1―1 異世界転生!何かが違う!
「異世界転移&ゾンビ」という内容。
ゾンビだらけの世界で生活を送っていくという物語です。
基本的に平和に進めていくので味方キャラが死ぬことは滅多にありません。
死んでもギャグ補正などで復活します(笑)
なので、安心して読んでください。
「うっひょー!最高だぜ!」
今の俺は最高の気分だ。
何故なら!これから俺は異世界ハーレムを楽しめるからだ!(予定だが)
ついさっき俺は通りすがりの強盗に刺されて死んだ。
死は人にとって最大の不幸。
だがしかし!そんな不幸は幸運へ変わった!
死んだおかげで異世界への転生が決まったのさ。
今の俺は水の中で流されているようだ。
頭のどこかで『お前は異世界転生する』と囁いている。
「こういう話なら、やはり異世界転生!乗るしかない、このビックウェーブに」
そんなことを考えているうちに光が見えてきた。
ついに来た、俺の異世界生活が!
「やった!やった!これでもうあのクソゲーとはお別れだ!」
少年は光の中に飲み込まれていった。
「フフフ。ついに来たぞ!」
少年は異世界へと転生した。
「さて、初めは中世ヨーロッパ風の街並みがあるはずだが」
しかし、そこには中世ヨーロッパ風の建造物などは無く。
荒れ果て、終わり迎えた街があるだけだ。
「は?何だここは?世紀末か?」
少年が言っているように、ここは世紀末のようだった。
今、彼が立っている所も壊れている家である。
「まあ、初めは少しハードな転生物語というわけか」
こんな状況でも彼はそんなことを考えていた。
そんな時、下から何かが動く音が…。
「何だ?ネズミか?」
残念!それはゾンビ!
彼の下からゾンビが現れた!
さあ、絶体絶命の大ピンチ!
「うあ!きもちわる!」
そのゾンビは全身緑でボロボロの服を着ている。
「うあ~うあ~」
「ひっ!声を出しやがった!」
勿論、ゾンビにも発声器官はあるので声は出せる。
「に、逃げろ~!」
少年はゾンビを見て、逃げてしまった。
これは主人公としては非常にダサい行為である。
ゾンビはハマっていた下半身を出し、少年を追いかけた。
「え!あいつ追ってくんの!」
当たり前である。ゾンビというのは大体人間を追いかけてくる。
しかも、この世界のゾンビは並の人間より2倍速い。
少年は帰宅部なので、そんなゾンビから逃げれるはずがないのだ。
やはり、雑魚である!
「はぁはぁ…こんなの無理だろ」
異世界転生したところで彼の場合は身体性能が上がってはいない。
現世にいた頃と全く変わっていないのだ。
そんな彼にこの窮地を乗り越えることはできるのか?
「うがーー!」
疲れている少年をゾンビは容赦なく襲いかかる。
これはかなりピンチなのだ。一応、頑張れ少年。
「ウア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!もう無理!」
彼は諦めた。
こんな化け物に勝てるわけがないと悟ったのだ。
ゾンビに押さえつけられながら、そう考えた。
だが、少年よ諦めるのはまだ早い!
バァン! どこからか銃声が聞こえた。
「え?ん?ん?」
上に居たゾンビは頭を撃ち抜かれ、倒れていた。
「だ、大丈夫?」
壊れた建物の後ろから、ショットガンを持った少女が出てきた。
少女は黒い長髪、大きな目、ふっくらした肌、綺麗な唇、身長156cm!胸はCカップ!
まさに作者の妄想の具現化である!
「君の名は?僕は翔太。翔くんと呼んでくれると嬉しいな」
「私は葵。あなたも転生者?」
「まあ、そうだけど」
「良かったわ。私たち似た者どうしね」
「そ、そうだね」
この時、少年は『この子は運命の相手』と思った。
「一体いつから──私が運命の相手だと錯覚していた?」
意外だった!まさか!そんな返事されるとは。
「てか、何で心が読めるんだよ!」
「大体、人の思考なんて顔を見れば分かるものよ」
「そ、そうなのか?」
彼には人のことを考えるという脳がないので、そのことに気づかなかったらしい。
まあ、普通は考えていることは読めない。
「さあ、行くわよ」
「どこにだよ」
「じゃあ、当ててみてよ」
そう言われ、彼は考えた。
考えているうちに、ある答えが浮かんだ。
「わかった!ホテルだ!」
「馬鹿ッ!」
少女はそう言い、彼に腹パンした。
「イテテ…そこまでしなくてもいいだろ」
「ふん、やっぱり男はダメね」
男とは皆そういうものである。
「さあ、早くしなさい」
少年は彼女に連れられ、どこかへ向かう。
「フフフ。ようこそ、私の"秘密基地"へ」
そう言い、少年を連れて"秘密基地"に入れた。
「ほえ~案外でかいんだな」
秘密基地な建物の下に存在しており、頑丈な扉もあるのでゾンビから逃れられるのである。
様々なガラクタを貼り合わせ、うまく壁や床として機能している。
「まあ、私だけじゃもったいないくらいね」
「確かにな」
「私の仲間になってくれるなら、ここに居させてあげるけど?」
「分かった。お前のために働いてやる」
「え?本当にいいの?死ぬかもしれないよ?」
「住む場所が無ければ、どうせ死ぬさ」
「いいわ、今日から私たちは仲間よ」
「あぁ、よろしくな」
そう言い、2人は手を取り合った。
この時、少女は思った『こんな世界なんて、私が変えてやる』
少年は思った『こんな世界でもチーレム生活に負けない日々を彼女と送ってやる』
「さあ、あなたの部屋を紹介するわ!」
「おぉ!俺の部屋か!」
彼はワクワクしながら紹介された部屋を見た。
「ここよ、広さは二、三帖ほどよ」
とても快適に過ごせるとはいえない部屋だが。
住まわせてもらうだけ、有難いので我慢我慢。
「まあ、ありがとうな」
「因みに私の部屋は、フカフカのベッド付きで10帖ほどよ」
やはり、何か不公平だと思った。
因みに翔太の部屋と同じものがあと4つある。
この4つは後々、テストに出るので覚えておくように!
「初めての仲間として、これをあげるわ」
そう言い、彼女は布とハンドガンを取り出した。
「ん?何だ?」
「この布は寝る時に使って。そして、このハンドガンは護身用ね」
「おぉ!ありがとうな!」
少年は目を輝かせて、布とハンドガンを受け取った。
「かっけぇ!これがハンドガンか」
(フフ、男子って馬鹿ね)
「よし!これでチート使いだ!」
「ま、まあ。弾は大切に使ってね」
「了解!俺がお前を守るさ!」
「残念だけど、あなたは守られる側よ」
そんな会話が30分ほど続いた。
「ありがとう。こんなに喋ったのは久しぶりよ」
「俺も女の子と話したのは久しぶりだ」
彼は女の子と話せて、とても満足していた。
憧れていた異世界転生とはかけ離れていても、この生活はあまり悪くないものである。
「因みに、食料は冷蔵庫にあるから」
「ん?冷蔵庫だと?」
この時、少年はある事に気付いた。
「ということは、電気が通っているのか?」
「う、うん。ここだけは…」
「なら、どこかで人がいるかもしれない!」
「確かに!」
今回の彼はそこそこ冴えている。
普段は無能だがな!
「じゃあ!その人に会いに行こうよ!」
「そうだな!そして、仲間になろう!」
「やっぱり、あんたは天才だわ!」
「そうだろ?だから俺と付き合って」
「やっぱり、ゾンビに喰われて死ねぇ!」
大声をあげ、少年の股間を蹴った。
「あ…あが…」
鈍い痛みに悶絶している。
「で…でも」
「でも?なんだよ?」
「あんたのことは…嫌いじゃないかも」
「そ、そうか」
この台詞の真実を彼には理解できない。
何故なら、彼は鈍感のようで鋭感とみせかけて鈍感なのである。
結論!鈍感主人公!
「ふぅ…今日は色々あって疲れた。寝るわ」
「わ、分かった。ちゃんと寝なさいよ」
「分かってるって」
「………み」
「え?何か言ったか?」
「お、おやすみ!って言った…」
「そうか、おやすみ」
そして、彼は布をかけて眠りについた。
スライムやゴブリンは居ない。
何故かゾンビまみれ。
中世ヨーロッパ風の建造物も無い世界。
ハーレム要素もチート要素も存在しない。
そんな理想とは全く違う世界。
でも、恋愛はありそうだ。
頑張れば理想に辿り着けるかもしれない。
果たして、少年の理想郷計画は…。
こうして、彼らのサバイバル生活が始まった。
このような感じで進んでいきます。
気に入っていただいたら光栄です。
では、次回の投稿もお楽しみにしてください。