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18 魔剣とレアモンスター

 よし、狩りに行くぞ。


(らいむ、大丈夫?)


 何もしてないほうが気が滅入ってくるからな。

 それにもともとはこうだったじゃないか。

 魔剣のアンジェと俺とでの狩り三昧だ。


 たまたま幸せすぎる時間があっただけだ。


(ムリしないでね)


 おー、マイペースでいくぞ。


 俺は一心不乱に狩りを続ける。

 何も変わりのない日々。

 少しだけ、アンジェとの会話が重く詰まってしまうことがあるけど、それもきっと時間が解決してくれるだろう。


 いつもの狩り場でいつものように。

 それにしても、ワイルドボアもすごくたくさん狩ったよな。


(世界中で一番ワイルドボアを狩った冒険者って称号もらえるよ)


 そんな称号はいらないなぁ。


 くだらないことを言ってると、ワイルドボアに混ざって一瞬、金色の姿のモンスターを見た。

 もしかしたら、あれは!

 俺は手当たり次第にワイルドボアを斬り倒し、その金色のモンスターに迫った。

 間違いない、こいつはダンジョンの階層に関係なく極めて稀に存在するゴールデンホーンに違いない。

 見た目は金色の一角ウサギだ。

 あまり強くはないと聞いている。


 逃げ足の速いモンスターなので俺はあせったが、問題なく一撃で仕留めることができた。

 冒険者が一生に一回出会えるかどうかという超レアモンスター、こういう落ち込んでる時に逃げられたりしたらもうどうしようかと思ってたぜ。


(やったー)


 ゴールデンホーンはDropアイテムを落としていった。

 こいつの確定Dropは魔法袋だ。


(魔法袋ってどんなの?)


 要はアイテムボックスのスキルと同じだな。

 これはアイテムだから誰でも使えるんだ。


(ふむふむ)


 アンジェのアイテムボックスみたいに思っただけじゃ取り出せないのがまず違うな。

 でも、大きな違いは入れれる容量だ。

 アイテムボクスのスキルのように無限に入れれるわけじゃない。


(アイテムボックスも無限じゃないよー)


 あ、上限があったんだ。

 ちなみにどのくらい?


(百トンくらいのはずー)


 トンって……千キログラムが1トンだっけ?

 ってことは10万キログラムか、ぜったい問題ないな。


(そのアイテムボックスはどのくらい入るの?)


 それはランダムで試してみるまでわからないんだ。


(そうなんだー)


 帰ったら試してみよう。


 ☆


 その日の狩りを終え、普段なら冒険者ギルドでアイテムを買い取ってもらうんだが、俺はその前に家で魔法袋を試してみることにした。


 アイテムボックスから少しずつワイルドボアの肉を魔法袋に移していってみる。

 数十個移したところで魔法袋にはそれ以上入れれなくなった。


 数キログラムってところか。

 最低ランクだったか。


(ざんねんー)


 とは言っても最低ランクでも数十万ゴールドするんだぞ。


(そんなにするんだー。

 でもあんまり使えないんじゃ?)


 数キログラムでもこの小さな袋に入れれば軽くて便利だからな。

 普段のカバンのこと考えれば数キログラムでもそれなりには使えるから。


(そっかー、売っちゃう?)


 売らないでおこうかと思ってる。


(でもアイテムボックスがあるよー、いらないんじゃないの?)


 これをアイテムボックスのダミーに使えるかなって。

 見ただけじゃどのくらい入る魔法袋かわからないから、ギルドの買取のときとか少しずつアイテムボックスに移しては売るって感じでいけば、大量に一度にもっていけそうだからな。

 うまく行ったら一日に何度もギルド行かずにすみそうだ。


(あったまいい!)


 さっそくこの手をギルドで試してみたところ、まったく問題なくできた。

 たくさんはいる魔法袋を幸運にもゲットしたと信じてもらうことにしよう。

 これで懸案だったアイテムボックスの問題も完全に解決だ。


 もしいらなくなったら、その時に売れば十分だからな。とりあえず目先の現金に困ってないし。

新連載スタートしました。

「自作のファンタジー小説の世界に転移するとかチートすぎるでしょ」 https://ncode.syosetu.com/n6391en/

(下の方にリンクがありますのでそちらから飛ぶと便利かと思います)

本編完結した「妹が最強すぎて冒険がぬるい」の世界に作者が転移するというお話しです。

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