◇贈り物、したい気分◇
ジル「メリー、クリスマス……」
ジル「ホープ、ちょっといい?」
ホープ「え?」
ジル「ん……プレゼント」
ホープ「いや急すぎるけど……何で?」
ジル「……今日、そういう気分」
ホープ「そ、そっか。ずいぶん綺麗な箱だし、厳重に包んであるけど、どうやって作ったの?」
ジル「気合いで」
ホープ「……」
ジル「開けてみて」
ホープ「えっ、もう?」
ジル「……イヤ?」
ホープ「それは無い、それは無い。開ける。今開けるよ」
ジル「……」
ホープ「……」
ジル「……」
ホープ「あの、なっ……何も入ってないけど……」
ジル「何を、期待してた?」
ホープ「いや別におれは何も期待してないけどさ、普通……その、何か入ってるでしょ。まさか空洞とは思わなくて」
ジル「……なんてね、冗談。これが、本当のプレゼント」
ホープ「え?」
ジル「ぎゅっ」
ホープ「……お、おお。ハグね」
ジル「ん。悪くない、でしょ?」
ホープ「悪くないというより、むしろ良いけどさ……あのさ」
ジル「ん?」
ホープ「せっかくプレゼントしたい気分だったのに、肝心のプレゼント……思いつかなかったんだね? ジル」
ジル「あ、バレた。一瞬で」
ホープ「無理しなければいいのに……」




