉を紡ぎ出した。



 「先程の無礼な発言に関しましては誠に申し訳なく思います。ですが、どうか最期にもう一度だけお望みをお聞かせ下さい。死か生か、エレイン様の選択に私は従うでしょう。」

 


 息を吸い、呼吸を整える。信頼してきた人だからこそ彼には気付かされた。その通りだ、生きてやる。こんなところで死んでたまるか。偽りなく言ってやろう。誰にも縛られず生きて、やり残したことを成し遂げてやる。



 「ええ、決まりました。ゴルロイス侯爵家が息女、エレインの名の元に命じます。私をこの獄より連れ出して下さい。」



 流した涙はとうに乾き、そこには月明かりに照らされた二人の不敵な笑みが浮かんでいた。




―――――




 積もりに積もった不平不満、そして今回の事実上の有力者に対する粛清にコーウェンストン地方の人々の怒りは限界を迎えた。猛将ウォレス辺境伯を中心に引き起こされた反乱はまさにその象徴であろう。



 以降7年間続くこととなる王国と肥大化した反乱軍の争いは愚王クリストフの戦死によって終結し、結果コーウェンストン地方は完全独立を成し遂げた。数百年の雪辱を跳ね返し、この地に生きる者たちが積年の願いをつかみ取った瞬間だ。



 その後彼らは直ちに新たな国家体制を定め、戦争に尽力した者たちを諸侯に任じ国内の安定に努めた。そして国外から支援を続けたゴルロイス侯爵家が呼び戻され、あらゆる階層の者たちが等しく集った日、ウォレス辺境伯は新王として戴冠の儀を受けたのだ。



 そこには新たに将官に任じられた例の処刑人とエレインの姿もあった。仲睦まじく寄り添う二人の笑顔、それは屈託のない心からの喜びに他ならない。



 場内にはいつのまにやら独立を祝う万歳三唱が鳴り響いている。他者を陥れるものに非ず、それは二人が長く求めてきた皆が分かち合う歓喜の叫びであった。



ここまで読んでくださったことに感謝です。




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[一言] まあそうなるわなあと 併合したとはいえ一大勢力でなおかつ住民感情最悪だから懐柔するための縁談を浮気で潰して相手の家取り潰して処刑 暴発するの目に見えてるのにそりゃ愚王って言われるよね
[一言] 素晴らしい物語をありがとうございました!
[一言] 最後の場面に至るまで二人は相当に苦労して互いに人を殺めた事もあっただろうなぁと思うと、感慨深い終わり方でした。 ギロチン発明する人がいなくてよかったなぁ……。
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