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22 魔剣と再会の時

新連載スタートしました。

「引退したアラフォー元勇者は娘とのんびり暮らしたい」 https://ncode.syosetu.com/n0355eo/

(下の方にリンクがありますのでそちらから飛ぶと便利かと思います)

 家に帰って扉を閉ざすと同時にアンジェが人化して俺に抱きついてきた。

 俺も思いっきりアンジェを抱きしめる。


 会いたかった。

 もう会えないのかと思った。

 ほんの数日なんだが、無限の日々に思えたよ。


(らいむ、あまり余裕がないかも……血を)


 俺は生まれたままの姿のアンジェを抱きかかえてベッドへと運ぶ。

 アンジェをそのままベッドに横たえ、俺もその横に寝そべる。

 アンジェは俺に覆いかぶさり、俺の首元に口を寄せ、そのまま俺の首に歯を立てた。


 俺の血がアンジェに流れていくのがわかる。

 以前と違い、アンジェの感覚を完全に理解できる。俺の血の味、なんて甘いんだ。

 この蕩けるような甘さが全身を包んでいく。

 そして俺がアンジェに溶け込んでいくのと同時に、アンジェが俺に溶け込んでいくのもわかる。

 俺がアンジェを感じていると同時に、アンジェが俺を感じている。


 なんて最高の瞬間ときなんだ。

 これまでの数倍の感覚に俺は耐えきれず、最初のときのように気を失ってしまった。


 どれだけ気を失っていたんだろう。

 俺とアンジェは共に意識を取り戻したようだ。


 ちょっとこれやばいな


(想像以上だったね)


 アンジェ、おかえり。

 俺はもう一度アンジェを抱きしめた。


(らいむ、ただいま)


 アンジェは顔を上げて俺を見つめる。

 俺はアンジェに唇を重ねる。


 もう、いいのか?


(らいむは、まだ大きくしたままだね)


 確かに俺はまだギンギンなようだ。

 もうちょっと吸ってくれたほうがいいかもな。


(ねぇ、このままそれで、わたしを貫いたりしたくない?)


 いやいや、まだアンジェは子供だし……


(むむ……

 まだ人間の感覚から抜け出せないのか)


 いやいや、俺まだまだ人間やめてないし。


(わたしが戻ってきたら、交わるって言ってなかったっけ?)


 あくまで将来の話だったはずだぞ。


(あれ? そうだっけ)


 確かそうのはず。


(こうなったら、我慢できなくなるまで、血を吸う量を最低限にして……)


 うわ、それやめて、お願い。


(うふふ)


 大人びた笑顔をしたと思うと、アンジェは再び俺の首に噛み付いた。

 再び訪れる至福の瞬間。

 癖になってしまいそうだ、これ。


 アンジェが帰ってきた。

 血に酔ったような狩りの時間と、帰ってきてからの麻薬のような時間。


 決して健全な日々とは言えないだろう。

 だが、アンジェがいつもそこにいる。

 どこに問題があるというんだ?


 幸せかと聞かれれば、俺は自信を持って幸せだと答えられる。

 アンジェと二人でいつまでも……

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