表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/22

7 魔剣と狩り

 翌朝、目を覚ますと魔剣を抱きしめていた。

 うーん、まぁなんだ。

 別にいいや。


 そういえば魔剣は反応がないな。まだ寝てるのか?


 やはり、反応がない。寝てるようだな。

 魔剣も寝るんだ。

 そう言えばあの王座でも寝てたようなこと言ってたな。


 寝てても呪いは有効なようでしっかり体にくっついている。

 今気づいたんだが、別に腰に指したりしなくても勝手に魔剣は体の何処かに勝手にくっついてるな。

 外出するときは不自然だけど、家にいるときは気にしなくていいや。


 魔剣を使って朝食の準備をしてると、魔剣が目を覚ましたようだ。


(むにゃむにゃ……おはよう)


 おはよう。

 いい夢見れたか?

 魔剣が夢を見るかどうか知らないけどさ。


(夢もちゃんと見るよー。今朝の夢は……あれ、覚えてないや。なんかいい夢だった気がするんだけどさ)


 そういうことってよくあるよな。

 俺もどんな夢見てたかあまり覚えてないや。


(そうだよねー)


 なんか、2日目にして早くも魔剣と会話することが自然になってしまってる。

 自分の順応性が怖いわ。


 朝食終わったら、また昨日のダンジョン行くからな。


(働き者だねー。

 ダンジョン行くなら朝食はいいや。美味しい血をたくさん吸えるといいな)


 ☆


 予定通り昨日の階層の次の階層へ潜ってみた。

 最初のうちは単独の敵を慎重に選んで狩るようにしよう。


 目についたのはワイルドボア、イノシシのようなモンスターだ。

 あれを狩ってみるぞ。


(あれも美味しそうだよー)


 ワイルドボアは俺の姿を見るとこちらへ突っ込んできた。

 俺はそのまま魔剣を前に構えて立ちはだかる。

 ワイルドボアはそのまま魔剣に突っ込んで来て息絶えた。

 なんか簡単すぎるな。


 ワイルドボアの血を吸うと魔剣は光り輝いた。


(ピカーって来たよ。

 自己強化Lv2ってやつだよ)


 前の自己強化は結構すぐに上がったけど今度のは結構時間がかかったな。


(そういうものだよー。

 同じスキルの強化版は前よりずっと時間がかかるみたいなのー)


 そういうものなんだな。

 でも、これで昨日よりもっと強くなったわけだな。


(そうだよー。

 もう昨日までの敵はサクサクだよー)


 昨日の時点ですでにサクサクだったけどな。

 まぁ次々と狩っていくか。

 今の狩り方は楽だけど2匹以上来ると対応できないな。

 楽せずにちゃんとやるか。


 次のワイルドボアは待っていて突くだけでなく、ワイルドボアが間合いに入った瞬間を狙って切り裂いてみた。

 さっきより、確かに切れ味がいいな、感触でわかる。

 どちらにせよ一撃で倒せるんだが、こちらの方法なら2匹以上が同時に突っ込んできても対応可能だろう。


 午前中いっぱいそこで狩りをしたが、俺も魔剣も特に変わりなしって感じだった。

 そろそろ一区切りつけるか。


(疲れちゃった?)


 いや、まだ大丈夫だけど、お腹もすいたからな。

 貯まったDropアイテムをギルド行って買取してもらおうかと。


(まだまだいくらでも持てるよ)


 いや、これ以上は普通に考えれば持ちきれないから。

 怪しまれないためにも、このあたりで一度精算しておこう。


(なんか面倒だね)


 そうだな。

 そのうち、なんかいい手を考えるよ。


 ☆


 冒険者ギルドまで戻ってさっそく買取してもらおうと思ったら、ミランダさんはいないのか、残念。

 でも、ギルドのナンバー2のパティさんがいるな。

 今日はパティさんにお願いしよう。


「買取お願いするよ」


「早いですねー、もう今日はお仕事終わりなんですかー?」


「いや、荷物がいっぱいになっちゃったからな」


 俺はワイルドボアのDropアイテムをカウンターに並べた。


「えー、午前中だけでこーんなに集まったんですかー」


「レベルがあがってから絶好調だからな」


「わーすごいですー。さっそく集計しますので少々お待ち下さいねー」


 パティさんは少し喋り方が幼い感じなのが人気だ。ちょっとあざとい感じはするが、そこがまたいいと俺は思う。


(わたしもーそういう喋り方しようと思いますー)


 うっせーわ。


(ひどいですー。

 らいむはもう少し優しくしてくれてもいいと思うんですー)


「ライムさん、終わりましたよ」


 危ない、また魔剣との漫才で呼び出し気が付かないところだった。


「全部で41,530ゴールドですー]


 おー、午前中だけですでに昨日の稼ぎを上回ってるな。と言っても実質的な狩り時間は同じくらいか?


 ☆


 いつもどおり冒険者ギルドの隣の食堂でランチを食べて、ダンジョンへ戻った。

 午後はさっきより少し奥まで行ってみたが、いたのはキラービー。

 巨大なハチのモンスターだ。


(虫は嫌なのー)


 魔剣の意見に俺も従って、午前中と同じワイルドボアのあたりまで引き返した。

 そのまま、適当なところまで狩りを続けたが、魔剣の進化は起こらなかった。

 ワイルドボアの経験値は昨日のリザードマンと比べてもずいぶん高いようなんだけどな。


(なんかずいぶん難しいスキルを覚えるのかも)


 もう少しだけと思って狩りを続けてみたが、結局そのままだった。

 ギルドでの精算は、43,860ゴールドと午前中より少し多いくらいであった。

 でも一日分で考えると8万ゴールド以上か、すごい稼ぎだな。


 稼ぎがいいってこともあるけど、こうして魔剣との狩りとか悪くないなって気になってきた。

 今まで狩りとか、できるだけ安全に効率よくとかしか考えてないただの作業だったけど、魔剣がつまらないことでもギャーギャー騒いでくれるし、いろいろと飽きない。

 以前は狩りが終わっても疲労感しかなかったが、今ではなんか日々が充実してるような気がする。

早くも日間総合から落っこちてしまいました……

まだタイトル詐欺だからなぁ……

(きっと)もうすぐだと思うよ?


できたら、ブックマークとか評価とかしてくださると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ