5 魔剣と冒険者ギルド
本日2回めの更新になります。
荷物の心配がなくなったので、もう少しリザードマン狩りを続けることにした。
俺としても経験値がたっぷり入ってくるから美味しいところだ。
魔剣のほうは、この日はもうこれ以上進化することはなかったが、俺のほうがレベルアップした。
先日レベルアップしたばかりだったから、しばらくこのままだと思ってたんだが、思った以上にここでの狩りは経験値的にも美味しかったようだ。
【 名 前 】 ライム・パースロン
【 職 業 】 戦士
【 レベル 】 24
【 体 力 】 500+250
【 魔 力 】 130+65
【 攻撃力 】 340+170
【 防御力 】 290+145
【 俊敏性 】 270+135
【 スキル 】 剣術 初級回復魔法 初級一般魔法
【 状 態 】 呪い
順調にステータスも上がってるようだ。呪いによるプラス分もレベルアップに応じて増えている。
(レベルアップおめでとー)
ありがとう。
ひとりで長いことやってきたから、レベルアップした時におめでとうとか言われるのは、すごくひさびさな気がする。
なんか嬉しいや。
キリがいいから、今日はこのくらいにしておこうか。
(うん、わかった。
お肉もいっぱい貯まったから、しばらくは大丈夫だよー)
これが俺の仕事だからすぐまた明日にでも来るけどな。
(そうなんだー。
明日はもっと下に行っても大丈夫そうだね)
そうするか。
これより先は未知の階層で、この先にどんなモンスターがいるかはよく知らないんだけどな。
☆
冒険者ギルドへDropアイテムを精算に行く前に俺は雑貨屋で大きめのカバンを購入した。
何も入れてなくても膨らんで見えるカバンを選んだ。
アイテムボックス隠し対策のためだ。
ちょっと練習してみたほうがいいか。
テーブルの上にカバンを置いたまま、カバンの中に手を入れ、リザードマンの牙全部を取り出してみる。
その重さでびっくりしたが見た目は変わらずいい感じだ。
でも今日くらいの量ならよかったが、想定以上の量があると手がつぶれる恐れもあるな。
一度アイテムボックスに戻してから、今度は手のひらを下に向けて同じようにやってみた。
カバンの中に出したアイテムが自然と入っていった。
うん、こんな感じで大丈夫だろう。
俺はいつもどおり冒険者ギルドに入りカウンターにいる女性スタッフの一人に向かって、
「こんにちは、アイテムの買取お願いします」
冒険者ギルドのマドンナ、ミランダさんにお願いした。
「おや、ライムさん。なんかたくさんありそうね」
「今日は豊作ですよ」
俺は次々に、Dropアイテムをカウンターに並べていった。
生肉以外のすべてを並べ終えるとちょっとした量になった。
「どれだけダンジョンに篭ってたんですか。
それに、よくこれだけの量がそのカバンに入りましたね。重かったでしょ」
ちょっとやりすぎたかと思ったが、俺は苦笑いしながら、
「収納上手だからな。」
ちょっとムリのあるごまかし方か……
「じゃ、買取の計算しますからしばらくお待ち下さい」
ミランダさんは、いい笑顔でスルーしてくれた。
大人の対応、助かります。
(こういう牝が好みなんだね)
牝って言うんじゃないよ!
(なんて言うの?)
女の人って言うのが普通か?
精算待ちの時間で俺は入り口横にある依頼掲示板を眺める。
さすがにこの時間では売れ残りの割の合わない依頼や初心者向けのつまらない薬草収集とかの依頼ばかりだ。
いくつか、それなりの依頼もあるにはあるが、パーティー必須だったりして俺には縁のない依頼ばかり。
地道にダンジョンに篭っていたほうが稼げるってもんだ。
(ねぇねぇ、ここって何するところなの?)
うーんなかなか一言で説明するのは難しいな。
俺たちみたいな冒険者に仕事を斡旋したり、ダンジョンでの生産物を買取したりしてくれるところって感じかな。
(ふーん、よくわかんないや)
俺の説明が適当すぎるからな。
これからもちょくちょく来ることになるから、そのうちなんとなくわかってくると思うよ。
とりあえず俺のお仕事で来る場所ってことだけ覚えておけばいいだろ。
(そうしておくー)
魔剣と話しこんでるうちに、いつのまにか精算が終わって、ミランダさんに呼ばれていたようだ。
隣りにいた若い冒険者からつつかれて気づいた。
俺はその若い冒険者に礼を言うと、慌ててミランダさんのところへ戻る。
「ダンジョンに篭りすぎてお疲れかな?
精算終わりましたよ。全部で38,967ゴールドになります」
「ありがとう」
いつもにこにこ現金買取。
普段の数倍の収入に驚いた。
間違いなく俺の新記録だな。
いつもの半分くらいしか狩りできてなかったのに。