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同棲癖。  作者: 濃紺色。
同棲癖。
8/16

似ている。

涼夜の高校生時代パート2。

───重いよ。


その言葉が頭の中をぐるぐると巡り、何も考えられなくなっていた。


「あーあ、残念」


突如、左頬に鋭い痛みが走った。


「冷たっ!」


気が付くと、明日香は既に教室からいなくなっていた。

俺はずっと、暗くなった教室で佇んでいたのか……。


「まぁ、もうちょっと早く気付くべきだったと思うけどね。明らかに最近、冷たかったじゃん。涼夜に対して」


左隣に依夜がいた。机の上に座って、いつもと変わらぬ態度で。


「……ほれ」


依夜は水色の袋に入った棒アイスを、俺に差し出した。俺の好きなやつだ。


「今日は私の奢り。好きでしょ、そのアイス。ソーダ味の」

「……うん」


依夜といると、心が安らぐ。


「頑張ったね、お疲れ様」


俺は袋を開け、アイスに齧り付いた。

ずっと変わらない、人工的な味。

視界がぼやけた。


「……美味い」


依夜も続いて、自分のアイスを齧った。


「うん……美味いね」


依夜は、涼しい日の夜に似ている。

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